サンバーナーディーノ銃乱射事件の行方
「Apple vs. FBI」で起こり得るプライバシー懸念にCIOが震えている(2/2 ページ)
法律とプライバシー
「バックドアをスマートフォンのソフトウェアにインストールするためには、政府は法的後ろ盾を必要とするが、現時点ではその後ろ盾がない」とNemertes Researchの創設者でありCEOであるジョナ・ティル・ジョンソン氏は述べる。一方で、バックドアをスマートフォンにインストールするように指示できる法は存在すると同氏は言う。それは、「通信傍受支援法」(CALEA)である。これは、クリントン政権であった1994年に通過した法案で、政府の監視活動を可能にする機器を通信事業者が自社の設備に仕組むことを義務付けるものだ。同法は、政府が通信ネットワークにおいて暗号化の裏をかくことが可能だが、モバイルデバイスのようなエンドポイントにおいては不可である。
「CALEAが使えない場合、FBIが要求しているのは『CALEAとほぼ同じことを実行して欲しい。そうすればわれわれはそれを一度だけ使用することを約束する。それでうまくいく』」ということだとジョンソン氏は言う。しかしティム・クック氏は「それはできない。あなたは私に法を順守してもらいたいのか。それならば、私が順守しなければならない法を通過すべきだ」と応えている。
米国連邦議会は、暗号化したスマートフォンにバックドアを構築することを米国のテクノロジー企業に強要する法案について議論したが、進展はなかった。上院情報委員会のリチャード・バー上院議員とダイアン・ファインスタイン上院議員は、暗号化した情報へのアクセスを提供するよう企業に要求する法案に取り組んでいる。プライバシーの権利の支持者であるロン・ウィデン上院議員は、「2016年は、さらにプライバシーが脅かされる危険な活動があることを覚悟している」と話した。
FBIの本当の目的
法があろうとなかろうと、サイバーセキュリティのコミュニティーには、政府がAppleを強制休業させるべきだと考えている人もいる。「テロリストやサイバー犯罪者にとっては自分たちの連絡を隠すことが可能な暗号化アプリケーションは他にもある。そのため、テクノロジー企業に特定の端末の暗号を破る支援をさせるという調査の戦術は意味が無い」とGartnerのアナリストであるアビバ・ライタン氏は述べる。
「捜査員はこれらのテクノロジー企業を、自分たちが勤勉に働かない言い訳として使用しているだけではないかと私は考える」と彼女は続ける。「全ての関心は、AppleやGoogle、Facebookに集中している。FBIはそれらの企業よりも優れているはずだ」
優れた捜査員は、探している情報を得るためにさまざまな方法を使用する。「ファルク氏とその妻マリク氏が購入した品物を検査し、彼らが公私に渡って会話した全ての人を捜査員は尋問する。さまざまな方法を使って調査する捜査員の労力は、この問題の核心であるiPhoneのパスワード判明につながる可能性があり、Appleに協力を求める必要をなくすかもしれない」とライタン氏は言う。
「訴追免除の見返りに、いろいろな情報を提供する人々を探しだすことも重要だ。優れた捜査員は、事件を解決するためにただ1つの方法を頼りにすることはない」(ライタン氏)
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