連載「最新のOpen Compute Projectで何が変わった」第3回
「使ってみたら不満続出」にServer Design“Ver.2”で対応する(2/2 ページ)
Microsoftが策定したサーバ新規格「Open Cloud Server」
Server Chassis and Triplet Hardware v1.0がTriplet Rack限定で「既存のラックを利用できない」という不満に対しては、MicrosoftがOCP参加を表明と同時に公開した新規格の「Open Cloud Server」(OCS)で対応している。先に紹介した「Server Design」「Open Rack」の第2世代規格はFacebookが仕様を策定したのに対し、OCSはMicrosoftが仕様を策定している。OCSのVersion 1.0では、19インチの1Uラックに2枚のブレードサーバを納めるシャシーとバックプレーン(ブレードサーバと各種モジュールの相互接続基板)を用意している。バックプレーンは12枚で一組という扱いだ。
OCSのブレードサーバの仕様は、Version 1.0でラフなレイアウト図と全体の機械的形状、そして、コネクターの電気的な接続規格を定めているだけだったが、Microsoftが2014年8月に公開したVersion 2.0で詳細な仕様を定めている。電源の変換効率が低いため「Server Design」「Open Rack」第2世代規格ほどPUE(Power Usage Efficienct:データセンター全体の消費電力をサーバなどのIT機器の消費電力で割った値。一般的に1に近いほど電力効率が良い)を改善するのが難しいものの、既存の19インチラックにそのまま搭載でき、電源工事も必要がないということで、Triplet Rackがネックになって導入できなかったユーザー企業でも採用が進んでいる。
ARMベース、GPGPUベースのサーバ向け規格は
ここまでの話は全てx86ベースの話だ。OCPではそれ以外のアーキテクチャに対しても仕様を定めている。まずARMベースでは、Calxedaが「Open Vault」というストレージサーバ用のシャシー規格に準拠したサーバデザインを提供している(ただし、Calxedaは2013年に経営が破綻した)。また、SoC(System on a Chip)タイプのサーバ向けチップを搭載するためのブレードカードも定義しており、ARMのみならずIntelのAtomベースのSoCやAMDのFalconシリーズSoCなどが利用可能となっている。他にも、まだ仕様策定作業中であるがGPGPU(GPUによる汎用計算)用のサーバ、あるいは1U/2Uのフルサイズのサーバ規格などもOCPとして仕様を公開している。
ではこれでPUEがどのように改善するのか? という仕掛けを次回で紹介したい。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
「Excel至上主義」の終わらせ方 丸2日の手作業地獄から情シスと現場を救うには
-
2
急増する「AIはこう言ってる」マン 判断を狂わせる「AI忖度」を防ぐには?
-
3
取手市がVDIと決別した理由 更改費用「4倍超」を約1.7倍に圧縮
-
4
221人調査で分かった「情シス最大のストレス」は?
-
5
「データストレージの活用方法」に関するアンケート
-
6
「AI時代の統合基盤・エンタープライズAI管理」に関するアンケート
-
7
自宅のWi-Fiが「遅い」「途切れる」本当の原因は? Dellが推奨する鉄則
-
8
100億円の「Linux更新」を回避 みずほ銀行が選んだ“おきて破り”のRHEL延命策
-
9
本当に安いPCで十分か? “すぐ重くなる”を防ぐノートPC選びの絶対条件
-
10
Claudeの不可視透かしに批判殺到 著作権消失や誤判定に潜む企業リスク
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
年収2000万「クラウドセキュリティのプロ」になれる資格とは
-
2
セキュリティソフトをすり抜ける標的型攻撃メール、不審メールの見破り方とは?
-
3
Windows Updateの通信集中で回線が逼迫、ネットワーク刷新事例に学ぶ解決策
-
4
財務を戦略的組織へ進化させるAI活用術、4つの主要な障壁と解消方法
-
5
「NAS」「SAN」「DAS」は何が違う? いまさら聞けないストレージの基礎
-
6
“あのファイル転送”で暗躍するノーウェアランサム
-
7
標的型攻撃メールを見破るには? サンプル文面を例に傾向を解説
-
8
商用利用の安全性を確保し大量のコンテンツを高速で生成する、AI活用の秘訣
-
9
マンガで解説、1日で生成AI環境を構築できるワークショップの中身とは?
-
10
Dark AIが台頭する時代の新発想、「より高度なAIで対抗する」具体的方法とは?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー