ハイパーコンバージドの主要3製品比較: Nutanix vs. VMware vs. SimpliVityスケーラビリティはどれも十分(2/2 ページ)

2015年09月10日 12時00分 公開
[Kevin TollyTechTarget]
前のページへ 1|2       

VMwareの「EVO:RAIL」

 VMwareは仮想化の分野では、以前から多くの環境で製品が使われている大手ベンダーだ。同社のハイパーコンバージドインフラへのアプローチは、NutanixやSimpliVityとは異なっている。VMwareが手掛ける「EVO:RAIL」は、同社が自社ブランドのハードウェアとして販売しているわけではない。米Dellや米Hewlett-Packard(HP)、米Super Micro Computer(Supermicro)といったパートナーが、VMwareの仕様に基づいてハイパーコンバージドインフラパッケージとして販売している。

 EVO:RAILは、1つのクラスタを最大8台までのアプライアンスでスケールアウトし、合計32台のESXiベースの仮想ホストをサポートできる。

 1ノード当たりの構成は、Xeon E5プロセッサ(Ivy BridgeまたはHaswellベース)2個(12コア)、192Gバイトのメモリ、400GバイトのSSDと3.6TバイトのHDD、ネットワークは10GbE×2、1GbE×1(管理ポート)となっている。

Nutanix vs. VMware vs.SimpliVity

 3社はいずれも広範な機能をサポートしているが、各社の製品には考慮すべき違いがある。VMwareは広く知られている大手仮想化ベンダーだが、ハイパーコンバージドインフラ分野では比較的新顔で、EVO:RAILを発表したのは2014年のことだ。NutanixとSimpliVityは2009年設立で、ソフトウェア定義(Software Defined)のハイパーコンバージドアプライアンスの構築に特化してきた。

 本稿執筆時点で、VMwareはEVO:RAILで9社のハードウェアパートナーと組んでいる。これに対し、NutanixのパートナーはDellのみ。「パートナーのベンダーが1社だけなので、使いやすさと統合の質に集中的に取り組める」というのがNutanixの主張だ。IT部門はNutanixアプライアンスをDellから直接購入しており、これはDellの既存顧客にとって、ハイパーコンバージドインフラへの移行が効率的に進む可能性があるということだ。

 NutanixとSimpliVityの製品は、現時点でEVO:RAILにはない高度な機能も提供している。データの重複排除や圧縮/圧縮解除といった機能は、ストレージの必要容量やアプリケーションのパフォーマンスに大きな影響を与える。なお、米EMCが販売するEVO:RAILはストレージ管理機能を提供するが、他のEVO:RAILは提供しない。あなたの会社のデータ環境が高度な管理の恩恵を受けるなら、歴史の長いハイパーコンバージドインフラベンダーであるNutanixとSimpliVityや、競合他社の製品を詳しく調査するとよい。

 ハードウェアの観点で見ると、VMwareのEVO:RAIL、SimpliVityのOmniCube、NutanixのXtreme Computing Platformは、いずれも高いスケーラビリティを提供する。VMwareなどの仮想化プラットフォームは、物理リソースの割り当てと再割り当てを動的かつスムーズに行う機能が既に実証されている。それらを採用したこうした最新のハイパーコンバージドインフラ製品は、どのようなビジネス環境の要求も満たせそうだ。その威力から見ても、ほとんどのユーザーにとって3社の製品のスケーラビリティは、いずれも十二分だろう。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

前のページへ 1|2       

鬯ョ�ォ�ス�エ�ス�ス�ス�ス�ス�ス�ス�ス�ス�ス�ス�ー鬯ッ�ィ�ス�セ�ス�ス�ス�ケ�ス�ス邵コ�、�つ€鬯ゥ蟷「�ス�「髫エ蜿門セ暦ソス�ス�ス�ク髯キ�エ�ス�・�ス�ス�ス�。鬯ゥ蟷「�ス�「�ス�ス�ス�ァ�ス�ス�ス�ス�ス�ス�ス�、鬯ゥ蟷「�ス�「髫エ荳サ�ス隶捺サゑスソ�ス�ス�ス�ス�ス�ス�ス鬯ゥ蟷「�ス�「髫エ雜」�ス�「�ス�ス�ス�ス�ス�ス�ス�シ鬯ゥ蟷「�ス�「髫エ荵暦ソス�ス�ス�ス�サ�ス�ス�ス�」�ス�ス�ス�ス�ス�ス�ス�ス

市場調査・トレンド レッドハット株式会社

「98%が“脱VMware”を検討」の衝撃 仮想インフラ再編の行方とは

Broadcomによる買収後、VMware離れの動きが進んでいる。AWSやRed Hatなどの競合ベンダーは“ポストVMware”の受け皿としてどのような施策を打ち出しているのか。仮想インフラ再編の行方を考察する。

製品資料 SB C&S株式会社

Windows Server 2025が備える、複数の仮想マシンでGPUを共有する技術とは?

Windows Server 2025では、Hyper-Vの利便性が大幅に強化された上に、リソースの拡張性や高可用性の機能に加えてGPUパーティショニング機能も標準搭載している。本資料では、GPUパーティショニング機能の概要や設定方法を解説する。

事例 レッドハット株式会社

コンテナとVMを1つのクラスタ上で実行、米国防総省に学ぶIT運用最適化のヒント

従来型の仮想化プラットフォームへの過度な依存が原因で、柔軟性の低下や、モダナイゼーションの停滞といった問題に悩んでいた米国の国防総省。そこで採用されたのが、コンテナとVMを1つのクラスタ上で実行できる統合プラットフォームだ。

製品資料 レッドハット株式会社

仮想マシンのクラウドシフトとクラウドネイティブ化がもたらす15のメリット

これまで仮想化技術は、システム運用の効率化やコストの最適化などさまざまなメリットをもたらしてきた。しかし現在、仮想化基盤は拡張性やアジリティなどのメリットを享受するためにクラウドシフトが求められている。

事例 INFINIDAT JAPAN合同会社

稼働後3年も障害なし、NTTコミュニケーションズのデータ活用を支えるストレージ

データ分析・利活用のニーズが高まる中、アクションのベースとなるデータも膨大な容量となり、今後も増え続けていく見通しだ。そうなると、各企業はデータ利活用基盤として、信頼性や拡張性の高いストレージを求めるようになるだろう。

驛「譎冗函�趣スヲ驛「謨鳴€驛「譎「�ス�シ驛「�ァ�ス�ウ驛「譎「�ス�ウ驛「譎「�ソ�ス�趣スヲ驛「譎「�ソ�スPR

From Informa TechTarget

いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは

いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは
遠隔のクライアント端末から、サーバにあるデスクトップ環境を利用できる仕組みである仮想デスクトップ(仮想PC画面)は便利だが、仕組みが複雑だ。仮想デスクトップの仕組みを基礎から確認しよう。

繧「繧ッ繧サ繧ケ繝ゥ繝ウ繧ュ繝ウ繧ー

2025/06/01 UPDATE

ハイパーコンバージドの主要3製品比較: Nutanix vs. VMware vs. SimpliVity:スケーラビリティはどれも十分(2/2 ページ) - TechTargetジャパン 仮想化 髫エ�ス�ス�ー鬨セ�ケ�つ€鬮ォ�ェ陋滂ソス�ス�コ�ス�ス

TechTarget驛「�ァ�ス�ク驛「譎「�ス�」驛「譏懶スサ�」�趣スヲ 髫エ�ス�ス�ー鬨セ�ケ�つ€鬮ォ�ェ陋滂ソス�ス�コ�ス�ス

鬯ゥ蟷「�ス�「髫エ蜿門セ暦ソス�ス�ス�ク髯キ�エ�ス�・�ス�ス�ス�。鬯ゥ蟷「�ス�「�ス�ス�ス�ァ�ス�ス�ス�ス�ス�ス�ス�、鬯ゥ蟷「�ス�「髫エ荳サ�ス隶捺サゑスソ�ス�ス�ス�ス�ス�ス�ス鬯ゥ蟷「�ス�「髫エ雜」�ス�「�ス�ス�ス�ス�ス�ス�ス�シ鬯ゥ蟷「�ス�「髫エ荵暦ソス�ス�ス�ス�サ�ス�ス�ス�」�ス�ス�ス�ス�ス�ス�ス�ス鬯ゥ蟷「�ス�「髫エ雜」�ス�「�ス�ス�ス�ス�ス�ス�ス�ゥ鬯ゥ蟷「�ス�「髫エ雜」�ス�「�ス�ス�ス�ス�ス�ス�ス�ウ鬯ゥ蟷「�ス�「�ス�ス�ス�ァ�ス�ス�ス�ス�ス�ス�ス�ュ鬯ゥ蟷「�ス�「髫エ雜」�ス�「�ス�ス�ス�ス�ス�ス�ス�ウ鬯ゥ蟷「�ス�「�ス�ス�ス�ァ�ス�ス�ス�ス�ス�ス�ス�ー

2025/06/01 UPDATE

ITmedia マーケティング新着記事

news017.png

「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。

news027.png

「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。

news023.png

「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...