モバイル生体認証の進歩とリスク
複製した指紋でなりすまし可能? 「生体認証は絶対安全」とは言い切れない理由(2/2 ページ)
モバイル生体認証が論争を巻き起こしている理由
モバイル生体認証がセキュリティと作業効率にもたらすメリットは、その新しさも相まって、IT管理者を魅了する。だがモバイル生体認証には幾つかの問題がある。
その1つは、正当なエンドユーザーにもかかわらず、アクセスを許可しない誤検知の問題だ。この問題は、スキャナーの表面に傷が付いていたり、スキャナーの表面が汚れていたり、エンドユーザーの外見が変わったりした場合に発生する。
IT管理者は、特定の生体要素が複製できることも認識しておかなければならない。主要な顔認証ソフトウェアによるモバイルデバイスのロックは、そのデバイスのエンドユーザーの写真を使用して解除できるケースがある。他の生体認証も同様の弱点を抱える。大抵の音声認証は、録音した音声で突破できる。どこかに残した指紋は、犯罪者によって悪用されかねない。
モバイル生体認証は、一度破られたら取り返しが付かないことも問題だ。ほとんどの認証システムは、パスワードが破られた場合に新しいパスワードへリセットできるようにしている。生体認証の場合、IT管理者が従業員のDNAをリセットすることはできないので、新しい認証手段を見つける必要がある。その作業は困難で時間がかかることが多い。
モバイル生体認証の補強手段
モバイルセキュリティのベストプラクティスの1つは、複数の認証要素を組み合わせる「多要素認証」を採用することだ。多要素認証方法では大抵の場合、エンドユーザー自身の固有要素(指紋や網膜など)や知識要素(初めて飼ったペットの名前など)を組み合わせる。追加の認証要素として、従業員の所有要素(USBメモリ型の一意なハードウェアトークンなど)を組み合わせることもできる。
一意なパターンや速さというメリットを考えると、モバイル生体認証だけあればよいと考える企業もあるだろう。だが、より強固なセキュリティを実現するには、エンドユーザーにとってもIT管理者にとっても、多要素認証を利用するのが賢明だ。
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