IT環境や業務に合ったニーズの見極めが必要
「OneDrive」「Dropbox」「Google Drive」 “失敗しない”ファイル同期/共有ツールの選び方(1/2 ページ)
ファイル同期/共有ツール(EFSS)を比較する企業にとって、セキュリティ、ユーザーの操作性、コラボレーションの機能、ファイルの同期機能は見逃せない。
自社に最適なファイル同期/共有(EFSS)システムを導入した企業は、従業員同士のコミュニケーションや生産性を高め、ファイル管理のセキュリティを強化できる。EFSSは、クラウドと従来のネットワークシステムを使用して、社内コンテンツのスムーズな共有や保存といったニーズに対応するビジネス向けツールだ。EFSSは、ベンダーまたは自社の情報システムと連携し、ファイルを暗号化したうえで転送または保管する。ユーザー側は、EFSSに預けたファイルを閲覧、管理することができる。企業によるEFSSツール導入は、従業員に、個人用ファイルから部門全体で共有したファイルまで、いつでもどこでも安全なアクセスを可能にする。そうした動作は、社内PCからでも、モバイルデバイスからでも可能だ。
比較的少数のベンダーが、EFSS市場の大部分を構成している。その中には、EFSSになじみのあるベンダーとそうでないベンダーが混在する。特定のベンダーの製品を選ぶ前に注意すべき点は、IT製品の導入を成功させたければ、自社固有のニーズに対する十分な理解が欠かせないということだ。業務の安定や、従業員同士のデバイス間のファイル共有や共同作業の促進など、EFSSが強みを発揮する主な領域は5つある。本稿では、それを紹介していこう。
データセキュリティ
EFSS製品の中には、大企業のニーズにも対応できる強力なセキュリティを備えたものがある。例えば、Microsoftはオフィスアプリケーション群である「Office 365」の一部として提供する「Microsoft OneDrive」に、データ損失防止テクノロジーを導入している。同テクノロジーによって、多種多様なアプリケーションに保存された知的財産や個人情報の保護が可能になった。Googleは、企業向けアドオンである「Google Vault」に「eDiscovery(注1)」や「訴訟ホールド(注2)」の機能を備えている。同様の機能は、EgnyteやMicrosoftなど他のベンダーの製品にも備わっている。
※注1:米国の民事訴訟制度において、当事者同士による訴訟に関わるあらゆる電子データの公開手続きのこと。
※注2:訴訟に関するあらゆる電子情報を保存する機能。
BlackBerryの「BlackBerry Workspaces」は、ファイル内部にセキュリティ機能を直接組み込むことで、デジタル著作権の管理を可能にした点を売りにしている。BlackBerry Workspacesは、既存の企業の認証システムやモバイルデバイス管理テクノロジーとも統合可能だ。保管中のデータや転送中のデータの暗号化も必須機能だが、この機能は全てのベンダー製品に備わっている。Egnyteを含む一部のベンダーは、顧客企業の従業員がクラウド内ではなく自社システムの暗号化機能やキー管理機能を使って社内データを保護できるようにしている。
各業界や国が定める法令や基準への対応状況は、EFSSベンダーによって異なる。例えば、FERPA(家庭教育の権利とプライバシーに関する法)、米国政府によるクラウドセキュリティ基準「FedRAMP」、HIPAA(米国医療保険の相互運用性と説明責任に関する法令)など、企業がコンプライアンス関連の特殊なニーズを抱えている場合、ベンダー側が対応できるかどうか事前に確認しておくのが望ましい。ITやセキュリティに関する専門スキルや知識が限られた中小企業の場合、GoogleやDropboxなどの有名ベンダーによるコンプライアンスやセキュリティへ機能で十分な可能性もある。どのベンダーも、EFSSの安全な実装や継続的な管理を実現するため、膨大な量のリソースを投資している。
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ユーザーの操作性
EFSSの導入を検討する際は、社内PCと従業員のモバイルデバイス両方での操作性も重要な検討事項になる。OneDriveは現在、Fortune 500(Fortune誌による米国売上ランキングの上位500企業)に名を連ねる企業の約85%を含め、あらゆる業界に浸透している。その理由は、分かりやすいブランド名とユーザーインタフェース(UI)にある。EFSSがユーザーにとって既になじんだアプリケーションとうまく調和すればするほど、操作性への満足度も高くなる。同じく高い普及率を誇るGoogleの「Google Drive」も、ユーザーにとって優れた操作性を持つEFSSの1つだ。GoogleドライブのUIについていえる重要な点は、他のGoogleサービスの大半と同様、シンプルであることだ。この点は、デスクトップPCであってもモバイルデバイスでも変わらない。「Dropbox」や「Citrix ShareFile」も、合理的な操作性から人気を博している。
Egnyteの「Egnyte Connect」は、IT部門のニーズを満たしつつ、シャドーIT(注3)にも対応できる点を売りにしている。社内でシャドーITが容認されているかどうかにかかわらず、同機能はより良いEFSS環境を生み出すことができる。企業があらゆる従業員に社内のEFSSへのアクセスを可能にしつつ、EFSSを使ってIT面やビジネス面の課題解決に取り組めば、EFSSの導入と安定化に関して最も難しい部分は解決したに等しい。
※注3:従業員が会社に無断で私用のIT端末を業務利用すること。
ストレージ
純粋にクラウドインフラが優れたEFSSを探した場合、有名なプロバイダーが目を引く。Box、Google、Microsoftなどのベンダーは、大手企業が抱えるデータ回復や拡張のニーズにも対応可能なクラウドを備えている。その魅力は、単なるクラウドのリソースや非常時の回復力にとどまらない。EFSS向けのコアストレージには、「クラウドのみの利用」「オンプレミス」「ハイブリッド」という3つの選択肢がある。クラウドを利用したEgnyte Connectの場合、ユーザーにあらゆる場所のコンテンツをシェア可能にしたことで、ストレージインフラのコンテンツ作成や連携にかかる段階を大幅に短縮した。企業側は、ポリシーの管理と施行を一元化できるようになっている
Accellionによるハイブリッド型のEFSS「kiteworks」は、ユーザーからの評判が良い。一括管理ビューによって、Microsoftの「Microsoft SharePoint」やEMCの「Documentum」などの一般的な環境に加え、BoxやDropboxなどのEFSS製品も追加で管理することが可能になる。ハイブリッド型のツールは、特に多国籍企業のニーズに合う。こうした企業では、ユーザーが転送または保管できるファイルの種類に関する条件が複雑だからだ。例えばSyncplicityの「PrivacyRegions」の場合、ユーザーは、その地域固有の法規制にならったデータの保護や保管場所の確保を実現しつつ、シームレスに他のユーザーとフォルダやファイルを共有できる。
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