クラウド時代の「認証」再考論【最終回】
大事なはずの「特権ID管理」が、なぜ後回しにされ続けるのか?(2/2 ページ)
セキュアな踏み台とは
ゲートウェイサーバ型の特権ID管理製品は“踏み台”ともいわれる。「踏み台」と聞くと悪い印象があるが、ここでは特権ID管理をセキュアに実現するシステムのことを指す(図)。
作業者は特権IDを使って作業する場合、まず情報システム部門に申請して承認してもらう。次に発行された作業者IDでゲートウェイサーバへログインする。そこからさらに作業対象の機器に特権IDでログインする。このとき専用ゲートウェイ以外からはログインできないように各機器を設定しておく。このように二段階アクセスにすることで、承認された作業者のみにアクセスを許可できる。
ゲートウェイサーバ型特権ID管理製品は、ゲートウェイサーバで作業ログを取得する機能を備えるのが一般的だ。この機能を使えば、特権IDを使った作業者が、いつ、何をしたのかを追跡できる。
ただし特権IDを使った作業者の内部犯行を早期に発見するためには、作業ログを日常的に監視し続けなければならない。また監視要員には大量の作業ログから内部犯行を見つけ出すための知見が要求されるので、監視要員の教育も必要となる。監視要員が100パーセント信用できる人なのか、という懸念も生じる。特権IDの管理プロセスには、管理負荷の面でも安全性の面でも、可能な限り人の介在を排除しなければならないことが分かるだろう。
今や情報資産は、外部からの脅威のみならず内部からの脅威にもさらされている。特権IDの乗っ取りや悪用で発生する膨大な情報流出を防ぐためには、性善説的な運用を捨て、適切なアクセス管理の仕組みを構築すべきだ。特権ID管理製品に限らず、新たな技術や製品によってリスクを軽減する手法を講じていく必要があるだろう。
ID/アクセス管理のあるべき姿、そしてそれを実現する方法、技術動向について全4回で紹介した。本連載が、その方法を検討中の企業の一助になれば幸いである。
執筆者紹介
渥美淳一(あつみ・じゅんいち) ネットワンシステムズ
10年以上にわたりロードバランサー製品、Webアプリケーションファイアウォール製品、DNSセキュリティ製品、認証製品などの提案、評価、検証、技術サポートを実施。現在は認証によるクラウドセキュリティ強化ソリューションの開発にも取り組んでいる。
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クラウド時代の「認証」再考論
クラウドサービスを中心とするオンラインサービスの普及やID/パスワード認証の“限界”が、企業の認証システムに見直しを迫る。認証に関する現状の課題を整理し、具体的な解決策を追う。
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