機能からサポートまで
中堅・中小企業はNASをこう選べ――8つのチェックリスト
中堅・中小企業向けNASは選択肢が増えている。それらが提供する多様な企業向けの機能とそのメリットを見ていこう。
SMB(中堅・中小企業)向けNAS(Network Attached Storage:ネットワーク接続ストレージ)アプライアンスはこの数年、機能が充実してきている。購入する際に求めるべき重要機能を紹介する。
1.SSDのサポート
NASベンダーはSSDを幾つかの方法でサポートする可能性がある。NASアプライアンスでは、SSDは通常のデータ保存かキャッシングに使用される。一部のベンダーは、NASアプライアンスを主にHDDとして設計する一方で、キャッシング用のSSDを装着するためのドライブベイも搭載している。NASアプライアンスは、ホットデータ(頻繁にアクセスされるデータ)ができるだけ高速に読み込まれるように、このデータをSSDに自動的に移動する。SSDの一部を書き込みキャッシングに使用するベンダーもある。
2.柔軟なストレージサポート
SMB向けNASを検討する際は、ビジネスの成長に合わせて拡張できることを要件に含めるようにする。これは、NASアプライアンスのストレージコントローラーに物理的に接続できるドライブであれば、どれでもアプライアンスの増強に使用できなければならないということだ。例えば、NASアプライアンスは、ドライブの増設や大容量ドライブへの交換、あるいは一部ドライブのSSDへの交換ができなければならない。
3.アラートメカニズム
NASアプライアンスでは一般的に、ディスク障害が発生した場合にデータ損失を防ぐために、ストレージの冗長性が確保されている。それでも、NASアプライアンス内のディスクの状態を測定する方法は必要だ。
ベンダーはさまざまなアプローチでディスクの状態の通知機能を提供している。色付きのライトや電子メール、内蔵ディスプレイで状態を知らせる製品を探すのが得策だ。Webコンソールで状態を確認できる製品もあり、この機能は通常、十分に役立つが、ストレージ管理者が忘れずに定期的にコンソールにログインする必要がある。管理の手間が掛からないアラートメカニズムの方が望ましいことが多い。
4.対応プロトコル
SMB向けNASアプライアンスのほとんどは、「CIFS(Common Internet File System)」と「SMB(Server Message Block)」をサポートしている。一部のNASアプライアンスは「AFP(Apple Filing Protocol)」もサポートしており、「iSCSI」ブロックストレージをサポートしているものも幾つかある。
購入する前に、NASアプライアンスがどのプロトコルをサポートする必要があるかを判断しておかなければならない。例えば、SMBに対応するアプライアンスが必要な場合、「Hyper-V Virtual Machine Storage」のようなWindows Serverの重要機能は、SMB 3.0でのみサポートされることを念頭に置く必要がある。
5.シンプロビジョニング
NASアプライアンスの使い方によっては、シンプロビジョニング(Thin Provisioning)が、確保すべき重要な機能になることがある。NASアプライアンスをファイルサーバとして構成する計画なら、シンプロビジョニングは不要だろう。だが、NASアプライアンス上に多くのボリュームを作成する計画なら、シンプロビジョニングが役立つ。
シンプロビジョニングによって、ボリュームがストレージ容量を必要な分だけ消費することが可能になる。例えば、シンプロビジョニングされる40Gバイトのボリュームを作成したとする。OSはこのボリュームを40Gバイトのボリュームとして扱うが、当初はこのボリュームが消費する物理ディスク容量は1Gバイトに満たないだろう。データがこのボリュームに書き込まれた場合にのみ、ストレージ容量の消費が増えていく。シンプロビジョニングボリュームのメリットは、物理ストレージを浪費することなく、将来のデータ増加に対応可能なサイズのボリュームを作成できることにある。
6.サイズが異なるドライブの混在のサポート
この機能は、重要ではないとして最初に切り捨てられやすいかもしれない。だが、SMB向けNASが、異なるサイズのドライブの混在をサポートする必要がある理由が少なくとも1つある。
例えば、NASアプライアンスを買って、各ドライブベイに1Tバイトのディスクを装着したとする。また、物理ディスク障害に対する保護が必要と判断し、このアプライアンスをRAID 5アレイとして構成したとする。そして数年後、ディスクの1つが故障し、すぐに交換しようとしたら、ベンダーが1Tバイトドライブをもう販売していないことが分かったとしよう。NASアプライアンスが異なるサイズのディスクの混在に対応していなければ、別のディスクが故障する前にアプライアンスから全てのデータを退避させる方法を見つけて、アプライアンス内の全てのディスクを現在入手可能なサイズのディスクに交換しなければならず、その費用も掛かる。この例から分かるのは、異なるサイズのディスクの混在をサポートするNASアプライアンスを買っておけば、将来、多大なコストや手間を避けることができる可能性があるということだ。
7.柔軟なデータ保護
管理者は皆、ストレージの構成方法について一家言ありそうだ。パフォーマンスを最大化しようとする管理者もいれば、データを最大限に保護する構成を使用する管理者もいる。他の管理者は両者の中間のストレージ構成を採用している。さまざまなストレージアーキテクチャに対応できる高度な柔軟性を提供するNASアプライアンスを選択しなければならない。
ローエンドNASアプライアンスには、ミラーリングしかサポートしないものや、RAID 1とRAID 5のみをサポートするものもある。ストレージアーキテクチャを自由に選べるのが良いNASアプライアンスだ。RAID 0やRAID 1、3方向ミラーリング、RAID 5、RAID 6、RAID 10をサポートするアプライアンスの方が望ましい。一部の製品では、ディスクをホットスペア(ディスク障害時にデータを引き継ぐ)に指定することもできる。NASアプライアンスでどのようなストレージアーキテクチャがサポートされるかは、アプライアンスのドライブベイの数によって大きく左右される。
8.内蔵予備バッテリー
NASアプライアンス内のデータは、突然の停電で破損する恐れがある。データが複数のディスクにストライプされていると、そのリスクは増大する。そこで一部のベンダーは、停電によるデータ損失を防ぐ方法として、予備バッテリーをNASアプライアンスに搭載している。購入するSMB向けNASが予備バッテリーを搭載していない場合は、無停電電源(UPS)の購入予算も確保するようにする。
以上のように、SMB向けのNASアプライアンスの購入時に考慮しなければならない機能はたくさんある。さまざまなNASベンダーの製品間にも大きな違いがある。このため、自社のニーズに合うアプライアンスをじっくり選択することが重要だ。
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