大規模移行とバックアップを「自動化ツール」で実現
「Windows 10アップグレードでファイル紛失」という悲劇をどう防ぐ?
Windows 10への移行に伴い、IT部門は、レガシーアプリケーションのサポート確保や、ドキュメント、フォルダの移動などのさまざまな課題に直面する。それらの課題を解決し大規模移行を実現する方法とは。
WindowsのクライアントOS「Windows 10」への大規模な移行をする企業は、ユーザーの設定や、データの移行などの煩雑な作業の多くを自動化ツールでするとよい。
「1000人のユーザーを抱えていたら、手動で1つ1つアップグレードするのは現実的ではない。手動の場合に掛かるコストと労力を考えれば、自動化ツールが必須ということになる」と、モバイル市場調査会社J.Gold Associatesの創業者で代表のジャック・ゴールド氏は語る。
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Windows 10の新機能
自動化ツールには、AppSenseの「DataNow」、Zinstallの「Zinstall WinWin」、Microsoftの「Windows自動インストールキット」(Windows AIK)、Laplink Softwareの「PCmover」などがある。「自動化ツールが利用できることはますます重要になっている。Windows 10の普及が急速に進んでいるからだ」と、調査会社IDCのリサーチアナリスト、ロバート・ヤング氏は語る。Microsoftによると、Windows 10が動くデバイスは3億台以上に上っており、このうち企業や学校で使われているものは2200万台以上だという。
「Windows 10への移行をできるだけ自動化することで、IT部門に掛かる負担が大きく軽減できる」と、Forrester Researchのアナリスト、デビッド・ジョンソン氏は指摘する。
なぜなら「アップグレード時に手動でファイルを移動すると、高確率で問題が発生するからだ」とヤング氏は説明する。IT管理者が個々のクライアントPCを巡回してポータブルHDDにファイルをコピーし、それらを新しいクライアントPCに移すと、作業漏れでファイルが失われてしまうことが多い。また、ユーザーがドキュメントを、管理者がチェックしない場所に保存する可能性もある。その場合、それらのドキュメントは移動されず、削除されてしまう。
「IT部門は、ファイルを一切失うことなく、確実にアップグレードを成功させたいと考えている」(ヤング氏)
Windows 10への移行を自動化するDataNow
テキサス州ラウンドロック市のIT部門は、DataNowを使って1000人以上の職員のためにクライアントPCをWindows 10にアップグレードした。
ユーザーデータ管理ツールであるDataNowは、2016年5月に最新版のDataNow 4.0がリリースしている。このツールは、これまでIT部門が手動で対応していた作業の多くを自動化し、Windows 10への移行をスピードアップするように設計されている。
DataNowは、大きな負担が掛かるプロセスを省力化し、ユーザーがクライアントPCに保存したファイルやドキュメントに加える全ての変更を企業サーバへ自動的に同期する。Windows 10への移行時には、DataNowは古いクライアントPCの全てのコンテンツをファイルサーバから新しいクライアントPCに自動的にアップロードする。
「そのおかげでデータ損失が防げる。われわれとしては大助かりだ。DataNowをクライアントPCにインストールして、それが動くのを監視するだけでいい」と、ラウンドロック市のIT部門で仮想化アーキテクトを務めるオメシュ・パートブ氏は語る。
そうした自動化をしなければ、IT部門はフラッシュドライブやポータブルHDDを使って、各ユーザーの古いクライアントPCから手動でファイルを取り出し、新しいWindows 10のクライアントPCに移さなければならないと、同氏は説明する。
「またIT部門は、DataNowをユーザーのクライアントPCにプッシュすることで、ユーザーパスワード無しでリモートからインストールできる。IT部門にとってそのメリットは大きい。ラウンドロック市は260人以上の職員が、出先で仕事をするからだ」とパートブ氏は語る。
Windows 10への移行における最大の問題の1つはダウンタイムだ。ダウンタイムは生産性を低下させるので、移行プロセスを迅速に完了させるツールを使うことが重要だと、ゴールド氏は指摘する。
DataNowは、ユーザーのクライアントPCを企業サーバに常時同期し、作業内容を全てバックアップする。IT部門はクライアントPCとサーバ間のデータフローのペースを制御することが可能だ。この機能は、ユーザーの作業時に同期プロセスのせいでクライアントPCのパフォーマンスを低下してしまうのを防止する。
DataNowは、他にもIT部門向けの制御機能を提供している。管理者は、ユーザーがどのデバイスから企業コンテンツにアクセスできるかを指定するポリシーを設定したり、DataNowがインストールされたユーザーデバイスをリモートワイプしたりすることもできる。
DataNowはWindowsの他、「Mac OS」「iOS」「Android」に対応している。
「DataNowは、ユーザーがWindows 10への移行後も自分のファイルにアクセスできるようにするための一番簡単な方法だ。また管理の観点から言えば、安全なアクセスを実現してくれる」(パートブ氏)
DataNow 4.0は、ファイル転送時のデータ暗号化機能も導入された他、Windowsでの使い勝手も向上している。
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