OneDrive、Egnyte Connectなど
ビジネス向けファイル同期・共有ツール11製品を徹底比較(後編)
企業の従業員の働き方を大きく変えるEFSS。前編の5製品に引き続き、後半では、G SuiteやVMware Content Locker、Egnyte Connectなど6製品を紹介する。
ビジネス向けファイル同期/共有ツール(EFSS)市場は現在、かつてない活況を帯びている。各ベンダーの製品は、価格や強みもさまざまだ。「Box」や「Citrix ShareFile」「Dropbox」など5製品を紹介した「ビジネス向けファイル同期・共有ツール11製品を徹底比較(前編)」に引き続き、後半では6製品を取り上げる。
Egnyte「Egnyte Connect」
EFSSベンダーEgnyteが販売する「Egnyte Connect」は、さまざまな業種のユーザーが任意のデバイスから安全に社内ファイルにアクセスし、同僚や社外のパートナーとの間でファイル共有や共同作業を可能にする。クラウドとオンプレミスのどちらのコンテンツにも、簡単にアクセスできる。Egnyteは、有料プランのみ提供する点で、他社のサービスと一線を画す。同社は、汎用(はんよう)ツールというよりも、業務向けに特化している。
Egnyte Connectは、コンテンツの作成や共同編集をストレージから切り離すことで、クラウドやオンプレミス、ハイブリッド環境などの保存場所に関係なく、特定のコンテンツで社員同士の共同作業を可能にする。Egnyte Connectのアプリケーションプログラミングインタフェース(API)を使えば、「Amazon Web Services(AWS)」「Google Cloud Platform」「Microsoft Azure」「OpenStack」などのクラウド環境に蓄積したコンテンツの他、NetAppやDell EMC(旧EMC)によるネットワークストレージやMicrosoft「SharePoint」などによるオンプレミス内のコンテンツを統合管理可能だ。
企業は、暗号化機能や暗号鍵管理機能を使い、データを確実に保護できる。Egnyte Connectは「Office 365」「Google Document」といったオフィスアプリケーションのコンテンツのリアルタイム共同編集、タスクの割り当て、通知のタグ付け、「Jive」や「Slack」といったコラボレーションツールとの連携が可能だ。
Egnyte Connectは、3種類の料金プランと3段階のサポート体制を用意している。Egnyteからの直接購入に加え、パートナーやリセラーからの購入も可能。料金はユーザー数や機能によって異なる。15日間の無料トライアルも利用可能だ。
Google「G Suite Business」
Googleのクラウドベースのオフィススイート「G Suite Business」が含むEFSSツールの「Google Drive」(旧Google Drive for Work)は、ファイルやフォルダ、バックアップを無制限に保存できる。クライアントPCやタブレット、スマートフォン間でファイルを自動的に同期でき、電子署名サービス「DocuSign」などのサードパーティーアプリケーションとリアルタイムで連携する。管理コンソールからは、全ユーザーの管理や監査、調査報告などが可能だ。Googleのeディスカバリ(電子情報開示)ツール「Google Vault」は、データ保持や訴訟/捜査のための記録保持など、大規模な企業にとっても魅力的な機能を備える。Google Driveは前述の通りG Suite Businessに含まれているので、既にG Suite Businessを使用中の企業は恐らく自社のワークフローに容易に組み込むことができる。
G Suite Businessは、1ユーザー当たり月額10ドルで利用可能だ。
Intralinks「Intralinks」
EFSSベンダーであるIntralinksの同名製品は、機密情報や閲覧者の限られる情報を外部のビジネスパートナーや顧客と共有する機能に特化し、コンテンツ中心の業務プロセスに重点を置いた製品だ。Intralinksは、機密情報の漏えいを防止するためのIRM(Information Rights Management:情報権限管理)機能を備える。あらゆる場所に保存されたデータに対して、ファイル単位の強固なセキュリティや管理機能を提供する。「Microsoft Office」形式のファイルを閲覧・編集可能なオンラインツール「Office Online」と親和性が高い。ユーザーは、Intralinksのデータセンターから直接、Office Onlineのコンテンツの閲覧や編集が可能だ。Intralinksの報告機能「ComplianceLink」を使えば、エネルギー関連事業や金融業など、各国政府の規制を厳しく受ける業界の企業にも、必要な監査データを自動的に配信できる。
Intralinksは、同製品を直接販売している。同製品のエディションは、「Pro」「Elite」「Virtual Data Room」の3つ。料金は、ライセンス形態によって異なる。最も人気が高いライセンス形態は、ストレージ容量に応じて1ユーザー当たりの月額料金を決めるもの。トライアルも利用でき、試用期間はユーザー企業の要望に合わせて決める。
Microsoft「OneDrive for Business」
Microsoftの「OneDrive」に保存したファイルは、デバイスの種類を問わず、どこからでも発見、共有、共同編集可能だ。Microsoftは、OneDriveのクライアントアプリケーションとモバイルアプリケーションの機能を継続的に更新している。OneDriveは、Webブラウザから使用可能な上、WindowsやmacOS、Linuxなどのデスクトップ向けOS、Windows、Android、iOSなどのモバイルOSで稼働する。
OneDriveには、個人向けバージョンと、企業向けの「OneDrive for Business」がある。OneDriveは、Office 365の一部として利用できる。個人向けの基本プランでは、1ユーザー当たり5GBまでのストレージ利用が無料。OneDrive for Businessの場合、ストレージを1ユーザー当たり1TBまで利用できるプランが、月額5ドル。ストレージを無制限に利用できるプランは、月額10ドル。Office 365のライセンスを含むプランは、月額12.5ドルだ。同製品は、30日間の無料トライアルを用意している。
Axway「Syncplicity」
フランス発の業務用クラウドサービスベンダーAxwayの「Axway Syncplicity」は、あらゆるコンテンツに任意のデバイスからアクセスできる。 Axway Syncplicityのユーザーは、モバイルデバイスから安全にファイル共有や共同編集ができる。同製品は、リアルタイムのドキュメント保護機能とバックアップ機能を備え、ネットワークファイル共有の代替手段としても利用可能だ。
Axway Syncplicityのエディションは、「Personal」「Business」「Enterprise」の3種類。Personalエディションでは、1ユーザー当たり、ストレージを10GBまで無料で利用でき、100GB当たり年間60ドルで容量を追加することも可能だ。Businessエディションは、1ユーザー当たり年間60ドルで、最少ユーザー数は3ユーザー。Enterpriseエディションは、最少ユーザー数が25ユーザーで、クラウドやオンプレミス、ハイブリッドクラウド環境で利用できる。BusinessエディションとEnterpriseエディションは、30日間の無料トライアルを用意している。
VMware AirWatch「VMware Content Locker」
仮想化ベンダーVMwareの「VMware Content Locker」は、複数のリポジトリのコンテンツにクライアントPCやモバイルデバイスなどから安全にアクセスし、共同作業やファイル共有を可能にする。VMware Content Lockerは「Self Service Portal」「Sync Client」「Remote File Storage(RFS)」などのコンポーネントで構成。同製品を使えば、ファイルの直接共有やタグ付け、コメント、メンバーの追加が可能だ。Windows、iOS、AndroidなどのOSで稼働し、小規模から数十億ドル規模まで、あらゆる規模の幅広い業種の企業が利用している。
VMware Content Lockerは、オンプレミスやクラウドで利用可能だ。エディションは、「Standard」と「Advanced」の2種類。料金は、1デバイス当たり月額6.33ドルから、さまざまな価格オプションを用意している。
EFSSは、業界に関係なく、あらゆる企業にとって多大なメリットを生み出せる。IT投資には常にいえることだが、自社の業務ニーズを適切に定義することは、ベンダーや製品の選択と同じくらいに重要だ。企業は、自社でEFSSを導入する最終目的を明確にする必要がある。その上でこそ、ベンダー選定や審査の手順を効率化し、EFSSを自社システムの管理やセキュリティ、ビジネスプロジェクトに役立てることができる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[株式会社MatrixFlow] 「物流リソース最適化」ガイド:人員・配車・傭車を出庫依頼の確定前に決めきる -
製品資料
[株式会社キーエンス] なぜRPA導入は頓挫する? シナリオ作成の壁を乗り越える解決策とは -
製品資料
[株式会社セールスフォース・ジャパン] 「CRMは設計と無関係」は本当か? PLMとの融合で実現する高速開発 -
事例
[日本ヒューレット・パッカード合同会社] AIエージェントの時代にどう備える? 「新たな働き手」を支える3要素とは -
製品資料
[日本ヒューレット・パッカード合同会社] “横並びの自動化”から脱却、AI活用で生産性と競争力を高める秘訣
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
法務と開発者で「言葉が通じない」問題 トヨタやソニーが語るOSS管理の真実
-
2
なぜ「全社配布Copilot」は使われないのか? 失敗に学ぶAI定着
-
3
なぜ「Gemini 4 Argon」は出遅れたのか? Googleが狙う“逆転のシナリオ”
-
4
ChatGPTは“検索しまくり”でGeminiは“淡泊”? データが明かすAIの裏側
-
5
損保ジャパンはなぜ「COBOL」を捨てなかったのか? 脱メインフレームの真相
-
6
【漫画付き】ひとり情シス協会が明かす、RAG導入でしくじる企業「2つの共通点」
-
7
AI時代のITインフラ戦略とは? 販売代理店が知っておきたい最新トレンド
-
8
情シスの約8割が転職や退職を意識 調査で分かった“辞めたくなる最大の理由”
-
9
人間のせいでAIエージェントの生産性が上がらない
-
10
「IBM i(AS/400)はクローズドなシステム」という誤解 DXに寄与する一歩
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
2
家庭用Wi-Fiルーターの業務利用は危険? 避けるべき理由と具体的な対策
-
3
Microsoft 365を安全に運用 うっかりミスやサイバー攻撃に備えるデータ保護術
-
4
財務部門がAIを最大限に活用する方法 無駄のない戦略的リーダーシップへの道
-
5
LLMが兵器化? 元FBI高官が鳴らす警鐘とセキュリティツール統合のポイント
-
6
「オンプレミス回帰」せざるを得ない“合理的な理由”
-
7
なぜRPA導入は頓挫する? シナリオ作成の壁を乗り越える解決策とは
-
8
生成AIを開発に導入しても効果が見えない? 実証実験で分かった成果と課題
-
9
経産省DX指針から読み解く、受発注業務デジタル化ロードマップ
-
10
HDDを使わない「SSDオンリー」が無謀なのはなぜ?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー