ストレージテクノロジーの2017年話題のトレンド【前編】
コンテナ“一強”時代に変化の兆し、 SSDは高密度競争へ(2/3 ページ)
コンテナ
テクノロジーの進化により、アプリケーションのマイクロサービスから永続ストレージを直接利用できるようになった。それを追い風にして、2016年には企業ストレージにおけるコンテナ仮想化の利用が大幅に広がった。オープンソースのコンテナ化は2017年も引き続きストレージテクノロジーで重要なトレンドの1つになる。それはコンテナテクノロジーが、データ保護、永続ストレージの利用、移植性など、重要な分野で進化しているためだ。
開発とテストがコンテナの主な用途であることに変わりはない。だが専門家によれば、ストレージ管理者はDockerの「Docker」インスタンスを選択的に管理する方法も学ぶことになるという。「最も大きく変化するのは、一言でいえば、永続性だ。コンテナは一過性のストレージにとどまらず、永続ストレージでデータを保持し、アプリケーションを保護するようになってきている」とヘンリー・バルタザール氏は指摘する。同氏は、451 Researchでストレージ部門の研究部長を務めている。
2016年、DockerのライバルCoreOSが、「Linux」コンテナ向けに商用バージョンの「Rocket」ラインタイムを初めてリリースした。だが、Dockerがコンテナの中心的存在であることに変わりはない。Dockerによれば、ソフトウェアのダウンロード数は500万件を超え、65万人のユーザーが登録しているという。アプリケーションチームはDockerを使用することにより、コンテナ内部でアプリケーションを素早く開発し、リリースして、起動できる。このように「Docker化」されたアプリケーションの導入がリアルタイムに近づくにつれ、Dockerストレージをステートレスなコンテナで管理し、プロビジョニングする必要性が大きくなる。
DockerランタイムエンジンはもともとLinuxベースストレージを対象にしていた。しかしMicrosoftは、2016年9月にリリースした「Windows Server 2016」で、管理者がDocker仮想化を「Windows」サーバで管理できるようにした。また、Microsoftは独自のコンテナランタイムも最新のWindowsサーバOSに追加している。それによりMicrosoftユーザーは、Windows Server 2016サーバハードウェアまたはMicrosoftの「Hyper-V」仮想マシンで、Windowsベースのコンテナを起動できるようになる。
ハードウェアの仮想化が普及しているが、コンテナ化はその概念をさらに拡張してOS自体を仮想化する。それにより、複数のワークロードが、元になるコードと依存関係のあるライブラリを共有できる。ストレージを高度に仮想化している企業では、数百、ことによると数千のコンテナを1つのノードに導入する可能性もある。そうしたコンテナは全て軽量なインスタンスとして実行される。
コンテナ内で永続ストレージを実現することがストレージベンダーの最優先事項になる。そう話すのは、Server StorageIOの創設者兼上級顧問のグレッグ・シュルツ氏だ。「2018年の半ばには、ステートレスなコンテナとステートフルなコンテナのサポートが標準になる。Docker、Linux、Windowsのコンテナはより実用的なコンピューティングユニットになり、他のソフトウェア定義の仮想マシンとクラウドマシンインスタンスと共に、物理的なベアメタルに導入されることになるだろう」
従来のストレージベンダーDell EMC、Hewlett Packard Enterprise(HPE)、Hitachi Data Services、IBM、NetAppは、Docker環境を大規模に導入および管理して、それぞれのストレージアレイを差別化している。Portworx、Rancher Labs、StorageOSといったコンテナソフトウェアのスタートアップ企業は、データ管理とサーバノード間でのコンテナデータの安全な移行に取り組んでいる。
Red Hatは、ソフトウェア定義ストレージの「Red Hat Gluster Storage」をLinuxベースのアプリケーションコンテナにおける永続ストレージバックエンドとして追加した。また仮想化の最大手VMwareもこの競争に参入している。VMwareの「VMware vSphere Integrated Containers」を導入したユーザーは同社の「VMware vSphere」でコンテナを実行できるようになる。
新しいテクノロジー全てにいえるが、コンテナのハイプサイクル(製品が採用する技術の完成度と視聴普及率の関係)は実際の導入ペースを上回っている。そのため、企業はコンテナとストレージ管理の情報を全て集めて全体像を把握しながら慎重に動く必要があるとバルターザル氏は警告する。
「企業がOracleデータベースアプリケーションを大量にコンテナ内で実行し始めるようなことにはならない。だが、コンテナが重要になる領域はある。モバイルアプリと分析ではコンテナを使うのが理想的だ。非常に優れたリソース割り当てが可能になり、ごく短時間でプロビジョニングできるようになる」(バルターザル氏)
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