“幻滅期”のクラウド市場
「クラウドが何か」の議論はもういい――可用性99.9%のシステムは実践あるのみ(2/2 ページ)
クラウド前提「モード2」が促す革新技術
こうして国内ユーザーがモード1のクラウド化に苦闘している中、技術は既に一歩も二歩も先を行き、モード2の可能性を高めている。「米国では技術者が競い合い、技術革新が次々と生まれている。クラウド業界の勝者がAWSで決まったかのように見えるが、10年後は分からない」(亦賀氏)
物理インフラをプログラムでコントロールする「Infrastructure as Code」や「SDx」(Software-Defined Anything)、大手Web企業並みに拡張性と効率性に富んだ分散システムを目指す「WebスケールIT」、あらゆるインフラコンポーネントを集約させる「ハイパーコンバージドインフラ」――挙げていくと切りがないが、いずれの技術もクラウドと同等の効果を期待する世界だ。
亦賀氏は「モード2の技術は革新的でワクワクするもの。ビジネスの可能性を大きく広げる」と語り、映像配信サービス「Netflix」でも利用されるオープンソースのコンテナ管理ソフト「Docker」を紹介した。従来のサーバ仮想化は仮想マシンごとにゲストOSを必要とし、ホストOSとの交信をハイパーバイザーが仲介する。それに対し、コンテナはホストOS上で直接稼働する小サイズのアプリケーションパッケージである。軽量で起動が速く、オーバーヘッドがほとんどない。そのため、トラフィックのピーク時、多数のノードをまたいで何千というコンテナインスタンスを一気に立ち上げられるわけだ。サーバ仮想化をコア技術の1つとしているクラウドの世界にも大きな影響を与えそうだ。
こうした技術革新の波がヒタヒタと押し寄せてきている。モード1のクラウド化を実践している企業も、そろそろモード2に向けた準備が必要だろう。ましてやクラウド化にも着手していない企業は一刻も早く始めるべきだ。もうクラウドが何かを議論する時期は過ぎ、実践あるのみだ。
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