Apple、Citrix、IBM、Microsoft、VMwareなどを解説
モバイル管理11製品を紹介 iPhone、Android、Windows管理機能の詳細は?(3/3 ページ)
Microsoft
Microsoftのソフトウェア基本原則は「モバイルファースト、クラウドファースト」だ。その一例が「Office 365」スイートだ。ユーザーはWindows、Appleの「macOS」、iOS、Android、Webブラウザを実行するデバイスからOffice 365のツール群にアクセスできる。Microsoftにとって、デバイス管理とセキュリティは新しい分野ではない。デバイスを管理するツールスイートとして現在「Microsoft Enterprise Mobility Suite」を提供している。この製品は、同社の「Microsoft Intune」「Azure Active Directory Premium」「Microsoft Advanced Threat Analytics」「Azure Rights Management」から構成される。Microsoft Intuneはそれ自体が、MDM、MAM、「System Center Configuration Manager」を管理する厳選された中核的なツールから成り立っており、特にOffice 365モバイルアプリ管理に重点が置かれている。
Microsoft Intuneはクラウド限定の製品のため、オンプレミスツールは用意されていない。また、ここまでに挙げた他の製品に比べると成熟度が低いツールだ。本稿執筆時点では重要なKNOXとAndroid for Workのサポートが抜け落ちているが、Microsoftによれば2017年初頭にはサポート予定だという。管理者にとってはもう1つ課題がある。それは、セルフサービスコントロールと不確かな稼働時間に関するサポートが全体的に弱いことだ。
MicrosoftのEMMツールはOffice 365を始めとするMicrosoftのクラウドサービスへの依存度が高い企業に適切だ。
Apple
GoogleもAppleもそれぞれのデバイスを次の段階に成長させるには企業のサポートが不可欠であると認識している。これまではWindowsデバイスが企業のよりどころだったが、iPhoneを筆頭に、AppleのiOSデバイスが多くの企業で強く支持されるようになった。
そのため、AppleはiOSでMDMサービスとEMMサービスのサポートを強化している。iOSプラットフォームでは現在3つの主要なテクノロジーをサポートし、企業を対象に卓越した機能やサービスの提供を実現している。
- 「DEP(Device Enrollment Program)」:デバイスを企業に自動登録する方法。「Apple Configurator 2」を使うことで、デバイスに物理的に触れることなくEMMの登録が可能になる。これによりコストが大幅に節約される。
- 「VPP(Volume Purchase Program)」:企業でライセンスアプリを大量購入し、従業員による利用を可能にする方法。
- 「ADP(Apple Developer Program)」:社内エンタープライズアプリストアでカスタムアプリの作成、開発を実現。
学校の場合は他のオプションが用意されている。Appleの「iOS 9.3」では、学校はiPadのようなデバイス上で複数プロファイルの管理を許可できる。これにより、複数の生徒が1台のデバイスを共有できる。Appleが企業デバイスでもプロファイルを利用可能にすることにユーザーは大きな期待を寄せている。
これらは全て、iOSソフトウェアのAPIを通じてMDMとEMMのプロバイダーからも利用できるプログラムだ。ただし、一部の重要な分野は企業にとってまだ難しい問題になっている。その例を以下に2つ挙げる。
- Appleの「App Store」:Appleは管理されたデバイスを使ってApp Storeからアプリをダウンロードすることを妨げていない。つまり、iOSデバイスではApp Storeで提供される200万種類のアプリをどれでも実行できる。このようなアプリを全てインストールできる潜在的なリスクは、業務を実行するソフトウェアとアプリの監査をIT部門が行う際に表面化する。このプロセスはアプリの合理化と呼ばれることが多いが、iOSデバイスではWindowsと同じようにこの合理化プロセスを管理することはできない。
- OSのアップデート:企業が最新バージョンのiOSへのアップグレードを制限することをAppleでは許可していない。同社は、何百万台というアクティブなiOSデバイスを数日以内に最新バージョンへ移行できるようにしている。従って、企業のカスタムアプリは全て最新バージョンのiOSをサポートしなければならない。
Appleは大量のiOSデバイスを管理するために必要なツールをリリースしている。また、IBM、Cisco Systems、SAPとの最近の戦略的パートナーシップから分かる通り、Appleが企業と連携することを真剣に考えているのは明らかだ。
まとめ
本稿の製品概要で詳しく説明した通り、EMM市場ではサービスに対するサポートが豊富に提供されている。各ベンダーを検討する際に注目すべき分野は、スケーラビリティ、サービス品質、ツールの選択、既存の実装に対する評価だ。また、企業はオンプレミスEMMツールをホストするか、クラウドでのホストを利用するかも考えなければならない。これを決める際には現在のポリシーが重要になる。ただし、クラウドでホストすれば、スケーラビリティとサポートの面でオンプレミスでは通常提供されない多くのメリットが得られる。
最適なソフトウェアを探す際には、EMM市場全体で共通して見られる特徴に注目することでライセンスコストを下げられる。ほとんどのEMMベンダーの製品は機能が重複しているため、他社にないものを用意していると断言できるベンダーは1社も存在しない。各ベンダーが提供する価格、ライセンス、特別な機能を見極められるかどうかは購入担当者の眼力に掛かっている。
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