総賃金で平均25%の違い
「データサイエンティスト」はやはりセクシーな職業? 調査で分かった“超高給”(2/2 ページ)
BIとビッグデータの担当者にとって良き時代
BIとビッグデータの専門家に職をあっせんする米CBIG Recruiting&Staffingで代表取締役を務めるマット・ミューラー氏は次のように語る。「満足度は上昇傾向にある。というのも、会社は従業員の満足度を維持することに注力しているからだ。IT職の専門化傾向はどんどん高まっているように思う。従って、適切なスキルセットとバックグラウンドを持つ人にとっては良い時代だろう」
例えば、2015年にボーナスが支給されたと答えたBIとビッグデータの担当者の割合は、2014よりも増えているとミューラー氏はいう(※)。同氏によると、2007年の終わりから2009年にかけて続いた景気後退が終わってから数年、企業は倹約に努めていた。そのため、ボーナスは真っ先に削減対象となっていた。だが非常に多くの回答者がボーナスを受給しているという現状は、BIとビッグデータに携わる経営幹部やその他の従業員への投資が増えていることを示唆しているとミューラー氏は言う。
※ミューラー氏の個人的な見解であり、TechTargetの給与調査では2014年から横ばいの45%という結果になっている。
Bay Towelのドゥシェク氏は、自分を含む、IT担当者の満足度を維持するために会社が取り組んでいるように感じていると語る。一般的にBay Towelのような小規模な企業では、大企業に比べ、退職者が出たときに新しい従業員を配置するのが難しい。それはドゥシェク氏のような役割を持つ従業員についてはなおさらだ。さまざまな部門のためにリポートを作成している社員はIT部門で彼以外にいない。そのためドゥシェク氏は、Bay Towelが彼やそのポジションへの投資を削減することはまずないと確信している。
経営陣による評価が高まっていることも、多くのBIとビッグデータの担当者の満足度が高い理由の1つだとミューラー氏は指摘する。それから、データと分析に基づいてビジネス戦略全体を立てる企業が増加している。そのため、BIとデータ管理を専門とする従業員は社内でかなり高い評価を受けているのが実情だ。
分析タスクの分業化
IT業務の専門化によって、BIとビッグデータの担当者が得意とする仕事に時間をかけられるようになったケースもある。これは、カナダのYellow Pagesで電話帳業務に携わるデータサイエンティストが仕事への満足度を保つために欠かせないことだと同社でビッグデータと分析の統括責任者を務めるリシャール・ラングロワ氏はいう。
「彼のチームの主な業務はデータのパイプラインをセットアップして、それらの情報が見やすく、使える状態にすることだ。技術指向のデータエンジニアがデータアーキテクチャの構築プロセスを担当し、データサイエンティストのチームが分析アプリケーションの実行に専念できるようにしている。このように役割分担することで、データサイエンティストは、データを探して収集することではなく分析に集中できるようになっている」(ラングロワ氏)
現在、データ開発者とアーキテクトの需要が非常に高いとミューラー氏は語る。またオープンソースの「Apache Hadoop」やNoSQLデータベースなどのテクノロジーを使いこなせるビッグデータに関する専門的なスキルを持つワーカーも求められている。
突き詰めると、企業が非常に優秀なBIとビッグデータの担当者をつなぎ止める上で、報酬が重要な役割を果たすとミューラー氏は信じている。データサイエンティストなどの分析の専門家のモチベーションとなるのは、やりがいのある課題や魅力的な作業環境だとよくいわれる。これもある程度は正しいかもしれない。だが、非常に優秀なIT社員や分析担当者は、やはり最も待遇の良い企業にひかれるとミューラー氏は語る。
そのことを考えると、2015年度に昇給したと答えるBIとビッグデータの担当者の割合はもっと多いことをミューラー氏は期待したかもしれない。だが、BI、分析、ビッグデータのビジネスでの重要性は今後も高まることが予想されるため、この数値はさらに高くなると考えている。「報酬は優秀な社員を引き留めるための鍵だ。やりがいのある仕事も重要だが、今はやりがいのある仕事を用意できる企業は他にも多数存在する。そのため、報酬を上げることが肝要だ」とミューラー氏は語る。
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