データサイエンティストたちが注目
Twitterも使っている「深層学習」ツール、普及の鍵は?(2/2 ページ)
深層学習において重要な役割を果たすビッグデータ
企業が保管しているデータの種類が多岐にわたること以外に、大量のデータが深層学習ツールや手法の発展を後押しする重要な要素となっている。顔の表情から感情を識別する深層学習ソフトウェアを開発しているスタートアップのAffectivaでは、深層学習ソフトウェアが実用的になったのはつい最近のことだという。研究部門のディレクターで主任科学者のマクダフ氏によれば、適切にソフトウェアを動作させるために十分なデータを蓄積したからだ。
AffectivaはMIT Media Labの研究プロジェクトから生まれ、2009年に正式に事業を開始している。同社の研究者たちは当初、人がどんな感情を抱いているのかを解釈できるように、数百人のボランティアの映像動画を使って顔認識ソフトウェアを訓練しようとした。だが、小規模なデータセットなのに変動幅が大きく、このデータセットには信頼性がなかったと、マクダフ氏はDeep Learning Summitで発言している。Affectivaは数年の歳月をかけて、数百万人分の映像を収めたビデオライブラリを構築した。マクダフ氏によると現在、機械学習アルゴリズムは人間が抱いている感情に関して、より一般化された評価を下せるようになっているという。
「過去に利用できたデータ量では、これらのモデルを訓練することは到底できなかった。だが現在、当社の研究チームは豊富な情報量によって分析モデルの精度が向上した」(マクダフ氏)
深層学習普及の鍵を握るビジネスケース
多くの深層学習に関するプロジェクトは、まだ研究段階にある。だが、深層学習を従来のビジネスの問題に応用するケースは増えている。モントリオール大学で機械学習を研究するヨシュア・ベンジオ教授は、深層学習をベースにしたソフトウェアが日常生活に浸透していることを指摘する。
現在、多くの人がスマートフォンの仮想パーソナルアシスタントに話しかけることに抵抗を持っていない。また、医者はコンピュータによる意思決定支援システムを患者の治療に利用している。それから、公道を走る自動運転車も増えている。「さまざまな種類の企業の顧客が、同様のシームレスなユーザーエクスペリエンスを期待するようになる日も近いだろう」とベンジオ氏はDeep Learning Summitの別のセッションで語った。
多くの企業が事業に深層学習ツールを導入することで恩恵を受けられるとベンジオ氏は考えている。例えばより自然な方法で顧客対応を自動化するのは、非常に分かりやすい深層学習の応用例の1つだ。ただし、ITチームと分析チームがまず下調べを行い、取り組もうとしている内容を正しく理解しなければならないとベンジオ氏は忠告する。
「世界は変化している。大切なのは、深層学習テクノロジーの裏側にあるものについて人々がもう少し理解し、インターネットで頻繁に見られる誇大宣伝と恐怖を煽るような手法に惑わされないことだ」とベンジオ氏はいう。
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