プライバシー設定を巡る不安と現実
「Windows 10で個人情報がダダ漏れ」報道の真相(1/2 ページ)
Windows 10のプライバシー設定に関して懸念の声が挙がっている。企業は、新機能の恩恵と、個人情報をオンラインで明かし過ぎてしまうリスクとの間でバランスを取る必要がある。
「Windows 10」は2015年7月にリリースされて以来、驚くほどの人気ぶりを見せている。「Windows 7/8/8.1」のユーザーは無料で同OSをダウンロードでき、これまでのインストール件数は1億2000万件を突破。Windows史上最も早いペースでアップグレードが進む。
こうした成功の一方で、Windows自動更新機能、無線LANアクセス支援機能「Wi-Fiセンサー」、音声アシスタント「Cortana」など、Windows 10の機能に関するプライバシー設定の不安も指摘されてきた。本稿ではこうした不安の一部を取り上げ、そうした不安には根拠があるのか、あるいはプライバシーポリシーの読み違えによるメディアの誇大騒ぎにすぎないのかを検証する。その上で、企業が講じることができる対策を紹介する。
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「テレメトリ機能」がもたらす混乱
プライバシーに関して最も大きな混乱や不安を招いているのが、Windows 10のデフォルトで有効になったテレメトリ機能(利用統計情報を送信する機能)だ。ここで収集される情報は、セキュリティ設定やメモリスナップショット、クラッシュなどに関するシステムデータから、アプリケーションが使われる頻度や使われ方に関する情報といった個人的なデータまで多岐にわたる。メディアが批判しているのは後者の方だ。
一見すると、これは重大なユーザーのプライバシー侵害に思える。米MicrosoftのWindows&デバイス部門のテリー・マイヤーソン上級副社長は、同社のデータ収集ポリシーについてもっと明確にする必要があると判断し、ブログに詳しい説明を掲載した。
マイヤーソン氏によれば、Microsoftは収集した個人情報について、Cortanaなどの機能が「あなたのためにもっとよく」働くようパーソナライズの最適化に利用している。またコンピュータのパフォーマンスについての情報は、「安全で安定した」エクスペリエンスを保証するために潜在的なバグを検出して修正する目的で利用している。
収集した情報は暗号化した状態で転送し、安全な設備の下で保管する。これはWindows 10ユーザーが「主導権を持っている」状態にあり、どの情報が収集されるかを選択し、新しいプライバシーカスタマイズのオプションを使ってCortanaなどの機能を無効にすることも可能だとマイヤーソン氏は強調する。
Windows 10のプライバシー設定には、データの共有を無効にしたり回避したりするためのオプション(匿名化などの手段を利用)が複数ある。コンピュータやユーザーの設定を一元管理する「グループポリシー」の設定で、管理者がデバイスを保護することも可能だ。有効化あるいは無効化したい機能の選択を支援する独Ashampooのアプリ「Ashampoo AntiSpy for Windows 10」や独O&O Softwareの「O&O ShutUp10」といったツールもある。
ただし、特定の設定を無効にすると、機能が低下したり使えなくなったりすることもある。従って機能の管理者は、個々の機能のリスクを検証し、プライバシーリスクやセキュリティリスクよりも生産性向上のメリットが上回る状態を保つ必要がある。
Microsoftのデータ収集ポリシーや慣行は、主にテレメトリ、パーソナライズとサービス、広告データの3分野に分類できる。テレメトリデータは専用のサーバに保存して安定性向上の目的にのみ使用し、ユーザーの特定に直接つながる情報は含んでいないはずだ。Microsoftの技術者は、個別のパケットに含まれる固有のIDを使い、報告された100件の同じ問題が1台のデバイスで発生しているのか、それとも別々の100台のデバイスで発生しているのかを判断する。
Windows 10には「基本」「拡張」「完全(推奨)」という3段階のテレメトリ設定があり、デフォルトは「拡張」になっている。Windows 10の「Home」や「Pro」エディションを使っているユーザーは、「設定」でテレメトリ収集の程度を変更できるが、完全な無効化は「Enterprise」「Education」エディションでしかできない。現在のテレメトリ設定は、Windows 10の設定画面の「プライバシー」にある「フィードバックと診断」から確認できる。
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