コスト削減されたパーツはこれとこれ
徹底レビュー:安さで注目の「Amazon Fire」タブレット、5000円で買った人は満足できるか?(1/2 ページ)
日本でも9月30日に発売となった、50ドルを切る新7インチタブレット「Amazon Fire」。一般向けには8980円で、プライム会員には4980円で販売される。この激安タブレットの性能はどうだろうか?
米国でタブレットが50ドルで売られるとき、それはドラッグストアの棚や、ブラックフライデー(※1)のバーゲン品コーナーに並ぶノーブランドAndroidモデルというケースが大半だ。こうしたタブレットは出来が悪く、50ドルどころか数ドルの値打ちもない。
※1 米国で11月第4木曜日に当たる「感謝祭」の翌日。年末商戦の初日とされる。
米Amazon.comは、新しい 「Fire」タブレットでこうした状況を変えようとしている。以前、TechTargetでは従来のFireタブレットを「お手ごろ価格のブランド品」と評したことがあったが、新端末の価格は「激安」だ。
この50ドル(※2)タブレットはきちんと役に立つのだろうか。性能やサービスを徹底解剖しよう。
※2 国内価格は8980円(Amazonプライム会員価格は4980円《税別》)
構造とデザイン
Fireはごくシンプルな作りとなっている。それは全く問題ない。カラーはブラックのみだが、Amazonは数種類のカラフルなケースを提供している。Fireは一見丈夫そうではあるが、筐体がコストの安いプラスチック製なので、軽く力をかけるとたわんでしまう。少しやぼったい感じもする。厚さは10.6ミリと7インチタブレットにしては厚く、313グラムとかなり重い。Amazonによると、Fireは「落下テストで最新のiPad Air 2の2倍の耐久性が証明されている」と宣伝している。これは好ましいことだ。プラスチックは滑りにくい素材というわけではないからだ。
ディスプレイのベゼルは、AmazonがFireの価格を安く抑えるために取り入れたデザイン上の妥協の産物だ。ディスプレイの上下左右ともベゼル幅が13ミリ程度あり、ノートPC風に見える。これもFireの全体的なやぼったさを助長している。
背面にはモノラルスピーカーがあるが、これはおかしな配置だ。Fireをテーブルなどに置くと、ただでさえ貧弱なスピーカーの音がこもってしまう。音量を最大にすると、音が割れて低音がわずかしか聞こえない。ヘッドフォンを使う方が断然得策だ。
ディスプレイ
Fireの7インチディスプレイ(1024×600ピクセル)には特筆すべきことはないが、きちんと動作する。ピクセル密度は171ppiで、2011年ごろのタブレットに相当する。もっとも、50ドルの製品ではそれが関の山だ。救いは、このIPSディスプレイの画面が色鮮やかで程よい明るさであることだ。
Fireのディスプレイはコントラストや輝度が低いため、屋外では見づらいが、視野角はまずまずだ。
ボタンとポート
Fireにはシンプルなボタンレイアウトが採用されている。そのためか配置が少しおかしなものになっている。microSDスロット以外のボタンやポート類が全て上面にまとめられているのである。具体的にはボリュームコントロール、電源ボタン、ヘッドフォンジャック、Micro USBポート、マイクだ。
ポートの幾つかはいかにも安っぽい。充電器とつないだMicro USBケーブルをポートに接続するには、かなり力を入れて差し込む必要がある。コネクタかポートが壊れないか心配になるほどだった。microSDスロットのカバーは非常に貧弱で、強風でちぎれてしまいそうだ。これらもAmazonがコストを削った部分だ。
パフォーマンス
Fireのスペック表は立派なものではない。台湾MediaTekの1.3GHzクアッドコアプロセッサや、1GバイトのRAMは、2013~2014年ごろの格安端末に搭載されていたような部品だ。ベンチマークスコアもぱっとしない。Fireは、カナダPrimate Labsの「GeekBench 3」を使ったシングルコアテストで362、マルチコアテストで1162というスコアを記録した。現在のメーカー各社のフラッグシップタブレットは通常、この4倍のスコアをたたき出している。
だが、FireではWeb閲覧、ビデオ、Amazonのカジュアルゲームを問題なく楽しめる。実際、Amazonの「プライムビデオ」のストリーミング再生は驚くほどサクサク動く。起動とシャットダウンも数秒で完了する。ただし、この非力なタブレットは動作が重くなりやすい。アプリケーションを幾つか開くと、Silkブラウザが遅くなってしまう。幸い、直感的なユーザーインタフェースのおかげで、複数のアプリケーションを開いて使うのは簡単だ。
Fireのストレージは8Gバイトしかない。そのうちユーザーが使える容量は5Gバイトにとどまる。だが、Amazonで購入したコンテンツや、Fireで撮影した写真は、無料で容量無制限にクラウドに保存できる。また、microSDスロットを使い、128GバイトまでのmicroSDカードを外部ストレージとして利用できる。
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