Nutanixに続くことができるか
ハイパーコンバージドインフラ市場、これから要注目の3社とその技術(1/2 ページ)
ハイパーコンバージド市場は新興企業が群雄割拠する場ではなくなった。SimpliVity、Pivot3、Scale Computingのような企業は、Nutanixやサーバ、そしてストレージの大手企業と新たな戦いを繰り広げている。
2016年9月にNutanixが行った新規株式公開が、ハイパーコンバージドインフラ市場転換の兆しとなった。かつて小規模非公開企業が占めていたハイパーコンバージドインフラ市場だが、サーバとストレージの大手ベンダーが市場を席巻しようとしている。
上場を果たしたNutanixは依然として市場のトップを堅持しているが、顧客数ではハイパーコンバージドインフラソフトウェア「Virtual SAN」(VSAN)を擁するVMware が上回っている。Dell EMCは、「Dell PowerEdge」サーバでVSANとNutanixソフトウェアを販売することで2017年の市場独占を目指している。Hewlett Packard Enterprise、Cisco Systems、Lenovoも積極的に製品を送り出している。この3社が取っているのは、自社のサーバに自社またはパートナーのソフトウェアを搭載して販売する手法だ。
SimpliVity、Pivot3、Scale Computingなどの小規模非公開企業も生き残りを図っている。これらの企業も独自の新規株式公開を計画しているが、IBMやNetAppなど、ハイパーコンバージドインフラ市場に未参入の大手ベンダーにとっては採算のある買収対象になる可能性もある。
併せて読みたいお薦め記事
ハイパーコンバージドインフラを選ぶポイント
今なぜハイパーコンバージドインフラが注目なのか
Atlantis Computing、Maxta、StorMagic、Stratoscaleのようにソフトウェアのみで代替機能を提供する小規模ベンダーは、自社製品が優れた機能を持ち、大手ベンダーの新製品よりも優秀だと主張している。こうした企業には、競合している大手企業を上回る利点を持つテクノロジーが必要だ。
「この技術に他社よりも多くの時間を費やし投資してきた」と語るのは、SimpliVityでCEO兼会長を務めるドロン・ケンペル氏だ。「自社独自のファイルシステム開発に43カ月を費やした。そして、市場最高のデータサービスプラットフォームを用意することに力を注いできた。他社が今から追い付こうとしても無理だろう」(ケンペル氏)
「当社は氷山の一角にすぎない」とハイパーコンバージドインフラについて語るのは、Scale ComputingでCEO兼会長を務めるジェフ・レディー氏だ。「かつて、ストレージやサーバの大手ベンダーは、ハイパーコンバージドインフラを取るに足らないもの、あるいは単なる機能の焼き直しだと見下していた。だが、今になって彼らはハイパーコンバージドインフラを用意していると言い出した。つまり、彼らは取るに足らない技術に力を入れ始めたことになる。Nutanixが時価総額数十億ドルの企業となって、他のベンダーもハイパーコンバージドインフラに、無関心ではいられなくなっている」(レディー氏)
データの削減と保護を売りにするSimpliVity
SimpliVityは、統合システムに関するGartnerのマジッククアドラントレポートおよび2016年のForrester Waveのハイパーコンバージドインフラレポートにおいて、Nutanixと共に業界のリーダーと称された。両レポートでこのように評されたのは、ハイパーコンバージドインフラベンダーのこの2社のみだ。
SimpliVityは、Nutanix が市場に参入した翌年の2012年に、ハイパーコンバージドインフラ「OmniCube」を発売した。同社による最近のレイオフや人件費削減にもかかわらず、 ケンペル氏はNutanixと同じ速さで新規株式公開を実施できると主張する。
「これまでと同じ速さで成長を続けることができれば、2017年の同時期には独自の新規株式公開の準備が整うだろう」と同氏は話す。「差し迫った必要性があるわけではないが、成長促進を目的として新規株式公開を行う」
SimpliVityは、データの保護と削減機能で差別化を図ろうとしている。同社は、サーバや仮想マシンに加えてより多くの機能をハイパーコンバージドインフラアプライアンスにまとめる計画だ。「SimpliVity OmniStack Data Virtualization Platform」には、重複排除と圧縮をCPUからオフロードするアクセラレータ拡張カードや、オフサイトの災害復旧に使う組み込みのバックアップとレプリケーションなどが付属する。
ケンペル氏によると、SimpliVityの顧客の半数が、OmniCubeに保管したデータには他のバックアップ製品を使用していないという。これは、他のハイパーコンバージドインフラや、セカンダリデータをコンバージするCohesity、Rubrikなどのベンダーとの競争に有利に働くだろう。
「SimpliVityは、ハイパーコンバージドインフラをサーバ内のストレージと考えている」と同氏は話す。「当社のハイパーコンバージドインフラ製品にはバックアップ、災害復旧、データ移動機能、データ効率化機能が全て備わっている。当社はデータライフサイクル全般にわたって重複除去を行う。他社のハイパーコンバージドインフラ製品は、バックアップなどにサードパーティー製の製品を使用している」(ケンペル氏)
ただ、SimpliVityは現在も、同社のアプライアンスにおけるSSD対応の遅れを挽回中だ。同社は2017年8月に初のオールフラッシュアプライアンスの提供を開始したが、HDDを搭載しないOmniCubeのオプションには限りがある。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
「Excel至上主義」の終わらせ方 丸2日の手作業地獄から情シスと現場を救うには
-
2
取手市がVDIと決別した理由 更改費用「4倍超」を約1.7倍に圧縮
-
3
「Microsoft 365のセキュリティ運用」に関するアンケート
-
4
急増する「AIはこう言ってる」マン 判断を狂わせる「AI忖度」を防ぐには?
-
5
221人調査で分かった「情シス最大のストレス」は?
-
6
「Salesforceのテスト自動化ツール」に関するアンケート
-
7
「データストレージの活用方法」に関するアンケート
-
8
「AI時代の統合基盤・エンタープライズAI管理」に関するアンケート
-
9
AIで人を減らした企業がもう心変わり 「AIブーメラン現象」の実態
-
10
自宅のWi-Fiが「遅い」「途切れる」本当の原因は? Dellが推奨する鉄則
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
年収2000万「クラウドセキュリティのプロ」になれる資格とは
-
2
セキュリティソフトをすり抜ける標的型攻撃メール、不審メールの見破り方とは?
-
3
Windows Updateの通信集中で回線が逼迫、ネットワーク刷新事例に学ぶ解決策
-
4
財務を戦略的組織へ進化させるAI活用術、4つの主要な障壁と解消方法
-
5
「NAS」「SAN」「DAS」は何が違う? いまさら聞けないストレージの基礎
-
6
“あのファイル転送”で暗躍するノーウェアランサム
-
7
標的型攻撃メールを見破るには? サンプル文面を例に傾向を解説
-
8
商用利用の安全性を確保し大量のコンテンツを高速で生成する、AI活用の秘訣
-
9
マンガで解説、1日で生成AI環境を構築できるワークショップの中身とは?
-
10
Dark AIが台頭する時代の新発想、「より高度なAIで対抗する」具体的方法とは?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー