5つのポイントで見るNASストレージの現状【前編】
8社のNASベンダーを比較して分かる、ユーザーの“激辛な本音”(2/2 ページ)
営業力:購入に際してのチェックポイント
エンタープライズNAS部門
営業力カテゴリーの評価項目のうち、カテゴリー総合1位のNetAppが首位に立ったのは6項目中1項目のみだ。ただし、「営業担当者との交渉のしやすさ」という、顧客関係の根幹に関わる重要な項目であり、NetAppのスコアは6.06ポイントで他を大きく上回っている。かといって、他の項目でNetAppの評価が低いわけではなく、その他5項目のうち4項目でもNetAppは2位、または3位に選ばれている。
DDNは3項目で首位に立ち、営業力のカテゴリーの第3位にランクインした。「営業サポートチームの知識の豊富さ」を評価する項目では、6.33ポイントをマークしている。残りの2項目で最高スコアを獲得したのはEMCだ。EMCは、「営業担当者の柔軟性」を評価する項目では6.07ポイントを獲得して次点のIBMをわずかに上回り、「営業担当者の顧客の業界についての知識」を問う項目では6.09ポイントを獲得している。4位のIBMも健闘し、「営業担当者の柔軟性」の項目(6.06ポイント)を筆頭に、「営業担当者の顧客のビジネスの理解度」を評価する項目でも6.03ポイントをマークした。「営業担当者の顧客のビジネスの理解度」においては、わずか0.01ポイント差で同項目首位のDDNに迫っている。
ミッドレンジNAS部門
ミッドレンジNAS部門の営業力カテゴリーの結果を見れば、パロアルトに拠点を置くHPEは、顧客をよく理解していることがすぐに分かる。競合ベンダーはHPEから学べることがあるかもしれない。HPEは、このカテゴリーの6つの評価項目のうち5項目で首位に立ち、平均スコアは6.18となった。HPEが特に高い評価を得たのは、「営業サポートチームの知識」(6.67ポイント)と「顧客のビジネスの理解」(6.24ポイント)の2項目だ。HPEが唯一首位を逃した項目「営業担当者は顧客の関心を常に第一に考える」では、営業力カテゴリー総合2位のNetAppが5.95ポイントを獲得して1位になった。NetAppは、4項目で6.0ポイント以上のスコアを獲得し、2項目は6.0ポイントをわずかに下回るスコアとなり、非常に安定した成績を収めている。3位のEMCの評価も比較的安定しており、5項目で6.0ポイント前後のスコアを獲得している。唯一「営業担当者の交渉しやすさ」の項目は成績が芳しくなかったが、ミッドレンジ部門でこの項目に苦戦しているベンダーは他にも数社あった。
製品の初期品質:製品導入時点でのエクスペリエンスを評価
エンタープライズNAS部門
新しいNASを導入するときの目標は単純で、完璧に、素早く社内に展開できることだ。初期品質について、最終選考に残った全てのエンタープライズNAS製品が好成績を収めた。その結果、戦いは非常に厳しくなっており、NetAppが0.03ポイント差でDDN、IBMを抑えて首位に立った。4位以下も肉薄しており、0.18ポイント内で全6ベンダーがしのぎを削る展開となった。過去の調査では、最高スコアと最低スコアの差がこれほど小さかったことはない。
このカテゴリーでもう1つ特徴的なのは、NetAppが評価項目では1つも首位を獲得せずに、総合で1位になったことだ。このカテゴリーを代表する評価項目の「この製品は費用に対して十分な価値を提供している」のスコアは、DDNの6.44が最高で、「使いやすさ」の項目でもDDNは6.32ポイントで1位になった。IBMは2項目でトップに選ばれ、「問題なくインストールできる製品」の項目で最高の6.58ポイントをマークした。EMCは、「ベンダーの介入がほとんど不要かどうかを評価する項目」(6.07ポイント)で、HPEが「簡単に構成して使い始められるかどうかを評価する項目」(6.17ポイント)で、それぞれ首位に立った。
ミッドレンジNAS部門
Synologyは、知名度の高いNASベンダーではないかもしれないが、同社のユーザーは間違いなくSynology製品の品質に満足している。初期品質カテゴリーは、中堅・中小企業を専門とするSynologyの独壇場となり、全ての項目で最高点をマークし、このカテゴリーで平均スコア6.57ポイントを獲得した。「問題なくインストールできるか」「簡単に構成して使い始められるか」を評価する2項目では6.77ポイントの高スコアをたたき出し、Synologyの強さを一層際立たせている。HPEは、「製品に必要な専門サービスのレベルに対するユーザー満足度」の項目でSynologyと同点の6.33ポイントとなるなど善戦し、総合6.21ポイントで2位につけた。このカテゴリーの6項目全てで6.0以上を獲得したのは、Synologyの他にHPEだけだ。3位には6.04ポイントでDellがランクインし、「簡単に構成して使い始められるかどうか」の項目で同社最高の6.30をマークしている。
後編では、製品機能やテクニカルサポートのランキングを紹介する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
「Excel至上主義」の終わらせ方 丸2日の手作業地獄から情シスと現場を救うには
-
2
取手市がVDIと決別した理由 更改費用「4倍超」を約1.7倍に圧縮
-
3
「Microsoft 365のセキュリティ運用」に関するアンケート
-
4
急増する「AIはこう言ってる」マン 判断を狂わせる「AI忖度」を防ぐには?
-
5
221人調査で分かった「情シス最大のストレス」は?
-
6
「Salesforceのテスト自動化ツール」に関するアンケート
-
7
「データストレージの活用方法」に関するアンケート
-
8
IT製品の導入に関するアンケート「サーバ&ストレージ」編
-
9
「AI時代の統合基盤・エンタープライズAI管理」に関するアンケート
-
10
100億円の「Linux更新」を回避 みずほ銀行が選んだ“おきて破り”のRHEL延命策
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
年収2000万「クラウドセキュリティのプロ」になれる資格とは
-
2
セキュリティソフトをすり抜ける標的型攻撃メール、不審メールの見破り方とは?
-
3
Windows Updateの通信集中で回線が逼迫、ネットワーク刷新事例に学ぶ解決策
-
4
財務を戦略的組織へ進化させるAI活用術、4つの主要な障壁と解消方法
-
5
「NAS」「SAN」「DAS」は何が違う? いまさら聞けないストレージの基礎
-
6
“あのファイル転送”で暗躍するノーウェアランサム
-
7
標的型攻撃メールを見破るには? サンプル文面を例に傾向を解説
-
8
商用利用の安全性を確保し大量のコンテンツを高速で生成する、AI活用の秘訣
-
9
マンガで解説、1日で生成AI環境を構築できるワークショップの中身とは?
-
10
Dark AIが台頭する時代の新発想、「より高度なAIで対抗する」具体的方法とは?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー