ビジネスで使うタブレットなら「iPad Air 2」か
徹底比較:圧倒的に性能が良い「iPad Air 2」vs. 圧倒的に安い「Fire HD 10」(2/2 ページ)
パフォーマンス
iPad Air 2は、Appleの「A8X」プロセッサ(1.5 GHz)を搭載している。A8Xは64ビットの3コアプロセッサだ。Primate Labsの「GeekBench 3」ベンチマークツールでマルチコアテストを実施したところ、4530というスコアを記録した。このスコアはタブレットの中でも最高レベルに近いが、やはりAppleの「iPad Pro」のような上位モデルには及ばない。
Fire HD 10が採用しているのは、MediaTek製のクアッドコアプロセッサだ。1.5GHzと1.2GHzのコアがそれぞれ2つで構成されている。マルチコアテストのスコアは、かなり低い1510で、Fire HD 10のプロセッサのパフォーマンスはiPad Air 2のプロセッサに遠く及ばないことを示している。なお、このスコアはSamsungの「Galaxy Tab A 9.7」と同程度だ。日常使いであれば十分なパフォーマンスだが、ハイエンドなゲームやメモリを多く使用するソフトウェアを実行するには向かないプロセッサだろう。
搭載しているRAMは、iPad Air 2が2GB、Fire HD 10が1GBだ。ほとんどの場合、RAMが多いほど処理能力は高くなる。
iPad Air 2では16GB、64GB、128GBの3バージョンから内蔵ストレージの容量を選べるが、Fire HD 10は16GBと32GBの2バージョンしかない。
パフォーマンスの高さ、RAMの容量、ストレージオプションの多さでは、iPad Air 2に軍配が上がる。
ソフトウェア
Fire HD 10では、Googleの「Android 5.1.1」をAmazonがカスタマイズした「Fire OS 5」と呼ばれるOSを実行している。ユーザーインタフェースの外観や動作はかなりの部分で標準のAndroidと同じだが、Amazonサービスへのリンクが多数あるのが特徴だ。
Fire OSの大きな欠点は、Google標準のアプリストア「Google Play」に接続できないので、Google Playのアプリやゲームなどのコンテンツを利用できないことだろう。Fire HD 10でアプリやゲームを入手するには、「Amazonアプリストア」を使用しなければならない。人気のAndroidアプリのほとんどはFire HD 10で利用できるが、Microsoftの「Microsoft Word」「Microsoft Excel」「Microsoft PowerPoint」など、一部のアプリは提供されていないので注意が必要だ。Officeスイートは提供されているものの、最高レベルのスイートではない。
iPad Air 2では現在「iOS 9.2.1」が実行されている。iPad Air 2は最新バージョンのOSにアップデートされるので、搭載OSのバージョンは時間とともに変化する。iPadの機能はAppleの「iPhone」とほとんど同じなので、iPhoneを使用したことがあればすぐにiPadを使い始めることができる。iOSもAppleのサービスと関連付けられているが、Fire OSほど露骨ではない。
iPad Air 2では、非常に多くのアプリを実行できる。iPhone用に作成された全てのソフトウェアはiPad Air 2と互換性があるほか、Microsoftの「Microsoft Office」などの生産性向上アプリやさまざまなゲームが提供されている。
Fire OS搭載のFire HD 10は一般消費者向けだ。一方、iPad Air 2は、一般消費者だけでなく、仕事用のモバイルコンピュータを探しているビジネスユーザーにも適している。
ワイヤレス
iPad Air 2とFire HD 10はどちらもデュアルバンドWi-Fi a/b/g/n/acに対応している。また、Bluetoothもサポートしており、外付けキーボードを使うことができる。
ワイヤレス機能の面では、iPad Air 2とFire HD 10は互角だ。ただし、iPad Air 2は、プラス130ドル(1万4000円)で4G LTE内蔵のモデルを購入できる。決して安くはないが、場所や時間を問わずインターネットに接続したいユーザーには重宝するだろう。
カメラ
iPad Air 2は、800万画素の背面カメラと、ビデオ会議用の120万画素の正面カメラを採用している。一方、Fire HD 10は、500万画素のメインカメラと720pの正面カメラを搭載している。カメラの違いは、画素数が示すよりも大きい。iPad Air 2はそこそこの写真を撮影するのに十分な性能を備えているが、Fire HD 10で撮影した写真には難ありなものが多い。
タブレットはカメラとして日常的に使用するものではないが、この分野でもiPad Air 2が優勢だ。
バッテリー持続時間
Amazonによれば、Fire HD 10は、1回の充電で8時間、さまざまなタスクに使用できるという。実際にテストしたところ、十分に根拠のある値だということが明らかになった。米TechTargetがテストした結果、Fire HD 10のバッテリー持続時間はAmazonの公表値よりも少し長い結果が出ることが多かった。
iPad Air 2のバッテリー持続時間は、さまざまなタスクを実行して10時間だと公表されている。米TechTargetがテストしたiPad Air 2デバイスでは、何度も12時間持続したので、公表値が控え目であることが分かった。
この分野でも、iPad Air 2が完全に勝っている。
結論
iPad Air 2は、ディスプレイ、パフォーマンス、バッテリー持続時間においてFire HD 10よりも優れていることが判明した。Fire HD 10が勝っていると断言できるのは、microSDカードスロットだけだろう。
価格
Fire HD 10とiPad Air 2の主な差別要因の1つは価格だ。現在、Fire HD 10の16GBバージョンは、iPad Air 2の16GBのおよそ半額で販売されている。ただし、iPad Air 3が2016年3月にリリースされると見られており、現行のiPad Air 2は400ドルに値下がりすると考えられる。
とはいえ、230ドルというFire HD 10の価格はかなり安い。iPad Air 2の優れた機能に追加費用を支払う価値があると見なすかどうかは、購入者次第だ。
動画の視聴やWebサーフィンなど、手軽なタスクに使用するタブレットを探しているユーザーは、Fire HD 10に満足するだろう。だが、ビジネスやハイエンドゲームに応え得るタブレットを探しているユーザーには、iPad Air 2を購入することをお勧めする。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
「Excel至上主義」の終わらせ方 丸2日の手作業地獄から情シスと現場を救うには
-
2
取手市がVDIと決別した理由 更改費用「4倍超」を約1.7倍に圧縮
-
3
「Microsoft 365のセキュリティ運用」に関するアンケート
-
4
急増する「AIはこう言ってる」マン 判断を狂わせる「AI忖度」を防ぐには?
-
5
221人調査で分かった「情シス最大のストレス」は?
-
6
「Salesforceのテスト自動化ツール」に関するアンケート
-
7
「データストレージの活用方法」に関するアンケート
-
8
「AI時代の統合基盤・エンタープライズAI管理」に関するアンケート
-
9
AIで人を減らした企業がもう心変わり 「AIブーメラン現象」の実態
-
10
自宅のWi-Fiが「遅い」「途切れる」本当の原因は? Dellが推奨する鉄則
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
年収2000万「クラウドセキュリティのプロ」になれる資格とは
-
2
セキュリティソフトをすり抜ける標的型攻撃メール、不審メールの見破り方とは?
-
3
Windows Updateの通信集中で回線が逼迫、ネットワーク刷新事例に学ぶ解決策
-
4
財務を戦略的組織へ進化させるAI活用術、4つの主要な障壁と解消方法
-
5
「NAS」「SAN」「DAS」は何が違う? いまさら聞けないストレージの基礎
-
6
“あのファイル転送”で暗躍するノーウェアランサム
-
7
標的型攻撃メールを見破るには? サンプル文面を例に傾向を解説
-
8
商用利用の安全性を確保し大量のコンテンツを高速で生成する、AI活用の秘訣
-
9
マンガで解説、1日で生成AI環境を構築できるワークショップの中身とは?
-
10
Dark AIが台頭する時代の新発想、「より高度なAIで対抗する」具体的方法とは?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー