2017年ストレージベンダーの現状と展望【後編】
消える老舗に台頭する新興、そして気になるWestern Digital──激変必至ストレージ業界(3/3 ページ)
Hewlett Packard Enterprise
Hewlett Packard Enterprise(以下、HPE)は、Hewlett-Packardの分割による誕生から1年以上がたったが、ストレージポートフォリオは変わっていない。「HPE 3PAR StoreServ」は引き続き成功しているが、他に成功した製品がない。3PARの販売はHPEの市場シェア獲得に貢献してきたものの、同社には独立したオールフラッシュプラットフォーム(3PARのオールフラッシュモデルはある)、独自のオブジェクトストレージ、強力なハイパーコンバージド製品がない。
HPEはサーバとストレージのベンダーなので、ハイパーコンバージドインフラでも有力なベンダーになる必要がある。だが、市場に食い込んでいるものの大きなインパクトは与えていない。VMwareがライバルのDell Technologiesの傘下に入ったことから、HPEはVMwareのハイパーコンバージドソフトウェア「vSAN」への依存を減らしていきそうだ。
注目ポイント Hewlett-Packardの分割による誕生に伴う移行期間を経て、HPEは2017年にはその他の買収を進めると予想される。ハイパーコンバージドインフラとオールフラッシュアレイを彼らの買い物リストに加えるといいだろう。オブジェクトストレージも買っておくべきかもしれない。
Hitachi Data Systems
Hitachi Data Systems(以下、HDS)は他の老舗ストレージベンダーと同様に、現在のデータセンターに適合するように、扱う技術を見直す必要がある。そのためにHDSは、ストレージ製品に変更を加えている。主力アレイ「Virtual Storage Platform」(VSP)にフラッシュを組み込み、「Unified Compute Platform」(UCP)でハイパーコンバージド製品を投入し、クラウド向けのオブジェクトストレージ「Hitachi Content Platform」を強化している。
だが、HDSの最も重要な影響は、親会社の日立製作所がレファレンスプラットフォーム「Lumada」をベースに展開しているIoT事業において、HDSの役割が変化したことだ。Lumadaでは、HDSが2015年のPentaho買収で獲得したビッグデータ分析技術を使用している。日立製作所の戦略は、全ての製品にIoT技術を組み込むことだ。確固たる戦略だが、エンジニアリング指向の強い同社が、変化の速いITの世界に対応して俊敏に動いていけるだろうか。
注目ポイント 日立製作所は、Lumadaに組み込んだPentaho技術を自社の製品にどれだけ速く展開するだろうか。またHDSは、IoT事業を推進する日立インサイトグループの中で、どれだけ大きな役割を果たすだろうか。
IBM
IBMは、ストレージアレイ戦略を3つの単語で要約している。それが「フラッシュ、フラッシュ、フラッシュ」だ。同社はアレイプラットフォームのオールフラッシュへの転換を精力的に進めているが、それは最近の取り組みだ。IBMが長期にわたって減少してきたストレージの販売で巻き返すには、「Spectrum」ソフトウェアや、買収したCleversafeの技術に基づくクラウドストレージ製品およびサービスも強化する必要がある。ハイパーコンバージドインフラ製品も提供して損はないだろう。
注目ポイント IBMのストレージハードウェアは、20四半期連続して前年同期比で減収となっている。同社のストレージビジネスはいつ底を打ち、回復に転じるのか。IBMの新任のストレージ担当ゼネラルマネジャーであるエド・ウォルシュ氏は、新興企業の経営立て直しで優れた実績を持っているが、眠れる巨人を起こすことができるだろうか。
Lenovo
IBMの「System x86」サーバ事業を2014年に買収したLenovoは、サーバベースストレージ事業を推進している。Lenovoはこの事業でCloudian、Nexenta Systems、Nutanix、Pivot3、SimpliVity、StorMagicなど、SDSやハイパーコンバージドソフトウェアを手掛ける多数のパートナーと組んでいる。また、OEM契約でIBMのアレイ「Storwize」をLenovoブランドで販売している他、Nimble Storageと共同でコンバージドインフラプログラムを展開している。2017年もさらなる提携事業を開始しそうだ。
注目ポイント Nutanixの技術を採用したLenovoのハイパーコンバージドプラットフォーム「Lenovo Converged HX Series」を出発点として、両社はさらに提携を深める可能性がある。特に、Dell EMC がNutanixとの協業へのコミットメントを弱めた場合は、この動きは加速するだろう。
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