ストレージテクノロジーの2017年話題のトレンド【前編】
コンテナ“一強”時代に変化の兆し、 SSDは高密度競争へ(3/3 ページ)
大容量フラッシュ
Samsung Electronicsは15TBの2.5インチSAS SSD(実容量15.36TB)を2015年に発表した。この15TBのSSDは2016年4月から販売が開始され、企業向けに提供されているSSDとしては現在も最大容量だ。2017年1月時点ではHPEとNetAppのオールフラッシュアレイでこのSSDの搭載が始まっている。これに対してSeagateは、3.5インチのフォームファクタを採用した60TBのSAS SSDを2016年に開催された「Flash Memory Summit」で発表した。同社はこのSSDを大量生産に移すため、HPEとパートナー契約を結ぶことになった。
ストレージテクノロジーについてフラッシュ業界で最近話題のトレンドは、ドライブ容量を増やし、以前は想像できないような大容量の実現だ。この状況はHDDの黎明(れいめい)期と同じだ。SSDベンダーは高密度化を図り容量レベルを競うようになっている。いま、各ベンダーは最大最高密度のフラッシュを標準サイズのドライブに詰め込こむことに注力している。
Samsung Electronicsの大容量ドライブは同社の512GbV-NANDチップを採用する。512GbのV-NANDチップを16層積み上げて1TBパッケージを構築している。この1TBパッケージを32個組み合わせると32TBのSSDになる。Samsung Electronicsは、自分たちの32TB SSDがSeagateの60TB SSDを超える高密度を実現していると主張する。3.5インチSSDを12枚収容するスペースがあれば、2.5インチSSDを24枚収容できるというのがその理由だ。Samsung Electronicsの32TB SSDとSeagateの60TB SSDはいずれも2017年にリリース予定だ。そのため、しばらくはSeagateがドライブの設置スペースと容量の関係における密度では首位に立つ。ただそれは、Samsungが同社の高密度フラッシュテクノロジーを独自の60TBドライブに詰め込むまでの話になる。
Evaluator Groupアナリストのラス・フェロー氏によると、HDDは最終的にSSDの補助的立場になるという。「これほど短期間でSSDの容量密度が向上し、GBあたりの価格が下落したことを考えると、いずれ高速Serial ATAドライブよりも安価になるだろう。SSDがHDDよりも安価になるのは遠い話ではない。2020年までにHDDは市場から姿を消すかもしれない」(フェロー氏)
NetAppの上級副社長兼CTOを務めるマーク・ブレグマン氏によれば、同社は大容量SSDを利用してストレージデバイス設置に要するスペースを大幅に減らしただけでなく、消費電力を削減し、それに伴い冷却機能も縮小しているという。
「NetAppのオールフラッシュアレイは大容量SSDを採用することで、以前ならこれほど大胆な負担軽減が困難だった用途でも対応できるようになった。スペース効率の点では、この新しい大容量オールフラッシュアレイは他の追随を許さない。1つの2Uフォームファクタに最大321.3TBのストレージを格納できる。つまり、15.3TBのSSDを採用した単一の2Uシステムで1PBを超える実効容量を提供できることになる。HDDで同じ容量を実現するには、フォームファクタが小さく最高密度のHDDを使ったとしても、52Uのラックスペースと18倍もの電力が必要になる」(ブレグマン氏)
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