2017年ストレージベンダーの現状と展望【後編】
消える老舗に台頭する新興、そして気になるWestern Digital──激変必至ストレージ業界(2/3 ページ)
Western Digital
Broadcomと同様に、Western Digital(以下、WD)はこの数年、ストレージベンダーの買収を進めてきた。最も目を引く買収相手は、HDDで競合するHGSTとフラッシュ大手SanDiskだ。今後は、こうして獲得したさまざまな事業を効果的に組み合わせ、総力を結集して展開しなければならない(編注:この記事は2017年1月18日より前に執筆している)。
HGSTを傘下に収めたことで、WDはSeagateとともに2大HDDベンダーの1つとなった。また、WDはSanDiskのフラッシュアレイとNAND製品も手に入れており、その中には、IBMなどがOEM契約で販売するオールフラッシュアレイ「InfiniFlash」もある。こうした事業全体で、WDの2017年の売上高は170億ドルに達する見通しだ。WDは、ヘリウム充填HDD(現在の最大容量は10TB)やオブジェクトストレージ「Active Archive」も製品として用意している。
注目ポイント WD製品の多くは“黒子役”だ。OEM契約で他社ブランドとして販売している。そのため、WDはより小規模な多くのエンタープライズストレージベンダーよりもはるかに目立たない。だが、オールフラッシュアレイのIntelliFlashとオブジェクトストレージのActive Archiveによって、WDの知名度が上がることもあり得る。これらの技術は急成長しているからだ。
Seagate
フラッシュストレージの普及が進む中、2大HDDベンダーの1つであるSeagateは、どこに活路を見いだしていくのだろうか。同社はライバルのWDと比べて、SSD市場への対応が遅れている。それでも、Seagateは大容量HDDでかなりの収益を得ている。大容量HDDの総出荷容量は依然として伸びているからだ。SSDはストレージアレイの中でも、高いパフォーマンスを要求するストレージ階層向けのカテゴリーを席巻しているのにすぎない。
Seagateもフラッシュを手掛けていないわけではない。LSIから買収したフラッシュ製品を持っており、Dot Hill SystemsおよびXyratexの買収で得たストレージシステムにSSDを搭載して出荷している。また、2016年8月には、2017年に出荷予定の60TB SSDを評価用として試作品を生産している。だが、この大容量SSDは3.5インチフォームファクタであるため、パフォーマンスを要求するストレージよりもバルクストレージに適している。
とはいえSeagateのフラッシュ製品ラインアップは、WDと比べて貧弱だ。業界中の関係者が、SeagateがHDDと同じくらい真剣にSSDにも取り組むのを待っている。
注目ポイント SeagateはSSDをいよいよ本格的に手掛けなければならないだろう。同社はそのために買収を行うと予想する関係者も多い(NANDフラッシュで協力関係にあるMicronを買収するかもしれない)。Seagateが2017年を通じてずっと手をこまねいているとは考えにくい。
NetApp
Dellが2015年末にEMCの買収計画を発表したとき、ストレージ業界関係者は、一緒にNetAppも買収するのではないかと予想した。だが、そうはならなかった。今では、NetAppは最大の独立系ストレージベンダーだが、Dellが買収する前のEMCと同様に厳しい現実に直面している。ストレージの売上高がほとんど増えておらず、NetAppは事業規模を縮小している。
NetAppは、同社のストレージOS「Clustered Data ONTAP」にアップグレードするユーザー企業のサポートを進めている。だが、このアップグレードによってユーザー企業の環境が大きく変わることは否めない。
NetAppは2016年に「All Flash FAS」を投入し、本格的なオールフラッシュアレイベンダーとなった。さらに、ユーザー企業に対してクラウドへの移行を積極的にサポートしている。だが、他社のハードウェアを利用するハイパーコンバージド製品やSDS(Software Defined Storage)プラットフォームはまだ手掛けていない。
NetAppは2016年11月に6%の人員削減を発表した。これにより、同社は成長路線から外れていることが鮮明になった。
注目ポイント ストレージベンダーを買収しようとしている大手ITベンダーがあれば、NetAppを詳細に検討する価値がある。そうしたベンダーがなければ、NetAppは既存の技術で存在感を保つ方法を見いださなければならない。また、SolidFireの買収から1年が経過しており、NetAppはDevOpsおよびクラウド事業者向けのオールフラッシュプラットフォームの販売を伸ばす必要がある。
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