伝統が支えるビジネス向けモバイルの魅力
徹底レビュー:仕事一筋のビジネス向けノートPC「ThinkPad T470」の実力は?(2/3 ページ)
ディスプレイとスピーカー
本稿のレビューに使用したThinkPad T470は、タッチパネル非対応の14インチFHD(1920×1080)IPSディスプレイを搭載している。このディスプレイが実用的であることは間違いなく、鮮明かつクリアな画質が実現されている。だが、223ニトという明るさと色の強弱がはっきりしていないコントラストは標準以下だ。そのため、この2点については、ほとんどのユーザーが物足りなさを感じるだろう。色彩の精密さは、画質の鮮明さと同じく申し分ない。ただし、プロとして動画や画像の編集を行っている場合にお勧めできるレベルではない。もっと光沢が強く、輝度の高いディスプレイに見られる色の鮮やかさが欠けている。
ThinkPad T470のベースモデルには、14インチHD(1366×768)ディスプレイが搭載されている。解像度の低いディスプレイを選ぶことで大幅なコスト節約につながることは珍しくない。だがThinkPad T470では、この方法はお勧めできない。HDディスプレイは時代遅れな印象を受けるだけでなく、FHDディスプレイでも物足りないと感じるコントラストはさらに低下する。高解像度ディスプレイのために70ドル追加で支払う価値は十分あるだろう。
まず、ThinkPadがビジネス向けノートPCであることを考えれば、色調が落ち着いていることはさほど大きな問題にならない。だがディスプレイが薄暗いと確実に視野角が狭くなるため、この点も許容するのはかなり難しい。ThinkPad T470のディスプレイを正面から見れば問題ないが、それ以外の角度から見ると画質が大幅に低下する。45度以上の角度から見ると色が薄くなる。照明機器が頭上にある場合は、ディスプレイをわずかに傾けるだけでも画面上にはっきりとした映り込みが発生し、色がかすむ。
正直なところ、ディスプレイがもう少し明るければ申し分なかったと思わざるを得ない。ThinkPad T470をオフィスや自宅以外で使用しないなら、ディスプレイが薄暗くても、それほど大きな問題にはならないだろう。だが、外回りに出ることが多い場合は、これが小さなものとはいえ頭を悩まされる弱点になることは想像に難くない。というのも、このようなユーザーは、さまざまな環境で作業をすることが多いからだ。
オーディオ品質は、多くの点でThinkPad T470のディスプレイと酷似している。つまり、実用的ではあるが、洗練されていない。前面に配置されているスピーカーの音量は非常に大きく、会議室でも部屋の隅々まで容易に音を行き届かせられるのは朗報だろう。ただし、残念ながら、あまり細かい調整が加えられていない音が出力されることになる。簡単な情報伝達や音声通話にはうってつけだ。しかし、音楽を再生すると、スピーカーの欠点にすぐ気付くことになる。高音と中音の領域はやや小さく、スピーカーの音量を最大にすると音のひずみが目立つ。この問題は音量を下げることで多少緩和されるが、それでもある程度のひずみは残る。
キーボードとタッチパッド
ThinkPadを有名にしている要素の1つとして、非の打ち所のないアイソレーションキーボードが挙げられる。この点に関しては、ThinkPad T470も期待を裏切ることはない。バックライト付きの光沢のある黒色のキーは、端が湾曲しており、指にフィットして押しやすくなっている。また各キーは大きく、適切な間隔が設けられている。そのため必要なキーを難なく快適に見つけることができる。キーストロークは2ミリと、十分な深さが確保されている。各キーを押したときの感触は一定で、押したキーはすぐ定位置に戻る。こうした要素の相乗効果によって、正確で心地よい打鍵感が実現されている。
ThinkPadシリーズには、もう1つ重要な特徴がある。それは伝統を忠実に守っていることだ。少なくとも操作に使用するパーツはずっと変わっていない。Lenovoの「TrackPoint」ポインティングスティックは、「B」キーの真上に配置されている。TrackPointを使用すると、スムーズなポインターをスムーズに操作できる。また、タッチパッド上部に沿って物理マウスボタンが配置されており、これらのボタンを使ってスクロールまたはクリックすることができる。また、こうした操作は全て、両手の指をホームポジションに置いたまま実行可能だ。それから、「Space」キーの下には控えめなサイズのタッチパッドが用意されている。滑らかなゴム製のタッチパッド上では、摩擦が生じることなく楽々と指先を滑らせることができる。ポインターは簡単に移動させることが可能で、反応も申し分ない。スワイプ、クリック、複数の指によるジェスチャーは、全て瞬時に読み取られ、精度も非常に高い。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
取手市がVDIと決別した理由 更改費用「4倍超」を約1.7倍に圧縮
-
2
「Excel至上主義」の終わらせ方 丸2日の手作業地獄から情シスと現場を救うには
-
3
221人調査で分かった「情シス最大のストレス」は?
-
4
AIで人を減らした企業がもう心変わり 「AIブーメラン現象」の実態
-
5
急増する「AIはこう言ってる」マン 判断を狂わせる「AI忖度」を防ぐには?
-
6
「Microsoft 365のセキュリティ運用」に関するアンケート
-
7
10年かけてBIを再構築したアマノの一手 「権限がない」「予算がない」でもDXは動かせる
-
8
LLMの「過学習」、正しく説明している文章はどれ?
-
9
「データストレージの活用方法」に関するアンケート
-
10
「業務改善とツール活用」に関するアンケート
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
年収2000万「クラウドセキュリティのプロ」になれる資格とは
-
2
セキュリティソフトをすり抜ける標的型攻撃メール、不審メールの見破り方とは?
-
3
Windows Updateの通信集中で回線が逼迫、ネットワーク刷新事例に学ぶ解決策
-
4
財務を戦略的組織へ進化させるAI活用術、4つの主要な障壁と解消方法
-
5
「NAS」「SAN」「DAS」は何が違う? いまさら聞けないストレージの基礎
-
6
“あのファイル転送”で暗躍するノーウェアランサム
-
7
標的型攻撃メールを見破るには? サンプル文面を例に傾向を解説
-
8
商用利用の安全性を確保し大量のコンテンツを高速で生成する、AI活用の秘訣
-
9
マンガで解説、1日で生成AI環境を構築できるワークショップの中身とは?
-
10
Dark AIが台頭する時代の新発想、「より高度なAIで対抗する」具体的方法とは?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー