2要素認証が突破される可能性も
「Gmail」に新たな脅威、“偽ログイン画面”でアカウント情報がダダ漏れの危険(1/2 ページ)
「Gmail」経由でGoogleアカウント情報を不正に入手する新たなフィッシング詐欺が発生した。その手口は単純にも見えるが巧妙で、気付くのが難しいという。
Googleのメールサービス「Gmail」を悪用した、非常に巧妙な新しいフィッシング詐欺が広がりをみせている。このGmailフィッシング詐欺は、幾つかの段階を踏んでエンドユーザーの「Googleアカウント」(Googleサービス用のアカウント)を入手する。攻撃者はまず、PDFファイルが添付されているかのようにみえるメールを送り付ける。エンドユーザーがPDFファイルの内容をプレビューしようと、PDFファイルのアイコン(実際は画像ファイル)をクリックすると、Googleの通常のログインページを模した偽の画面が表示される。
コンテンツ管理システム(CMS)「WordPress」向けのセキュリティプラグインを開発するWordfenceの創業者兼CEO、マーク・マウンダー氏によれば、このGmailフィッシング詐欺で巧妙なのは次の点だという。
「文字の色」が重要に
GoogleのWebブラウザ「Chrome」では、HTTPSページを開いた際、アドレスバーのURLに含まれる「https」という文字列を緑色や赤色に変えて表示するため、リンクの安全性の判断材料となる。だが今回の攻撃では、アドレスバーに正当なアドレスを思わせる「https://accounts.google.com」という文字列が表示されるにもかかわらず、このうちの「https」の色が変わらない。「URLは黒一色で表示される。だからこそ、この攻撃はこれほど効果的なのだ」とマウンダー氏は説明する。
マウンダー氏によると、ユーザーインタフェース(UI)の設計や人間の知覚においては、視覚的に同一の特性を持つ要素同士の方が、特性の異なる要素同士よりも、関連したものとして認識されやすい。今回のフィッシング詐欺の場合、アドレスバーの先頭に「data:text/html」という、通常のWebサイト閲覧では見られない文字列が表示される。だが次に続く「https」以降のURLも含めて、全て黒一色で表示されるため、私たちはこれらの要素を互いに関連したものとして認識してしまう。その結果「“data:text/html”の部分については特に気にせずに信頼してしまう」(同氏)というのだ。
ソースコード共有サービス「GitHub」に投稿されたコメントによると、Googleの担当者は2016年、フィッシング詐欺対策としてURL表示方法の改善を提唱していた。だがGoogleは「もっと対策を講じる必要があった」とマウンダー氏は指摘する。例えばエンドユーザーが不正な活動に気付きやすくするために「data:text/html」という文字列の色を変える、といった対策だ。
Googleの広報担当者によれば、同社はこの問題を認識しており、今後も対策を強化していく方針だという。同社は現在でも、エンドユーザーをフィッシング詐欺から守るために、以下のような対策に取り組んでいる。「2段階認証(2要素認証)を有効にすれば、さらにしっかりアカウントを保護できる」とGoogleは声明で述べている。
- 機械学習を利用したフィッシングメールの検出
- 危険なWebサイトを警告する「Safe Browsing」の提供
- アカウントへの疑わしいサインインの阻止
セキュリティ企業Digital Shadowsの戦略担当副社長リック・ホランド氏によると、フィッシング詐欺対策として従業員に不正URLの問題を教育しても、その効果はわずかだという。「エンドユーザーが書式から不正URLを見分けられるかという点では、あまり期待しない方がいい」(同氏)
このGmailフィッシング詐欺は巧妙な不正URLを抜きにしても、気付くのが難しいとマウンダー氏は説明する。攻撃者が用意した偽サイトが、Googleのサインインページと全く同じように見えるだけではない。攻撃者はエンドユーザーが入力した情報をリアルタイムで監視し、不正ログインを試みているとみられるという。
「攻撃者によるアカウントへのサインインは非常に迅速だ。自動化されているか、不正アクセスと同時にアカウントにサインインできるようチームが待機している可能性がある」とマウンダー氏は説明する。
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