ハイパーコンバージドインフラ比較【前編】
ベンダーに言い負かされないためのハイパーコンバージド選びのコツ
複雑怪奇なハイパーコンバージドインフラの選択作業は険しい道のりになる。ベンダーの膨大なラインアップに圧倒されず自分たちにベストな製品を選ぶために必要な「検討のガイドライン」を紹介しよう。
HCI(ハイパーコンバージドインフラ)のベンダー製品の選択肢は非常に多く、新製品も続々と市場に登場している。自社に最適なハイパーコンバージド製品の選定は気が遠くなるような難題だろう。
そこで、この記事ではHCIベンダーが提供する製品を7つの基準で評価する。評価において重要なのは、HCIの目的を把握しておくことだ。それは、コンピューティングアーキテクチャとストレージアーキテクチャの簡単な導入と運用開始だ。HCIには拡張性を制限したシンプルな構成のモデルもあれば多様な拡張性を備えるモデルもある。中には、データベースアクセス、仮想デスクトップインフラ(VDI)、サーバ統合など特定用途に特化したモデルも存在する。
多くのHCIは、コンピューティング、ストレージ、ネットワーク機能を組み合わせた自社製のアプライアンスか、他社製アプライアンスを提供している。ただし、Hewlett Packard Enterprise(HPE)は例外で、同社が構築したサーバでHPEのソフトウェアを組み合わせて1つのHCIとしている。なお、今回取り上げた製品のベンダーは、そのほとんどが中小企業から大企業に至るあらゆる規模の企業をサポートしている。
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シンプルかつ複雑なHCI
ベンダー製品の機能や性能を調査してその内容を理解するにはITスキルと知識を必要とする。必要になる知識は、導入する業務で必要としているワークロードと製品の処理能力の比較がどれだけ簡単で明快にできるかによって変わる。
VMwareは同社の製品が最もシンプルだと主張している。ハイパーバイザーを制御下に置いて、ストレージと密接に結び付いたソフトウェアレイヤーを提供しているのがその根拠だという。だが、購入を検討する場合は、ハードウェア互換性リストの中からハードウェアを選ぶ必要があり、インテグレーターやハードウェアのメーカーと契約し、システムの統合について支援を受けなければならない可能性がある。支援を受けない場合は、既成のオプションから選ぶ。
HPEも自社の製品が最もシンプルだと主張する。その根拠は、自社製のハードウェアを提供しており、それがハイパーバイザープロバイダーのVMwareやMicrosoftの製品と密接に連携するからだ。ただし、HPEが提供している構成要素とオプションは膨大な数で、その中からシステムを構成しなければならない。コストも幅がある。HPEの製品は複雑に入り組んだオプションを提供しているが、それは、ユーザー企業が最適な組み合わせを利用できるように細かい選択肢を用意してからともいえる。
中小企業を重視するScale Computingは、シンプルな構成要素とオプションのコレクションを提供している。これらのオプションは、必要に応じて、ごく簡単に組み合わせて適合できる。
その他のHCIベンダーは、シンプル、または、複雑のどちらかに大きく偏ることはない。それでも、SimpliVityとStratoscale、Pivot3の製品は、シンプルな構成が主体で、MaxtaとHyperGrid(旧Gridstore)は、VMware、HPE、Nutanixと並んで複雑な構成となるだろう。
ベンダーが提供するHCI情報が分かりやすいか
各ベンダーの製品を詳しく調べる場合、必要かつ適切なサイズとパフォーマンスを突き止めるには、膨大な資料や情報に目を通すしかない。何を購入する必要があり、購入に至るまでにどれだけの調査が必要なのかの把握が、HCIの理解で最大の難関になるだろう。
HCIを検証するためにベンダーが提供している情報において、Scale Computingは極端にシンプルでオプションが少ない。SimpliVity、Stratoscale、HyperGrid、Maxta、Pivot3が提供する情報も、シンプルでコンパクトといえるだろう。HPEもシンプルでコンパクトだが、前述の各企業にはやや及ばない。その唯一の理由は、HPEが顧客に提供している多様なオプションをサポートするために必要な情報や資料が多いことだ。HPEが用意するオプションの数を考えれば、シンプルでコンパクトと評価してもいいだろう。シンプルでコンパクトという観点から離れているのがNutanixとVMwareだ。購入企業は、必要なオプションを決めるときに数多くの選択を迫られる。その選択のためには大量の資料を確認して理解し、それから熟考しなければ購入できない。
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