有効であるが要検討
クラウド「機械学習」への評価が分かれる理由、慎重派の言い分は?
最新アプリでは利便性向上のために機械学習機能を導入する要望が高まっている。その開発環境においてコスト軽減のためにクラウドプラットフォームが登場しているが、その利用については慎重な企業も多いという。
2015年、クラウドは機械学習アプリケーションにとって随分扱いやすい領域になった。
Microsoft AzureとAmazon Web Servicesは、どちらも2015年の早い時期にクラウドベースの機械学習プラットフォームをリリースしている。
両社は自分たちの製品に「Azure Machine Learning」「Amazon Machine Learning」という似たような名前を付けている。その後、2015年後半には、DatabricksとIBMが、機械学習ライブラリを組み込んだSpark処理エンジンのクラウド版をリリースした。
このようなクラウドベースの機械学習プラットフォームは、ライブデータセットで、クラウドで動作する機械学習アルゴリズムのテストに役立つ。ユーザーがテストを行う場合、自社のシステムをプロビジョニングおよび構成する必要がないからだ。
「これで安価にテストができる」と、BuildFaxの設立者であり最高技術責任者(CTO)を務めるジョー・エミソン氏は言う。BuildFaxは、米国内の建築許可のデータを収集し、収集したデータに基づいた分析サービスを住宅購入者や保険業者、不動産業者、調査官に提供している。
機械学習アプリケーションの開発には多くの試行錯誤が付き物だ。それ故に、コストをかけずにモデリングとデザインをテストできるクラウドベース機械学習プラットフォームの登場はプラスに働くとエミソン氏はいう。
だが、BuildFaxは、クラウドでさらに上の段階に進んでいる。彼らは、MySQLデータベースに蓄積したデータに対して予測モデリングを行うとき、Amazon Machine Learningを使っている。なお、MySQLデータベースは、「Amazon Relational Database Service」(RDS)の一部としてAWSで実行している。例えば、同社のモデルは、ある特定の地域にある住宅の屋根がいつ造られたものかを予測できる。これは住宅に保険を掛ける上での全体的なリスクを示す有効な指標になるとエミソン氏は語る。
BuildFaxのような中小企業は、自社でオンプレミスの機械学習システムを構築するより、初期設定がいらないクラウドサービスの採用が望ましいとエミソン氏は考えている。ただし、タダで手に入るものはない。また、クラウドを追加するか否かにかかわらず、分析チームは、どのように機械学習を使いこなすのかなど、学ぶことは多いとエミソン氏は指摘する。加えて、統計分析手法やアルゴリズムの効率化を図る知識などについても学習する必要がある。
保険会社のZurich North Americaでは、クラウドで機械学習アプリケーションを運用することの是非について、現在も社内で議論が続いている。分析プログラムの統括責任者を務めるコナー・イェンセン氏は「現在は全てのことをオンプレミスで行っている。ただし、目下議論中である」と語っている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
技術文書・技術解説
[アトラシアン株式会社] IT運用や従業員サポートは生成AIでどう変わる? 使い方や導入の流れは? -
製品資料
[株式会社みらい翻訳] 音声翻訳活用の課題を解決、“本当に使える”ツールの特徴とは? -
製品レビュー
[Wrike Japan 株式会社] 400店舗を支えるWalmart Canada、散在する情報やアナログな管理をどう変えた? -
事例
[Wrike Japan 株式会社] 年間100件超のDXプロジェクトを統合管理、JERAはどのように実現した? -
事例
[Wrike Japan 株式会社] グローバルなクリエイティブ業務を合理化、エスティーローダーに学ぶ実践のコツ
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
「Copilot」はなぜ放置される? “議事録要約止まり”を脱する処方箋
-
2
ソフトウェア開発の厳しい納期と品質 トヨタグループはどう両立しているのか?
-
3
9割が頓挫する「AI内製化」 差がついたのはツールより設計力
-
4
脱VMwareの前提が崩れる BroadcomのVDDK公開停止で確認すべき点
-
5
LLMの「過学習」、正しく説明している文章はどれ?
-
6
JSONをやめてPythonで送る トークン消費を約7割抑えるAIの設計
-
7
全社標準Copilotに絶望? MS Copilotで問い合わせ6割減できた企業は何が違った
-
8
膨らむAIコストに歯止め GitHubのマルチモデルルーターは何が違うのか
-
9
IT製品の導入に関するアンケート「PC&デバイス」編
-
10
「有線LAN環境」に関するアンケート
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
5回聞くだけじゃ足りない? トヨタ式「なぜなぜ分析」の正しい実践方法
-
2
生成AIで文書活用を進めるには? 効率化と安全性をどう両立する
-
3
AIエージェントで多様な日常業務を効率化するための入門ガイド
-
4
JR西日本ITソリューションズが「監視業務の属人化」を解消した方法とは?
-
5
インシデント対応工数を約3割削減、東京ガスの事例に学ぶ監視体制刷新のコツ
-
6
国税庁の次世代基幹システム「KSK2」稼働開始に向けて、対応すべき変更点とは?
-
7
5分で分かる「セキュア大容量ファイル転送サービス」の機能とメリット
-
8
「スクラム」と「カンバン」の違いとは? アジャイル型開発手法を徹底比較
-
9
ドラマで分かる、標的型攻撃メールの被害を受ける企業と回避できる企業の分岐点
-
10
「脱Excel」か「Excel快適化」か? 現場にやさしい業務改善の進め方
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー