急拡大するハイパーコンバージド、各社製品の機能と特徴は?仮想デスクトップの一元管理に変革(1/2 ページ)

コンバージドシステムやハイパーコンバージドシステムは、IT環境をシンプルにしてパフォーマンスを向上する。本稿では自社のデータセンターにハイパーコンバージドインフラが適切かどうか判断する方法を紹介する。

2017年04月25日 12時00分 公開
[Clive LongbottomTechTarget]
ハイパーコンバージドインフラの特徴(TechTargetジャパン記事「ズバリ、ハイパーコンバージドを導入する3つのメリット」から)《クリックで拡大》

 コンバージドインフラは、さまざまなテクノロジーのプラットフォームを1つの最適化したシステムにまとめたものだ。このアーキテクチャが誇る高いレベルのパフォーマンスは、特筆すべきメリットの1つだろう。しかし、それは企業にとって何を意味するのだろうか。そして、コンバージドインフラテクノロジーはいつ導入すべきなのだろうか。

サーバ&ストレージ ナビ

ハイパーコンバージドインフラ


 まず、コンバージドインフラという名称に関する問題がある。ストレージメーカーは、ストレージアレイに加えて一定のコンピューティング機能のある製品を対象とするために「コンバージドインフラ」というシンプルな名称を使う傾向がある。だが、Microsoftの「Microsoft Exchange Server」やSAPの製品など、一般的なワークロードを実行するのに十分なコンピューティング機能がないシンプルなコンバージドインフラプラットフォームには、データ圧縮や重複解除、バックアップ、スナップショットなど、アレイ周りのインテリジェンスを実行できる程度のコンピューティング機能しか備わっていない。

 他のベンダーはこの状況を次の段階に推し進めている。ここで登場するのがハイパーコンバージドインフラシステムだ。ハイパーコンバージドインフラは、コンピューティング、ストレージ、ネットワークを備えた完全なシステムで、この3つの要素が最高のパフォーマンスを実現するためにまとめて設計されている。

 ハイパーコンバージドインフラ市場に早くから参入していた企業には、Scale Computing、Nutanix、SympliVity、Pivot3などがある。なお、SympliVityは2017年1月にHewlett Packard Enterprise(HPE)によって買収されている。さらに、Dell、Lenovo、HUAWEI、Cisco Systemsといった大手企業も商機を逃していない。Dellはハイパーコンバージドシステムのシャシー「FX2」を提供しているだけでなく、EMCの買収により同社のハイパーコンバージドインフラ「VCE VxRack」を獲得している。HPEはSimpliVityを買収する前から、自前のハイパーコンバージドシステムを持っていた。それから、Cisco Systemsには独自の統合コンピューティングシステムがある。それ以外のベンダーはパートナーシップを結び、各社の認定サーバ、ストレージ製品、ネットワークアーキテクチャがPivot3やSimpliVityなどが開発したソフトウェアに対応するようにしている。

流行の最先端

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

       1|2 次のページへ

From Informa TechTarget

お知らせ
米国TechTarget Inc.とInforma Techデジタル事業が業務提携したことが発表されました。TechTargetジャパンは従来どおり、アイティメディア(株)が運営を継続します。これからも日本企業のIT選定に役立つ情報を提供してまいります。

ITmedia マーケティング新着記事

news079.jpg

CMOが生き残るための鍵は「生産性」――2025年のマーケティング予測10選【中編】
不確実性が高まる中でもマーケターは生産性を高め、成果を出す必要がある。「Marketing D...

news023.jpg

世界のモバイルアプリ市場はこう変わる 2025年における5つの予測
生成AIをはじめとする技術革新やプライバシー保護の潮流はモバイルアプリ市場に大きな変...

news078.png

営業との連携、マーケティング職の64.6%が「課題あり」と回答 何が不満なのか?
ワンマーケティングがB2B企業の営業およびマーケティング職のビジネスパーソン500人を対...