米SimpliVityや米Nutanix、米VMwareのハイパーコンバージドインフラ製品は、購入前にリソース構成やスケーラビリティを理解する必要がある。
ハイパーコンバージド(超垂直統合型)インフラストラクチャの主要ベンダーである米SimpliVity、米Nutanix、米VMwareは、いずれも高いスケーラビリティを提供するように製品を設計しているが、各社の製品には顕著な違いがある。
ハイパーコンバージドインフラは、アプリケーションやサービスの柔軟な拡張ができるように、サーバやストレージからハイパーバイザーベースの仮想化基盤まで、ITコンポーネントが全てパッケージ化されている。そのため、従来の物理システムとOSインスタンスの間にあった1対1の関係はなくなっている。こうしたハイパーコンバージドインフラは、パッケージとして1社のベンダーから一括して調達される。導入するのに労力や専門ノウハウはほとんど要らない。従来のハードウェアプラットフォームは、スケールアップするには大掛かりな入れ替えや増強が必要であり、そのコストは通常、非常に高くついた。
物理データセンターでも仮想データセンターでも、運用や拡張を行うにはリソースが必要になる。システムが処理できるワークロードや提供できるスケーラビリティは、コンピュータキャパシティー(処理能力とメモリ)やストレージ、ネットワーク帯域幅に左右される。ハイパーコンバージドインフラの購入者はSimpliVity、Nutanix、VMwareの製品のプロセッサ数および能力や、システム当たりのノード数などを比較して、各社の製品のスケーラビリティを判断する必要があるだろう。本稿では、各社が手掛ける最も強力なシステムに焦点を当て、それぞれを比較する。
Nutanix、SimpliVity、VMwareは、いずれも仮想環境として「VMware ESXi」をサポートしている。Nutanixは「Microsoft Hyper-V」と「Nutanix Acropolis Hypervisor」もサポートしている。
各社のハイパーコンバージドインフラは全てIntelベースだが、幅広い現行CPUを採用している。VMwareとNutanixの製品はIntelのサーバ向けプロセッサ「Xeon E5」を搭載する。搭載されるXeon E5は、「Ivy Bridge」マイクロアーキテクチャに基づくもの(第3世代Intel Coreプロセッサ)と、「Haswell」マイクロアーキテクチャに基づくもの(第4世代Intel Coreプロセッサ)に大別される。SimpliVityの製品もXeon E5を搭載しており、主な内訳はXeon E5-2600 v2(Ivy Bridgeベース)、Xeon E5-2600 v3(Haswellベース)だ。
SimpliVityのハイパーコンバージドインフラ「OmniCube」は、それぞれキャパシティーが異なる6つのアプライアンスモデルが用意されている。OmniCubeは1台のアプライアンスで1つのコンピューティングノードを提供するのに対し、NutanixとVMwareの製品の一部のモデルは、1台で最大4つのノードを提供する。
OmniCubeの最上位モデル「OmniCube CN-5400」は、Xeon E5-2600 v3プロセッサを2個(最大28コア)搭載、メモリの使用可能容量は1400Gバイト、ストレージは400GバイトのSSDを4基と1.2TバイトのHDDを20基、ネットワーク容量は最大で10ギガビットイーサネット(GbE)×4、1GbE×2となっている。
Nutanixのハイパーコンバージドインフラ「Nutanix Xtreme Computing Platform」は、多様なシステム構成で提供されている。10モデルがラインアップされており、モデルによってアプライアンス1台に最大1、2、または4ノードを搭載できる。これらのモデルは、さまざまな環境に応じてリソースを調整できるように設計されており、あるモデルが別のモデルと比べて全てのリソースをより多く提供する設計にはなっていない。
Xtreme Computing Platformの各リソースについて、1ノード当たりの最大搭載量を見ると、プロセッサコア数は36(Haswellプロセッサ2個)、メモリは768Gバイト、ストレージ容量(SSDとHDDの合計容量が最大となる組み合わせ)は1.6TバイトのSSDが1基と6TバイトのHDDが5基、ネットワーク容量は10GbE×4となっている。搭載量が最大のモデル(ノード)はリソースにより異なる。Xtreme Computing Platformでは、全てのリソースにわたって最大量を提供するように構成された超強力な単一のアプライアンスモデルはないようだ。
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