暗証番号、生体認証、ピクチャパスワード
「Windows 10」にどうログオンする? “パスワード不要”の3つの認証とは
認証の世界は長らくパスワードが支配してきた。だが、パスワードは万全ではない。Microsoftは「Windows 10」で、生体認証「Windows Hello」やPINなど、パスワードの代替措置を多数提供している。
パスワードは多くのITプロフェッショナルの職歴よりも長い間、情報システムへのアクセスを制御する主要ツールだった。だが、パスワードの効果が実証済みであっても、このセキュリティ対策は万全とはいえない。
優れた安全なパスワードは、長くて覚えにくく、入力が面倒で(特にタッチ画面のキーボードでは)、頻繁に変更しなければならないのだ。マルウェアや、肩越しにパスワードを盗み見る「ショルダーハック」などのハッキング技術により、パスワードは常に破られ続けている。
併せて読みたいお勧め記事
Windows 10が目指す“パスワードのない世界”とは
- 「Windows 10」の生体認証機能でパスワードいらずの世界がすぐそこ
- 「Windows 10はパスワードなしでも安全」の謎 「Windows Hello」とは何か
- 「Windows 10」の“セキュリティ四天王”、一体どのような機能か
Windows 10アップグレード関連記事
「Windows 10」の認証でMicrosoftが優先課題の1つとしたのは、パスワードなしで端末を守れるようにすることだった。Windows 10ではユーザーがパスワードを設定することも可能だが、他にも利用できる手段が用意されている。
Windows Hello
「Windows Hello」を一言で説明すると、生体認証だ。実際に、Windows Helloでは、指紋、顔面、虹彩という3種類の生体認証を使ってWindows 10にアクセスできる。
当然ながら、指紋認証には指紋読み取り装置を必要とする。他の種類の認証にも専用のハードウェアが必要だ。例えば顔認識のためには「Xbox Kinect」に搭載されているような特殊なカメラが要る。Intelが開発したカメラ「RealSense 3D」は、Windows Helloを使った認証に利用することができる。虹彩認証にも専用のハードウェアが必要だが、まだ市販はされていない。本稿執筆時点では「Surface Pro 4」や「Surface Book」および、サードパーティーのPCの多数が指紋読み取り装置を内蔵しており、Windows Helloを利用する最も現実的な手段は指紋認証だといえる。
Windows Helloの登録では、ユーザーの指紋などの生体情報とデジタルIDを関連付けてユーザーアカウントを作成する。この登録の過程では画像を取得するのではなく、ユーザーを区別するための特徴を把握する。顔認識の場合、Windowsではユーザーの顔写真を撮影するのではなく、グラフのような数値データを収集する、とMicrosoftは説明している。
Windows Helloの登録の過程で収集したデータは、その端末専用で、その端末から離れることはない。複数の端末を使うユーザーは、各端末それぞれで登録を済ませる必要がある。顎ひげをそったり、眼鏡をかけたりといった生体の変更があれば、定期的に登録をし直す必要が生じるかもしれない。
パスワードより安全な暗証番号
Windows 10の認証には、パスワードではなく1種の暗証番号も利用できる。番号は4けた以上とする必要がある。
アルファベットと数字を使った複雑なパスワードに比べて暗証番号は安全性が薄いように思えるかもしれない。だがMicrosoftは、暗証番号の安全性を高める措置を講じている。まず、総当たり方式のブルートフォース攻撃への対抗策として、ユーザーが4回続けて誤った暗証番号を入力すると、質問への回答を入力しなければならなくなる。
暗証番号もやはりその端末にのみ有効だ。生体認証情報と同様に、暗証番号は移転できない。これによって暗証番号が破られる可能性は低減される。
ピクチャパスワード
Microsoftが「Windows 8」で導入したピクチャパスワードは、Windows 10の認証オプションとしても利用できる。同OSでピクチャパスワードの利用を選択すると、端末上に保存した画像のうち1枚の上に描画して、その描画を確認するよう促される。ピクチャパスワードでは3つのジェスチャーが要求され、線、円、点を自由に組み合わせて利用できる。例えば、車の写真を選んだユーザーなら、2つのタイヤを円で囲んでドアハンドルに点を打つといった使い方ができる。ピクチャパスワード機能はマウスでもタッチ画面でも利用できるが、この機能を使ったユーザーは、一般的に認証プロセスはタッチ画面を使った方がはるかに信頼性が高くストレスが少ないと報告している。
ピクチャパスワードの1つの問題は、認証にはタッチ画面を使っても、それ以外のほとんどの作業では昔ながらのキーボードとマウスを使うユーザーがいるということだ。そうした状況では画面上に残った指紋が、ピクチャパスワードでPCのロックを解除するための鍵をはっきりと明かしてしまう可能性がある。幸いなことに、ピクチャパスワードではユーザーが特定の順序で動作を繰り返す必要があり、線や円は毎回同じ方向で描かなければならない。
Windows 10ではパスワードも依然として有効だが、Microsoftはパスワードの代替措置を多数提供している。ユーザーや管理者がこのオプションを利用するには、Windows 10のスタートメニューから設定をクリックし、アカウントとサインインオプションを選択すればよい。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
急増する「AIはこう言ってる」マン 判断を狂わせる「AI忖度」を防ぐには?
-
2
取手市がVDIと決別した理由 更改費用「4倍超」を約1.7倍に圧縮
-
3
「Excel至上主義」の終わらせ方 丸2日の手作業地獄から情シスと現場を救うには
-
4
221人調査で分かった「情シス最大のストレス」は?
-
5
「データストレージの活用方法」に関するアンケート
-
6
「AI時代の統合基盤・エンタープライズAI管理」に関するアンケート
-
7
自宅のWi-Fiが「遅い」「途切れる」本当の原因は? Dellが推奨する鉄則
-
8
本当に安いPCで十分か? “すぐ重くなる”を防ぐノートPC選びの絶対条件
-
9
100億円の「Linux更新」を回避 みずほ銀行が選んだ“おきて破り”のRHEL延命策
-
10
Claudeの不可視透かしに批判殺到 著作権消失や誤判定に潜む企業リスク
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
年収2000万「クラウドセキュリティのプロ」になれる資格とは
-
2
セキュリティソフトをすり抜ける標的型攻撃メール、不審メールの見破り方とは?
-
3
Windows Updateの通信集中で回線が逼迫、ネットワーク刷新事例に学ぶ解決策
-
4
財務を戦略的組織へ進化させるAI活用術、4つの主要な障壁と解消方法
-
5
「NAS」「SAN」「DAS」は何が違う? いまさら聞けないストレージの基礎
-
6
“あのファイル転送”で暗躍するノーウェアランサム
-
7
標的型攻撃メールを見破るには? サンプル文面を例に傾向を解説
-
8
商用利用の安全性を確保し大量のコンテンツを高速で生成する、AI活用の秘訣
-
9
マンガで解説、1日で生成AI環境を構築できるワークショップの中身とは?
-
10
Dark AIが台頭する時代の新発想、「より高度なAIで対抗する」具体的方法とは?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー