今後の有力なVDI端末の選択肢
「Raspberry Pi」の“35ドル”仮想デスクトップ、実機テストで分かった実力とは(2/2 ページ)
実機でテスト
私は実際にVMwareのVDIサービス「VMware Horizon View」を使ってRPi3をシンクライアントとして試してみた。使用したLinuxビルドは、「Raspberry Pi Thin Client project」というWebサイトで見つけたものだ。このWebサイトは、Raspberry Piシンクライアントのブートイメージを作成し、カスタマイズする方法が記されている。IT管理者はクライアントソフトウェアを追加してローカル印刷をサポートしたり、VNC(仮想ネットワークコンピューティング)ソフトウェアといったリモート操作機能を追加したりできる。これはエンドユーザーの作業ではないが、少しのIT知識があれば、再利用可能なイメージを1時間ほどで作成することが可能だ。
VMwareのクライアントソフトウェア「VMware Horizon Client」を実行し、RPi3を再起動した。私のHorizon View環境はプライベート認証局が発行するSSL証明書を使用する。そのため、信頼されていない証明書を受け入れるようHorizon Clientを設定する必要があった。GoogleのクライアントPC「Chromebook」をVDIのシンクライアントとして利用するテストをした際と同様である。もう少し時間があれば、Raspberry Piのブートイメージにクライアント証明書を追加することもできたはずだ。従って、信頼できる認証局が発行した証明書を必要とするVDI展開でも問題はない。
再起動して数分後には、フルHDスクリーンにシンクライアントを起動させることができた。RPi3はまずまずの性能の優れたシンクライアントだ。Microsoftの「Microsoft Word」と「Microsoft Outlook」の反応は良く、Webブラウザや会計ソフトウェアも快適に動作した。ディスプレイの反応は、Appleの「Mac」デバイスを使って同じディスプレイにアクセスしたときほど良くなかったが、Macの値段は10倍するのだから当然だろう。RPi3のパフォーマンスと有用性は、他の手頃な価格のシンクライアントと同程度だった。
RPi3シンクライアントは恐らく、データ入力や顧客サポートなど主に1種類のソフトウェアしか使用しないタスクワーカーには十分なレベルだ。共有端末のような、気軽に短時間だけ利用できれば良く、パフォーマンスよりもコストを重視するような場面では、最適なシンクライアントとなるだろう。
Raspberry Piシンクライアントを展開する上で最大の難題は、優れたサポートツールがないことだ。ポリシーベースの管理ツールもなしに2000台のRaspberry Piシンクライアントのブートイメージを管理しなければならないのは、できれば避けたい。これまでのところ、管理ツールは1つしかない。しかも、ごく基本的なツールなので、Raspberry Piを管理するとしてもせいぜい数十台程度までだ。
全体としては、Raspberry Piはそれほど要求が高くない利用場面でシンクライアントとして利用するのに適している。シンクライアント用のLinuxも問題なく動作する。本番環境に展開するための最大の障害は、大規模な管理ツールが提供されていないことだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
「Excel至上主義」の終わらせ方 丸2日の手作業地獄から情シスと現場を救うには
-
2
取手市がVDIと決別した理由 更改費用「4倍超」を約1.7倍に圧縮
-
3
「Microsoft 365のセキュリティ運用」に関するアンケート
-
4
急増する「AIはこう言ってる」マン 判断を狂わせる「AI忖度」を防ぐには?
-
5
221人調査で分かった「情シス最大のストレス」は?
-
6
「Salesforceのテスト自動化ツール」に関するアンケート
-
7
「データストレージの活用方法」に関するアンケート
-
8
「AI時代の統合基盤・エンタープライズAI管理」に関するアンケート
-
9
AIで人を減らした企業がもう心変わり 「AIブーメラン現象」の実態
-
10
自宅のWi-Fiが「遅い」「途切れる」本当の原因は? Dellが推奨する鉄則
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
年収2000万「クラウドセキュリティのプロ」になれる資格とは
-
2
セキュリティソフトをすり抜ける標的型攻撃メール、不審メールの見破り方とは?
-
3
Windows Updateの通信集中で回線が逼迫、ネットワーク刷新事例に学ぶ解決策
-
4
財務を戦略的組織へ進化させるAI活用術、4つの主要な障壁と解消方法
-
5
「NAS」「SAN」「DAS」は何が違う? いまさら聞けないストレージの基礎
-
6
“あのファイル転送”で暗躍するノーウェアランサム
-
7
標的型攻撃メールを見破るには? サンプル文面を例に傾向を解説
-
8
商用利用の安全性を確保し大量のコンテンツを高速で生成する、AI活用の秘訣
-
9
マンガで解説、1日で生成AI環境を構築できるワークショップの中身とは?
-
10
Dark AIが台頭する時代の新発想、「より高度なAIで対抗する」具体的方法とは?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー