テレワークの運用ルールと評価制度を考える【第3回】
「小さく始めて大きく育てる」テレワークプロジェクトを炎上させない7つのポイント(2/2 ページ)
公平、公正なテレワークのルール作り
業務の種類にかかわらずテレワークの利用を希望する全ての従業員が、テレワークを実施できることが理想である。しかし、導入の初期段階においては、予測できない問題が発生するので、これらを一つずつ解決し制度やルールの見直しを進めるといい。公正な観点としては、在宅勤務などのテレワーク時にも、労働基準法などの労働関係法令がどのように適用されるかを理解し順守することが重要である。
また、テレワークは、自律的、自己管理的に仕事を進めることが求められるため、仕事の進め方や報告、連絡の方法などのルールを定めることが必要とされる。
社内の合意形成
テレワークの導入に当たって経営トップ自らの推進と社内広報が必要なことは既に述べた通りであるが、社内の全ての部門の理解を得られないまま進めると、いろいろな障壁が生じることがある。
例えば「在宅勤務者は得をしている」「テレワーカーのフォローばかりして割が合わない」などの不満である。これらが導入の妨げとなり、あるいは制度導入が頓挫してしまう恐れがあるので、全ての部門へ丁寧な説明や話し合いが必要である。
テレワーク導入前の研修
テレワークによって、より高い効果を得るためには、導入時の教育や研修が欠かせない。ガイダンスは、集合研修やeラーニングによって、テレワークの利用者だけでなく、利用者の周囲(上司や同僚)にも実施する必要がある。
テレワークの目的と必要性を理解すること
なぜ自社がテレワークを実施するのか、その目的と必要性を、テレワーク利用者だけでなく、上司や同僚がよく理解することが重要である。
テレワーク利用者が周囲の理解を得ながら自発的に仕事の進め方を工夫して効果が得られるようにし、問題が起きた場合には、テレワーク利用者だけでなく、上司や同僚も交えて積極的に解決する姿勢を持てるようにすることが狙いだ。
テレワーク時の体制について理解すること
関連する社内規定や実施の手続きの他、特に、テレワーク時の業務管理と評価、コミュニケーションの取り方について、利用者やその周囲の疑問を解消しておこう。
テレワークの実施に当たり、実施の承認や勤怠管理などは、管理職の理解が欠かせない。従って、管理職を対象に、テレワーク利用者の勤怠管理や業務管理、コミュニケーションのとり方や指導育成の方法について、個別にガイダンスすることも検討するのがよい。
テレワーク時のツールを操作できるようになること
テレワーク時に使用するツールの操作方法と、技術的なトラブルが発生した場合の問い合わせ先を確認する。
テレワーク開始時から、なるべく円滑に業務を行えるようにすると同時に、セキュリティ上のアクシデントを防止することが狙いである。
テレワークの導入は、できるところから始めること
「まずはやってみる」ことである。
テレワークの対象となる業務を選定するに当たっては、「業務」単位で整理することがポイントである。まずは、業務全体を「棚卸し」し、テレワークで実施しやすい業務と実施しにくい業務を整理し、実施しやすい業務や部門からトライアルを始めてみることだ。
特に営業部門やフィールドエンジニアなど、客先に出向く業務が多い職種では、モバイルワークに取り組むことで業務時間の効率的な利用を図ることができるので、テレワークのトライアルの対象とすることも効果的である。サテライトオフィス勤務の形式によるテレワークは、オフィスコスト面さえクリアできるのであればお勧めしたい。サテライトオフィスやコワーキングスペースは設備や環境が整っている場合が多いので広範囲の業務に適用しやすいからだ。在宅勤務については、テレワークの導入初期段階では、いきなり「完全在宅勤務」を目指すのではなく、小規模なトライアルや週に1回程度の少ない実施回数で、小さく始めて大きく育てるのが成功の秘訣(ひけつ)であるといえる。
日本テレワーク協会
2000年の設立から一貫してテレワークという新しい働き方の調査研究・普及推進活動を展開してきた国内唯一のテレワーク普及推進活動団体。ワークスタイル変革には欠かせない、多様な働き方を実現するツールであるテレワークの普及によって持続的発展が可能な社会の実現を目指す。
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テレワークの運用ルールと評価制度を考える
本連載ではTechTargetジャパンの読者である情報システム部門の読者に対して 、中堅・中小企業におけるテレワークの導入をテーマに、ICT以外も含めた包括的な情報をお届けする。「日本の現状」「企業事例」「導入までのプロセス」「労務管理上の留意点」「行政の支援制度」「関連製品/サービス」と、全6回の連載で各項目を解説する。
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