防塵/防水があれば完璧だった
徹底レビュー:ダブルレンズカメラ搭載の頑丈スマホ「HUAWEI Mate 9」(4/4 ページ)
HUAWEI Mate 9のカメラ
ダブルレンズカメラ普及の立役者は、Appleの「iPhone 7 Plus」である。だが、HTC、LG、HUAWEIは、はるか昔の2011年にリリースした風変わりな3Dスマートフォンで既にダブルレンズカメラを導入していた。
2011年当時、ダブルレンズの主な目的は、写真にシャローフォーカスの効果(背景のぼかし)を適用することだった。以前、シャローフォーカス(ぼけ)は、レンズを交換できる高額なカメラでしか利用できない機能だった。ダブルレンズとソフトウェアの巧妙なトリックにより、HUAWEI Mate 9のようなスマートフォンでは、シャローフォーカス効果を実現している。
HUAWEIは、2つのイメージセンサーを搭載することで他社との差別化を図っている。1つは1200万画素のカラーセンサー、もう1つは2000万画素のモノクロセンサーだ。どちらにも光学手振れ補正機能と開口部F2.2のレンズが搭載されている。
HUAWEI Mate 9のカメラはライカとの協業で開発したもので、「Leica Summarit」が搭載されている。HUAWEI Mate 9は、このカメラを採用したモデルの2世代目だ。「HUAWEI P9」「HUAWEI Honor 8」「HUAWEI Honor 6X」では、既にこのカメラを導入している。
TechTargetは、これらのデバイスと同様に、HUAWEI Mate 9についてもカメラを高く評価したい。HUAWEI Mate 9には市場に出回っているものの中で最高クラスのカメラが搭載されている。ダブルレンズカメラとHUAWEIのカメラアプリによって、画質は細かく調整で、一般消費者向けに販売されているデジタル一眼レフカメラにも引けをとらない。また、楽しく魅力的なフィルターも用意されている。
シャローフォーカスの効果は、大きな可能性を秘めている。HUAWEI Mate 9はソフトウェアとチップセットの組み合わせにより、本物そっくりな画像を作り出している。だが、まだ完璧といえるレベルには達していない。被写体がぼやけるなど不安定な結果になることもある。スマートフォンがデジタル一眼レフカメラに取って代わるには、まだ時間が必要だ。
HUAWEI Mate 9に限ったことではないが、もう1つ問題がある。それはカメラの細かい制御には、タッチスクリーンの精度が不十分であることだ。画面上に表示されるスライダーを使用して、露出値やシャッター速度を調整するのは容易でない。物理的なダイヤルの方が簡単かつ迅速に調整できる。
公正を期して言うと、これはもろ刃の剣だ。私たちは制御できることを望むが、タッチスクリーンを使用した制御操作はいつもストレスがたまる。
とは言うものの、これは多くのユーザーにとって問題にならないだろう。HUAWEI Mate 9のカメラは素晴らしい。正確で鮮やかな色の写真が撮影可能で、フォーカスも高速だ。モノクロセンサーのおかげで、モノクロ写真の品質は圧巻だ。音量ボタンをダブルタップするとスリープモードが解除され、素早くスナップ写真を撮ることができる。
ローライトシーンでのパフォーマンスは最良ではないものの申し分ない。HUAWEI Mate 9にf/2.2レンズが搭載されていることを知ったときには、がっかりした。というのも、他社の主力製品には広角なf/1.7レンズが搭載されているからだ。Google Pixel XLのレビュー記事(“史上初”を詰め込んだスマホ「Google Pixel XL」は「iPhone」の対抗馬か?)で説明したように、F値の数字が小さくなると絞りの開きが大きくなり、イメージセンサーに届く光の量が増加する。TechTargetがレビューしたHUAWEI Mate 9は、比較的暗い状況での撮影において、現在ローライトシーンで最高のカメラ品質を誇る「Samsung Galaxy S7 edge」と「Samsung Galaxy S7」(どちらも同じカメラハードウェアを搭載)に匹敵する高品質な写真を撮影して私たちを驚かせた。Samsung Galaxy S7 edgeで撮影した写真とローライトシーンでの撮影以外については問題ないTCL Communicationの「Alcatel Idol 4S with Windows 10」で撮影した写真と比較したサンプル写真をご覧いただきたい。この功績の大半は、これらの写真をきれいに仕上げるソフトウェアとチップセットにあるだろう。
ローライトシーンでは、これほどの違いがある。HUAWEI Mate 9で撮影した写真ではノイズと色あせが見られる。一方Samsung Galaxy S7 edgeとSamsung Galaxy S7の写真は相対的に素晴らしい。ぼけ効果と同様に、ソフトウェアでは物理光学を一定レベルにまでしか引き上げることができない。
HUAWEI Mate 9には、800万画素のインカメラが搭載されている。開口部はf/1.9だ。自動の「パーフェクトセルフィーモード」と共に「ビューティーモード」が帰って来た。どちらも依然として変わった機能だ。
HUAWEI Mate 9のサンプル写真
TechTargetがレビューに使用したHUAWEI Mate 9で撮影したサンプル写真を以下に掲載する。
HUAWEI Mate 9の価格
HUAWEI Mate 9は、(米国では)Best Buy、Amazon、B&H、New Eggから600ドルで購入できる。
600ドルという価格はお買い得だろう。HUAWEI Mate 9は主力製品レベルのスマートフォンで、Samsung、HTC、LGの新しいハイエンドデバイスより若干早くリリースされている。これらのデバイスは、仕様がHUAWEI Mate 9より優れ、多くの機能を搭載しているかもしれない。だが、期待するほど高いパフォーマンスは発揮しないだろう。価格もHUAWEI Mate 9より高額になることが予想される。
結論
「ハードウェアは高品質だが、ソフトウェアは低品質」というのがHUAWEIのスマートフォンを酷評するときの決まり文句だ。HUAWEI Mate 9は、その評価を覆すための大きな一歩を踏み出している。EMUIは人気のAndroidに優位性を見いだすには難ありだが、以前のバージョンからは大幅な改善が見られる。Androidを使い慣れているユーザーなら、すぐに使いこなせるようになるだろう。
それから、HUAWEIは全ての項目が優れている。HUAWEI Mate 9は頑丈で適切な設計がなされている。優れたディスプレイとスピーカーを搭載し、パフォーマンスも申し分ない。カメラは現在市場に出回っている主力製品に引けをとらない。そして、その中でも優秀な部類に入る。
最大の欠点は、防水機能と防塵機能が搭載されていないことだ。これらの機能は、全てのハイエンドスマートフォンに標準で搭載されていて然るべきだろう。また、バッテリー管理ソフトウェアを有効にしなければ、バッテリー持続時間も平均をわずかに上回る程度であることは、もう1つの欠点だろう。どちらも購入を見送るほどの問題にはならない。だが、HUAWEI Mate 9が他の領域において優れていることを考えると、これらの欠点は目立つのが実情だ。
HUAWEI Mate 9を2017年前半における優秀なスマートフォンたらしめているものは、近い将来リリースされる競合スマートフォンにも搭載されるようになることが予想される。
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