ビジネスを左右する重要な決定
ソフトウェアの“更新と置き換え”問題、CFOが着目すべきポイントとは(2/2 ページ)
青写真を作る
Silicon Valley Bankの最高技術責任者(CTO)であるマイロ・スプレーグ氏は、ソフトウェアの更新と置き換えの問題についてポートフォリオの観点から見ることが多いという。例えば、金融ソフトウェアについて検討する場合、スプレーグ氏は、CFOや主任会計役員、それぞれのチーム、主題の専門家を召集する。彼らはアプリケーションをくまなく確認して、5年間のロードマップをまとめる。「つまり、このロードマップは現在持っている機能だけではなく、これから必要になる機能も網羅している」とスプレーグ氏は語る。同氏は、同行の技術戦略を設定して最高情報責任者(CIO)に報告する任務を担っており、この場で戦略的な会話と協議をすると話している。
青写真を作成したら、個々の意思決定に優先順位を設定する。そして3つのチームが1つの投資対効果検討書を策定する。この投資対効果検討書は、青写真を構成する要素の金銭的な価値だけでなく、目指しているアーキテクチャとの整合性の両方を考慮したROI計算が含まれる。
Cimpressに限らず、クラウドコンピューティングは、エンタープライズインフラの構築方法において大きな役割を果たすようになっている。スプレーグ氏によると、2011年の時点でSilicon Valley Bankは、3つのSoftware as a Service(SaaS)プラットフォームしか使用していなかった。だが5年後の2016年には、その数が85個まで増え、同行のアプリケーションポートフォリオの約20%を占めるようになっている。「従来のシステムは、次のバージョンができるとすぐに時代遅れになり、ソフトウェアのカスタマイズが必要になる。クラウドのメリットは、プラグイン/プラグアウト機能と構成を提供する標準APIがあることだ」とスプレーグ氏は指摘する。「SaaS専門のプロバイダーは、顧客によるサービスのカスタマイズを許可していない」(スプレーグ氏)
クラウドの導入増加により、インフラをまとめる作業が非常に大きなプロジェクトの1つになっている。「当行のクラウド戦略は、統合がIT部門の作業の中心になっている」とスプレーグ氏は言う。
ソフトウェアについての簡単な質問
MIT Sloan CFO Summitでパネリストを務めた何人かは、更新か、置き換えかを決定するときに問うべき重要な質問は、最も基本的な質問であると話す。SAPでグローバルラインのビジネスファイナンス部門のバイスプレジデントを務めるランディー・カリソン氏は、「意思決定に必要なものを持っているか」という質問が重要な原動力になるという。また、EyeGate PharmaceuticalsのCFOであるライアン・ブレネマン氏は、「そのシステムを使用してビジネスに必要なことをできるかどうかの一言に尽きる」と語る。
ブレネマン氏は、目の病気と障害の治療に注力する15人の社員が働くスタートアップ企業のEyeGateに入社したときに、ソフトウェアの更新と置き換えの問題に直面した。具体的には、Sageの会計と給与のソフトウェアが満足できる水準に達しているのかという問題だった。「基本的に満足できる水準に達していないと判断するのに、CTOの助けは必要なかった」とブレネマン氏は話す。ブレネマン氏はSageのソフトウェアを破棄して、彼が使い慣れていたシステムである「Microsoft Dynamics GP」(Dynamics GP)に切り替えることを決めた。Dynamics GPはすぐに実装されて、11月初めには稼働していた。
「情報は確かに重要だが、それよりも重要なものもある」とブレネマン氏は述べる。「プロジェクト管理会社は、プロジェクトレベルで保存した全種類の情報を保有し、レポートを処理できるように、会計システムに情報を送信している。Dynamics GPは、そのようなことが可能なのだろうか。また人の手で情報をシステムに送信できるようにする方法を見いだせるのだろうか。当社では、このような問題に直面した」(ブレネマン氏)
Dynamics GPでは細かい調整をしなくても必要な機能の80~90%が使用できるとブレネマン氏は予想している。「複雑なカスタマイズをなるべくしないで、通常のビジネスオペレーションをサポートできる状態に会計システムを可能な限り持ってきたい」とブレネマン氏は話す。
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