IoTビジネスはもう始まっている【前編】
大阪ガスの「エネファーム」に学ぶ、IoTマネタイズのヒント(2/2 ページ)
エネファームをIoT対応したことの効果は?
では、エネファームのIoT対応で、実際にどのような効果が出たのか。藤田氏は企画開始から5カ月で、企画時点で想定したシーン全てで効果を達成できたと振り返る。
まず、メンテナンスでの活用として、エネファームの機器稼働・エラー発生データを生かした「発電見守りサービス」を提供。これによって、訪問前の故障診断や修理部品の事前準備が可能となり、メンテナンス日数の大幅短縮を実現している。
次に、品質管理および顧客対応へのデータ活用で効果を発揮している。品質管理では、取得データを活用して製品不具合を発見する。IoTによって迅速な管理が可能になり、同一原因による影響を最小限にとどめている。顧客対応としては、ユーザーからの「発電量が少ない気がする」といった問い合わせに対して、取得データを用いて説明することで満足度を向上。不要な現場訪問もなくなったという。
さらに、機器の機能拡張として、スマホアプリを通じて電気の使用状況や節電のコツ、電気代の予測など、省エネルギーをサポートする情報を提供している。スマホアプリからは、お風呂のお湯張りや床暖房のオン/オフ、タイマー設定などの遠隔操作も可能だ。
そして、Web APIを活用して、補助金対象の特定物件への機能提供も実施している。国土交通省が2016年2月に開催した「第17回サステナブル建築物等先導事業(省CO2先導型)」採択物件向けに、エネファームによって、マンション全体の二酸化炭素(CO2)削減量をテレビに表示する機能を提供している。これは、AWSに蓄積したデータを、AWSのWeb API作成・管理サービス「Amazon API Gateway」を通じてNTT西日本のクラウドおよび同社の情報機器「光BOX+」と接続することで実現した。AWSのオープン性を生かした使い方だ。
IoTで得たナレッジを他社へ有償提供も
今後の展開として、エネファームを販売する他社ガス事業者からもIoT活用のニーズが高まっていることを受け、2017年4月をめどに他社へのアプリ、システムの有償提供に向けて調整を進めているという。
イベント講演の最後に藤田氏は、「現在エネファームのインターネット接続は、ユーザー宅の回線を利用しているため、接続の手間や回線変更に伴う遮断リスクがあり、全世帯の常時接続は難しいのが実情」と課題を挙げる。「今後、AWSの仮想サーバと直接接続可能な通信デバイスを開発、搭載することで、接続率100%を実現したい」と、常時接続率100%を目指す意欲を見せた。さらにエネファームを中核としたIoT基盤の将来展望について、「自社の機器だけでは提供できるIoTサービスに限界があると考えている。Web APIなどの技術を駆使して、AWS以外のクラウドを含めさまざまなベンダーの製品/サービスと連係し、新たな価値提供を模索していく」との考えを示した。
後編では、JapanTaxiのIoT事例を紹介する。
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IoTビジネスはもう始まっている
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