速過ぎても遅過ぎてもダメ
DevOps移行で陥る「4つのありがちな失敗」と解決策
プロジェクト管理スキルの低さ、計画の取りこぼし、短絡的なスタッフのいずれかを伴うと、DevOps環境への移行は大きな失敗につながる恐れがある。
DevOpsは企業のアプリケーション開発チームとシステム運用チームが行う作業を調和させる。しかし、この明快な定義は、DevOps環境立ち上げの複雑さを歪曲(わいきょく)して伝えている。実際、DevOps環境への移行において、最高情報責任者(CIO)は、さまざまな問題に直面する可能性がある。インフラやテスト環境の不備など技術的な問題もあれば、速さを過大評価する一方で品質を過小評価するなど文化的な問題もある。それから、経営幹部のサポートが得られないなど管理面に関する問題もあるだろう。
本稿では、DevOps環境への移行時にやりがちな4つの失敗と、それらを回避する方策について説明する。
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失敗1:DevOpsという肩書に目がくらむ
IT幹部がDevOps機能を構築したいと考えたときには、DevOpsエンジニアの雇用に走ることが往々にしてある。だが、DevOpsエンジニアの雇用から始めるのが必ずしも最良の選択肢であるとは限らない。「一般的にDevOpsエンジニアは、DevOpsについて偏ったスキルセットを持っている。具体的には、運用に関心を寄せているか、開発を好んでいるかのどちらかだ」。技術系の人材派遣会社Mondoの技術職リクルーティング部門でジュニアチームリードを務めるシャロム・バーコウィッツ氏は、こう話す。
まずDevOps環境を完成させるのに必要なスキルを評価し、候補者を探す際には必要なスキルに注意を向ける必要がある。つまり、DevOpsという漠然としたポジションで採用したり、採用候補者が自社のニーズに合った経験を積んでいると決めてかかったりするべきではない。「Linux」の経験、「Ruby」の知識またはPuppet Labsの構成管理ツール「Puppet」における確かな実績が必要などと具体的な要件を明記しなければならない。
失敗2:計画を無視する
非営利事業者団体のCompTIAで製品部門のシニアディレクターを務めるジェームス・スタンガー氏は「作業がサイロ化された従来型のウオーターフォールモデルに規則正しさがあることは否定できない」と述べている。
「これはDevOpsと対照的だ。なぜなら、DevOpsでは“全てのメンバーが全メンバーの作業に関与する”ため、本質的にまとまりなく見える可能性があるからだ」(スタンガー氏)
このため「無秩序な状態と筋道立てた開発の問題が生じる恐れがある」とスタンガー氏は言う。DevOpsでは、全メンバーが良いと考えた案を後から加える可能性があるため、仕様が変更されかねない。
「メンバーは、もはや筋道や計画はなく、総がかりで働いているだけと考えるようになるだろう」(スタンガー氏)
DevOps環境では、マネジャーが綿密なプロジェクト管理の指針を順守し、ガイドラインや納期を確実に守ることで、プロジェクトが手に負えなくなる状況を防ぐ必要がある。
失敗3:DevOpsに移行する程度とスピードが度を越えている
451 ResearchでDevOpsとIT運用チャネル部門の主席アナリストを務めるジェイ・ライマン氏は、「DevOpsチームが必要な経験や知識を蓄積する前に、DevOpsの原則をあまりに多くのプロジェクトや複雑なプロジェクトに適用している企業が見られる」と明かす。
同氏は、最初は新しい構想やアプリケーションといった小規模で簡単なプロジェクトにDevOpsを適用して必要なスキルやプロセスを鍛えるよう企業に助言しているという。
ライマン氏は次のように話す。「Web運用やモバイルアプリケーション開発は性質上反復が速く、既にDevOpsの原則を使用している。そのため、Web運用チームやモバイルチームの戦略を拝借した多くの企業は、早期に成功を収めている」
失敗4:フィードバックループを失念する
「フィードバックループはDevOpsを後押しするが、データベース管理者やセキュリティ担当者といった重要な関係者が、このループから除外されることがある。その結果、最終成果物に不備が出る」とライマン氏は話す。
ライマン氏は次のように続ける。「これらの関係者を巻き込むことはDevOpsの改善には不可欠だ。フィードバックループに欠損があってはならない」
スタンガー氏も次のように主張している。「企業は、DevOpsに関わる人員がフィードバックの重要性を理解するように働きかけ、フィードバックを根拠のない批判と受け取らないようにする必要がある」
「フィードバックは決してネガティブなものではなく、改善すべき点に対処するためのチャンスと捉えなければならない」(スタンガー氏)
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