単なる“小型版”にとどまらない進化
徹底レビュー: 9.7インチ「iPad Pro」が誇る“他のタブレットがどうしても超えられない強み”(2/3 ページ)
端子、ボタン、スピーカー
充電とデータ転送用の端子としてUSB Type-Cが普及しつつあり、採用する競合タブレットが増えている。だが9.7インチiPad Proはこれまで通り、Apple独自の端子「Lightningコネクタ」を採用する。Lightningコネクタ用に設計されたアクセサリーは、USBメモリやmicroSDカードリーダーなど豊富にそろっている。
9.7インチiPad Proは、ストレージ容量を直接拡張する手段がないので、microSDカードリーダーを用意することは重要だ。2007年発売の初代iPhoneから、どのiOSデバイスにもmicroSDカードスロットが搭載されていないことを考えれば、microSDカードスロットがないのは驚くことではない。だが、やはり残念ではある。
12.9インチiPad Proと同様、9.7インチiPad Proは給電機能を備えるコネクター「Smart Connector」を搭載する。Smart Connectorはタブレット左側に配置されており、Bluetoothとは異なる方法で、アクセサリーと通信するのに使用する。本稿執筆時点では、9.7インチiPad Proで使えるSmart Connector対応アクセサリーはSmart Keyboardだけだが、他のアクセサリーも今後登場するものと考えられる。
これまでのiPad同様、9.7インチiPad Proのスピーカーは側面に配置されている。数は2個から4個へ倍増しており、豊かな音を生み出す。多少騒がしい場所でも動画を見るのに十分以上の音量が得られる。
物理ボタンを最小限にとどめているのもApple製品の特長だ。9.7インチiPad Proも例外ではなく、正面には大きなホームボタン、右側には音量調節ボタン、上部にはヘッドセットジャックと電源ボタンがある。
ホームボタンはAppleの指紋認証テクノロジー「Touch ID」が組み込まれ、指紋スキャナーの役割も果たす。テストしたところ、このTouch IDは非常に信頼性が高く、設定した指紋を必ず認識し、それ以外の指紋で誤認証することはなかった。
パフォーマンス
9.7インチiPad Proが搭載するチップは、2.26GHzで動作するAppleのデュアルコア64ビットの「A9X」だ。これは12.9インチiPad Proに搭載のチップと同一で、卓越したパフォーマンスを実現する。テストでは長時間のゲームやビデオ再生でも、筐体が熱くなったり温かくなったりすることはなかった。
Primate Labsのベンチマークテストツール「GeekBench 3」を実行してテストしたところ、9.7インチiPad Proのパフォーマンスは12.9インチiPad Proに匹敵するほど高く、iPad Air 2をやすやすと凌ぐ。
9.7インチiPad Proのスコアが12.9インチiPad Proにわずかに及ばないのは、搭載しているRAM容量が4GBではなく2GBなのが原因だと考えられる。ほとんどの場合、RAM容量が多いほどパフォーマンスが高くなるので、RAM容量が少ないのは残念だ。
ストレージ容量は、9.7インチiPad Proでは32GB、128GB、256GBの3種類から選択できる。最もストレージ容量の多い256GBモデルの価格は、ベースである32GBモデルの約2倍だ。
ソフトウェア
9.7インチiPad Proリリース時の搭載OSは「iOS 9.3」だ。Appleはモバイルデバイスに対して、できる限り長く最新バージョンのiOSを提供できるように取り組んでいる。9.7インチiPad Proのユーザーは、寿命を迎えるまでに幾つかのOSアップグレードを入手することになるだろう。
バンドルされているソフトウェアは、オフィススイート「iWork」(ワープロソフトの「Pages」、表計算ソフトの「Numbers」、プレゼンテーションソフトの「Keynote」)とクリエイティブスイート「iLife」(音楽制作ソフト「GarageBand」、写真編集ソフト「iPhoto」、動画編集ソフト「iMovie」)がバンドルされている。
ワイヤレス
9.7インチiPad Proの無線LANはIEEE 802.11a/b/g/n/acが利用できる。2.4GHzと5GHzの双方(デュアルチャネル)が使え、高速化技術「MIMO」も利用できる。職場か自宅かを問わず、高速ワイヤレスネットワークを実現可能だ。Bluetooth 4.2も利用できるので、Apple Pencilやサードパーティー製キーボードなどのアクセサリーを接続できる。
いつでもインターネットに接続したい場合には、移動体通信ワイヤレスデータ接続に対応した「Wi-Fi+Cellularモデル」が有力な選択肢となる。Wi-Fi+Cellularモデルは米国をはじめ、世界中の大手通信事業者が提供する3G/LTE回線の周波数帯(バンド)を幅広くつかむ。Wi-Fi+Cellularモデルを選ぶ場合、無線LAN接続のみの「Wi-Fiモデル」と比べて価格は130ドル(1万6000円)高くなり、重量もわずかに増加する。
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