単なる“小型版”にとどまらない進化
徹底レビュー: 9.7インチ「iPad Pro」が誇る“他のタブレットがどうしても超えられない強み”(1/3 ページ)
「iPad Pro」シリーズの第2弾として登場した9.7インチiPad Pro。12.9インチ版の小型版でありながら「iPad Air 2」の進化版でもある、この9.7インチiPad Proの実力を検証する。
Appleは2015年11月に12.9インチの大型タブレット「iPad Pro」を発売していたが、このたび、その小型版を発売した。新しい9.7インチのiPad Proは、12.9インチiPad Proの小型版ともいえるし、iPad Proの直接の前身である、2014年発売の「iPad Air 2」の強化版だと捉えることもできる。
もちろん、性能は価格に反映されている。リリース時の最低価格は599ドル(国内の税別価格は6万6800円、以下同)で、iPad Air 2よりも高い。公平のために言っておくと、9.7インチiPad Proは最小ストレージ容量が32GBなのに対し、iPad Air 2の最小ストレージ容量は16GBだ。
本稿では9.7インチiPad Proのデザイン、ディスプレイ、パフォーマンスなどの仕様を徹底解剖していく。
併せて読みたいお勧め記事
“PC不要論”を再燃させた12.9インチiPad Proの実力
- 「iPad Pro」がMacとWindows PCを駆逐? 「それは無理」と断言される理由とは
- 「iPad Pro」登場で“PC終了のお知らせ”がやっぱり現実に?
- オフィスからPCが消えて「iPad Pro」ばかりになると考える人たち
9.7インチiPad Proと「iPhone SE」のインパクト
構造とデザイン
故スティーブ・ジョブズ氏は、9.7型を理想的なタブレットサイズとして選んだ。これには相応の理由がある。9.7インチは生産的な作業とエンターテインメントの両方に十分なサイズであるだけでなく、持ち運びにも便利なサイズだからだ。大きいが、かさばるほどでもない。12.9インチiPad Proの性能を持った小型デバイスが欲しいユーザーにとって、9.7インチiPad Proは有力な選択肢となるだろう。
9.7インチiPad Proは新境地を切り開くデバイスではない。寸法は前身のiPad Air 2と全く同じで、いずれも高さ240ミリ×幅169.5ミリ×厚さ6.1ミリ、重量437グラムだ。実際にiPad Air 2用のケースやキーボードは、9.7インチiPad Proでも使える。全体的に間違いのないデザインを採用したというわけだ。Appleはシンプルだが洗練されたデザインを生み出すことで知られており、iPad Proも例外ではない。改善点のほとんどはディスプレイとプロセッサに関連している。
本体のカラーはシルバー、スペースグレイ、ゴールド、ローズゴールドの4種類。中でもスペースグレイがお勧めだ。というのも、ディスプレイを囲むベゼルは他のカラーはホワイトだが、スペースグレイだけブラックだからだ。
ボディーはスリムながらも頑丈な造りになっており、力を加えても簡単に曲がったり、たわんだりはしない。とはいえ持ち運ぶときには、何らかのケースに入れるのが良いだろう。アルミニウム製のボディーはへこむ可能性があるし、何回か落とせばディスプレイが粉々になる恐れがある。
9.7インチiPad Proは、潜在的な2-in-1デバイス(ノートPCとしてもタブレットとしても使えるデバイス)として位置付けることができる。Appleは9.7インチiPad Proの周辺機器として専用キーボード「Smart Keyboard」を用意。149ドル(1万6800円)で販売している。
ディスプレイ
9.7インチiPad Proの画面解像度は2048×1536ピクセルで、画素密度(1インチ当たり画素数)は264ppiだ。この解像度はOSを問わず、全てのタブレットに搭載されたディスプレイの中でほぼトップレベルだといえる。なお12.9インチiPad ProとiPad Air 2も同じ画素密度だ。
ディスプレイサイズと解像度は9.7インチiPad Pro、iPad Air 2共に同じだが、Appleがディスプレイの改良を怠ったわけではない。最も顕著な改良点は「True Tone」という機能だ。この機能は、環境光に合わせてディスプレイの色を微妙に変化させる。知覚できないほどの影響だが、ディスプレイの表示が少し見やすくなるはずだ。9.7インチiPad Proと比べると、12.9インチiPad Proのディスプレイが少し青みがかって見えることが多い。
新しい液晶ディスプレイ(LCD)は、デジタルシネマ向けの色域規格「DCI-P3」に準拠した広い色域をカバーする。専門用語を使わずに説明するなら、iPadやスマートフォンの「iPhone」シリーズの従来モデルよりも多くの色を表示できるようになった、ということだ。
9.7インチiPad Proはこれらの要因の組み合わせで、「iOS」搭載デバイスの中で最も美しいディスプレイを誇る。屋外でテストしてみたところ、日陰や曇天ではディスプレイの反射が抑えられることもあり、楽に使用できた。だが直射日光の下では快適とまではいかなかった。
「iOS 9」はタブレットでアプリを並列実行するマルチタスク機能を搭載し、2つのアプリケーションを同時に実行できる。ストリーミング配信のビデオを別ウィンドウで表示することも可能だ。12.9インチiPad Proには及ぶべくもないが、9.7インチiPad Proでもマルチタスクが非常に威力を発揮する。
iPad Proシリーズの目玉の1つは、別売りのApple製筆圧感知スタイラス「Apple Pencil」が利用できることだ。Apple Pencilは精度が高く、手書きのメモを取るには12.9インチよりも9.7インチiPad Proの方が向いていると感じるユーザーもいるだろう。価格は99ドル(1万1800円)。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[株式会社キーエンス] なぜRPA導入は頓挫する? シナリオ作成の壁を乗り越える解決策とは -
製品資料
[株式会社セールスフォース・ジャパン] 「CRMは設計と無関係」は本当か? PLMとの融合で実現する高速開発 -
事例
[日本ヒューレット・パッカード合同会社] AIエージェントの時代にどう備える? 「新たな働き手」を支える3要素とは -
製品資料
[日本ヒューレット・パッカード合同会社] “横並びの自動化”から脱却、AI活用で生産性と競争力を高める秘訣 -
製品資料
[サイボウズ株式会社] AIが「わざわざ使うツール」になっていない? 業務で自然に使う導線にする秘訣
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
なぜ「全社配布Copilot」は使われないのか? 失敗に学ぶAI定着
-
2
法務と開発者で「言葉が通じない」問題 トヨタやソニーが語るOSS管理の真実
-
3
ChatGPTは“検索しまくり”でGeminiは“淡泊”? データが明かすAIの裏側
-
4
なぜ「Gemini 4 Argon」は出遅れたのか? Googleが狙う“逆転のシナリオ”
-
5
「中堅・中小企業のネットワーク・セキュリティ運用実態」に関するアンケート
-
6
損保ジャパンはなぜ「COBOL」を捨てなかったのか? 脱メインフレームの真相
-
7
「Wi-Fi 7」経由でWindowsが乗っ取られる? 最高権限奪取の恐怖
-
8
情報漏えいはなぜ繰り返されるのか 今すぐ見直すべき「境界」
-
9
情シスの約8割が転職や退職を意識 調査で分かった“辞めたくなる最大の理由”
-
10
【漫画付き】ひとり情シス協会が明かす、RAG導入でしくじる企業「2つの共通点」
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
2
家庭用Wi-Fiルーターの業務利用は危険? 避けるべき理由と具体的な対策
-
3
Microsoft 365を安全に運用 うっかりミスやサイバー攻撃に備えるデータ保護術
-
4
財務部門がAIを最大限に活用する方法 無駄のない戦略的リーダーシップへの道
-
5
LLMが兵器化? 元FBI高官が鳴らす警鐘とセキュリティツール統合のポイント
-
6
「オンプレミス回帰」せざるを得ない“合理的な理由”
-
7
なぜRPA導入は頓挫する? シナリオ作成の壁を乗り越える解決策とは
-
8
生成AIを開発に導入しても効果が見えない? 実証実験で分かった成果と課題
-
9
経産省DX指針から読み解く、受発注業務デジタル化ロードマップ
-
10
HDDを使わない「SSDオンリー」が無謀なのはなぜ?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー