プライマリーストレージほどフラッシュを活用
「HDDはいつ消えるか?」が議論に、ハイエンド製品で進むSSD全面移行(2/2 ページ)
実をいうとコストの問題はまだまだ気になる
プロパンガス企業FerrellgasのIT担当副社長を務めるビル・エバンズ氏は、「2015年初めに新しいストレージアレイを探し始めたときは、オールフラッシュは現実的な選択肢とは思えなかった」と振り返る。だが、最終的に、Violin Memoryのオールフラッシュアレイ「Violin 7300 Flash Storage Platform」を4台購入した。比較検討した同等のパフォーマンスを発揮するEMCやIBMのハイブリッド製品よりも安上がりだったという。FerrellgasはSQL ServerデータベースをViolinのシステムに移行しつつある。エバンズ氏も、プライマリーストレージとしてオールフラッシュを選択した1人だ。
「検討し始めた当初は、オールフラッシュアレイにはとても手が出なかった。とても高価だったからだ。以前からオールフラッシュアレイは少量持っていて、注意深く使っていたが、その管理は大変だった。だが、プライマリーストレージをオールフラッシュにすることで、データをストレージの適切な場所に配置するための管理が不要になった。パフォーマンスも大幅に向上している」(エバンズ氏)
しかし、誰もがSSDをお買い得と思っているわけではない。フラッシュの価格がディスクドライブ並みだったら、オールフラッシュストレージはとうの昔に市場を制覇しているだろう。フラッシュの価格は下がっているが、「TLC(Triple-Level Cell)3D NAND」のような技術革新を採用したモデルは、エントリークラスでも、多くの企業にとって依然としてハードルが高い。
フラッシュではデータの占有容量が減少することを考慮しても、容量単価はHDDと比べて高い。SSDは1GB当たり8~9ドルであるのに対し、最も高価なHDDでも1GB当たり約0.35ドルにすぎない(以上は北米市場における価格状況)。
TechTarget Researchが2015年第4四半期に行ったオールフラッシュアレイの購入後調査によると、オールフラシュアレイの63件の取引における平均販売価格は163万ドルだった。
生物医学研究機関La Jolla Institute for Allergy & ImmunologyのITディレクターを務めるマイケル・スカーペリ氏は、Nimble StorageとReduxioのハイブリッドアレイを使っており、仮想マシン(VM)のストレージでフラッシュのパフォーマンスを利用している。しかし、プライマリーストレージにオールフラッシュを全面的に採用すると、やはり予算を超えてしまうという。
「コストが導入のネックになっている。自由に選べるなら、もちろんオールフラッシュを採用するだろう。だが、ストレージに関しては、基本的に最も安く、最も信頼性が高いドライブを導入する。仮想マシン関連のストレージを扱うときは、常に少量の既存フラッシュを利用するようにしているが、それは高速に動作させたいからだ。書き出し、読み込み、キャッシングのいずれも高速に実行できるようにしたい。通常、仮想マシン関連以外でもそうした高いパフォーマンスをある程度求めているが、現状でそれが無理でも、重大な問題にはならない」(スカーペリ氏)
ハイブリッドアレイよりもハイブリッドインフラが有効
調査会社Enterprise Strategy Groupでシニアアナリストを務めるマーク・ピーターズ氏はこう語る。「最近のオールフラッシュストレージの発売ラッシュは、市場全体でメディアの転換が進んでいる表れだ。価格の低下でフラッシュが入手しやすくなれば、ディスクに取って代わるのは当然だ」。ただし同氏は、プライマリーアレイに搭載するかどうかにかかわらず、HDDの役割は残ると述べている。
「私はハイブリッドアレイというよりも、ハイブリッドインフラを強く支持している。お金を浪費したくなければ、ハイブリッドが絶対に必要になる。コールドデータをフラッシュに置くのは理屈に合わない」(ピーターズ氏)
さらにピーターズ氏は、全てのプライマリワークロードにフラッシュを使用するとしても、HDDはこれからも長い間、ストレージにおいて重要な役割を果たしていくだろうと語る。「ハイエンドでは、フラッシュのTCOは魅力的なものになりつつある。人々はどのみち高いコストを掛けるからだ。ハイエンドでフラッシュが理にかなっているのは確かだ。だが、たまにしか使わないデータについては、ディスクの使用を考えるのが賢明だ」
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