ストレージテクノロジーの2017年話題のトレンド【後編】
NVMe対応で復活するファイバーチャネル、SDSはハードの「価格下落」が追い風に(3/3 ページ)
32Gbpsファイバーチャネル
ストレージテクノロジーで現在進んでいるトレンドの大部分は、ファイバーチャネル(FC)にとって不利に働いている。ハイパーコンバージドインフラやクラウドなど、最新のアーキテクチャにはイーサネットが使用されており、FCはほとんど必要とされていない。また、ファイルベースの非構造化データ用ストレージでもイーサネットが非常に重要になっている。非構造化データは、FC SANを必要とする場合が多いブロックベースの構造化データをはるかに上回る速さで増加中だ。FCネットワーク企業は一握りしか残っておらず、そうした企業は全てイーサネットもサポートしている。
その反面、フラッシュの存在がある。FCのベンダーとヘビーユーザーは、オールフラッシュストレージSANが急速に増加することで、FCの重要性が保たれることに期待を寄せている。16Gbps機器から32Gbpsのスイッチとアダプターへとプロトコルを移行している状況では特にそうだ。こうした変化が2017年後半に市場で大きく進む可能性が高く、そうなればFCを勢いに乗せる新たな波が生じることになる。
「ストレージパフォーマンスのボトルネックは、アレイからストレージネットワークに移っている。そのため今後10年間は、FCがデータセンターにとって最適なストレージプロトコルにとどまることになる」とGartnerでリサーチ部門のディレクターを務めるバルディス・フィルクス氏と、同部門の統括責任者を務めるスタンレー・ザフォス氏は、「Future of Storage Protocols」(ストレージプロトコルの未来)と題された最近の報告書で述べている。
現在はフラッシュが採用される場合が多い。また、NVMeが登場し、IntelとMicron Technologyが共同開発した「3D XPoint」も目前に控えている。そのような状況もあって、SSDはHDDに比べて非常に高いスループットが実現され、レイテンシも低くなる。だが、ストレージメディアのパフォーマンスがこのような最高レベルにまで達すると、ストレージネットワークの帯域幅がさらに必要になる。
フィルクス氏とザフォス氏は、16Gbpsイーサネットはもちろん、40Gbpsイーサネットでさえ、速度が遅すぎて次世代SSDには対応できなくなると補足する。そのため、5年以内に32GbpsFCと100Gbpsイーサネットに移行することを推奨している。
初期の32GbpsFC製品は2015年に発売された。Brocade Communications Systems(Brocade)やCiscoのスイッチや、BroadcomやQLogicのアダプターなどがその例だ。ストレージアレイベンダーが32Gbpsをサポートすることになれば、32GbpsFCの採用が軌道に乗ると予測されている。ストレージアレイベンダーは2017年に有意義な形で32Gbpsをサポートすると考えられる。
BroadcomはFCネットワーク業界の統合を進めており、59億ドルでBrocadeの買収に乗り出している。この買収は2017年の初頭に合意に達すると見込まれている。
BroadcomのCEOホック・タン氏によると、同社はFCへの投資を継続するという。「オールフラッシュを信じるならFCを信頼するしかない。現在でさえ、iSCSIとイーサネットではFCほどの信頼性は得られない。FCはFC SANの大規模インストールベースを備えたプライベートデータセンターをサポートしており、FC SANは定期的にアップグレードされる。そのため、この市場は比較的安定した状態が維持されると予測している」(タン氏)
16Gpsから32Gbpsへの移行とフラッシュの存在により、このようなアップグレードは活発に行われると見込まれている。
Gartnerは、最新のプロトコルが一般に提供されてから1年間の状況を“観察”した上で、新しいプロトコルに移行することを勧めている。その期間に価格が下がり、初期の欠点が解消され、ストレージおよびサーバとスイッチの完全な互換性が実現される。だが、32GbpsFCを早くから導入すると、新しいスイッチ製品を用意しても、16Gbpsや8Gbpsにしか対応していない現在のストレージとサーバを引き続き使用することになりかねない。1年間の待機時間があれば、64Gbpsと128GbpsのFC機器に向けた計画も調査できる。
Ciscoのストレージグループで製品管理部門のシニアマネジャーを務めるアダッシュ・ビスワナータン氏は、2017年末に32GbpsFCが急増すると予想している。それまでには、ストレージアレイベンダーで32Gbpsが完全に採用されることになる。「Ciscoが対応している大口顧客の多くはオールフラッシュアレイの運用環境を利用しており、ミッションクリティカルなワークロードはFCを経由してフラッシュ上に配置している。フラッシュベンダーは32GbpsFCに対応可能だ。2017年後半にFCは大きなけん引力を得ることになると考えている」
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