無配慮な投稿は大企業も滅ぼす
ソーシャルメディア“コンプライアンス違反”のリスクが高い業種とは?
超巨大規模のグローバル企業において、ソーシャルメディアコンプライアンスの失策がもたらす問題の深刻さは常識的に想定できる範囲を超越する。順風満帆の企業を天国から地獄に突き落とす最大の問題とは。
米Nexgateは「ソーシャルメディアのインフラストラクチャの現況 Part 3:Fortune 100企業のソーシャルメディアインフラストラクチャのコンプライアンス分析」と題したレポートを公開した。同社はこのレポートで、Fortune 100選出企業におけるソーシャルメディアのコンプライアンスを分析している。このレポートで主に取り上げているのはどういった問題だろうか。
ソーシャルメディアは、多くの業界で組織、特にヘルスケアと金融サービスを提供する組織に対して、数多くのコンプライアンスに関する難題を生み出した。今回紹介するレポートでは、Fortune100選出企業のソーシャルメディア活動における、幾つかの深刻な問題を明らかにしている。このレポートで判明した“平均値”によると、Fortune100選出企業では、合わせて実に320ものソーシャルメディアアカウントを所有し、1159人の従業員がそれらのアカウントを使用して1年間で約50万件もの投稿をしている。そのような大規模な情報の流れと、それに関わっている人の数を考えると、ソーシャルメディアのコンプライアンスが問題になるのも当然だろう。
Nexgateの分析では、ソーシャルメディアコンプライアンスの問題が最も発生する業界として金融サービス業を挙げている。この業界に関するコンプライアンスのインシデントは、真性貸付法の公開から公正住宅法のコンプライアンスまで広がっている。しかし最大の問題は、金融業界は顧客の苦情に迅速に対応する、という金融業規制機構(FINRA)の要求に関連していることだ。ソーシャルメディアの存在を維持する金融機関や企業は、窃盗、偽造、その他資金の不正流用を申し立てるという顧客や消費者の行動に対して、自分たちのSNSアカウントで監視し、SNS上で気が付いた苦情に迅速に対応する必要がある。
ヘルスケア関連も、かなりの数のソーシャルメディアコンプライアンスの問題が発生する業界となっていた。ただ、この業界におけるインシデントは驚くべき原因から発生していた。当初、業界関係者が危惧していた「HIPAA」(米国における医療保険の相互運用性と説明責任に関する法令)は、結果から言うとコンプライアンスの問題の核心ではなかった。むしろNexgateの分析で明らかになった100件近いケースでは、FDA(米食品医薬品局)有害事象報告の要件となる可能性があった。
FDAでは製薬会社に、薬での問題に遭遇した消費者や医療の専門家から話を聞くごとに報告書を提出するように要求している。企業のオフィシャルなソーシャルメディアアカウントで誰かがそのような問題をTwitterで投稿した場合、これは単なる非公式な情報にとどまらない。従って、そのようなTwitter投稿がFDAの報告要件を満たす有害事象の通達となるかどうか、企業は考える必要がある。
ソーシャルメディアのコンプライアンスの問題は複雑であり、規制が厳しい業界でSNSの活用を考えている企業は、企業自体のコンプライアンスの責任に影響を与えるソーシャルメディアにどのように参加するかを、深く考えてから行動すべきだろう。
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