「ThinkPad」と「Yoga」双方の良さを兼備
徹底レビュー:新「ThinkPad X1 Yoga」はThinkPadファン納得の出来、ネックは高価格?(2/3 ページ)
キーボードとタッチパッド
これまでThinkPadシリーズのあらゆるレビューでキーボードの優秀さを伝えてきたが、今回のThinkPad X1 Yogaもその例に漏れない(写真4)。ただしThinkPad X1 Yogaは、これまでのThinkPadシリーズとは異なる特殊なキーボードを搭載する。ディスプレイの角度が90度を超えたときや、ディスプレイが閉じているときに、キートップが自動的に沈み込み、キーがロックされる。ディスプレイを折りたたむとキーボードが平面になるため、キーと設置面の高さをそろえるトレイを用意する必要がなくなった。
光沢がある黒色のキーは端が湾曲しており、キーをタイプするときに指にフィットし、押しやすくなっている。キーストロークは、薄型ノートPCとしては上々で、押し下げ感やキーの反発がしっかりしている。総合すると、タイピングは心地よく、ストレスもない。ThinkPadシリーズは最高レベルのキーボードを備えていることに定評があるが、ThinkPad X1 Yogaもこの期待にしっかりと応えている。
当然、「B」キーの真上に鮮やかな赤色の「トラックポイント」がなければ、真のThinkPadシリーズとはいえない。この象徴的な赤色の突起のおかげで、キーボードから手を放すことなく、昔ながらのやり方で操作できるのはありがたい。トラックポイントだけでなく、タッチパッドの上部にマウスボタンを3つ用意する。マウスボタンの押し心地もキーボードと同じく優秀で、トラックポイントとの相性も抜群だ。
ボタンのないタッチパッドは滑らかな手触りで使いやすい。抵抗なく指が滑るため、非常に精密な操作が可能になっている。Synaptics製ドライバーのおかげで、タッチバッドはスワイプ、複数の指によるジェスチャ、クリックなどにも遅延なく即座に反応する。
スタイラスペン
ThinkPad X1 Yogaには、2048段階の筆圧検知機能を備えたLenovoのスタイラスペン「ThinkPad Pen Pro-3」も付属している(写真5)。本体下部の右側面に専用の収納スペースがあり、収納時には充電もする。
ThinkPad Pen Pro-3はやや小ぶりで、従来の筆記用具よりも、ゴルフのスコアを記録する鉛筆に近い。追従性や感度は申し分なく、簡単なメモや落書きのテストでは動きを完璧に捉え、自身の字の汚さを再認識する結果になった。
ディスプレイとスピーカー
レビューに使用したThinkPad X1 Yogaは、14型FHD(1920×1080ピクセル)解像度で10点マルチタッチが可能な、IPS方式の液晶ディスプレイを搭載している。光沢のあるパネルによる色鮮やかな表現で、クリアな映像を楽しめる。印象的だったのは映画『マイティー・ソー バトルロイヤル』予告編の冒頭で、銀色の輝きと深紅の色の対比で、主人公ソーのよろいが見事に表現されていた点だ。
つやのあるディスプレイは色の表現は美しいが、光を反射しやすい。274ニト(明るさの単位)と平凡な明るさでは、この点をカバーできていない。ディスプレイの明るさだけならば、それほど大きな問題にはならない。だが、そこにディスプレイの光沢が加わると、直射日光を反射しやすくなってしまう。
頭上に光源がある状況でタブレットモードにして使うと、この問題が特に顕著に現れる。角度が70度を超えると反射が起きるため、視野角もやや狭くなる。ただし、これはパネルの明るさと光沢の相互作用が原因なので、明かりの少ない場所であれば視野角の広さは大幅に改善する。この状況では角度が100度を超えても表示をしっかりと認識できる。
ThinkPad X1 Yogaのディスプレイには、WQHD(2560×1440ピクセル)解像度のIPSディスプレイやWQHD(2560×1440ピクセル)解像度の有機EL(OLED)ディスプレイなど、さらに高解像度のオプションもある。残念ながら、レビューに使用したのはOLEDディスプレイ搭載モデルではなかったため、そのレビューはできなかった。
音質には高級感がある。内蔵スピーカーの音量はあまり大きくなく、確かに小さな部屋向けだが、音質はノートPCの中でも飛びぬけて優秀だ。スピーカーのテストでレコードレーベルCandyRat Recordsのコレクションアルバムを流したところ、さまざまなアコースティックギター曲で聞こえる、刻み、ゆがみ、ストロークなど、幅広い音をしっかりと表現した。スピーカーは高音と低音の両方を捉えており、ほんのわずかなハーモニクス(倍音)でさえ本来の音質で再現されていた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[株式会社MatrixFlow] 「物流リソース最適化」ガイド:人員・配車・傭車を出庫依頼の確定前に決めきる -
製品資料
[株式会社キーエンス] なぜRPA導入は頓挫する? シナリオ作成の壁を乗り越える解決策とは -
製品資料
[株式会社セールスフォース・ジャパン] 「CRMは設計と無関係」は本当か? PLMとの融合で実現する高速開発 -
事例
[日本ヒューレット・パッカード合同会社] AIエージェントの時代にどう備える? 「新たな働き手」を支える3要素とは -
製品資料
[日本ヒューレット・パッカード合同会社] “横並びの自動化”から脱却、AI活用で生産性と競争力を高める秘訣
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
法務と開発者で「言葉が通じない」問題 トヨタやソニーが語るOSS管理の真実
-
2
なぜ「全社配布Copilot」は使われないのか? 失敗に学ぶAI定着
-
3
なぜ「Gemini 4 Argon」は出遅れたのか? Googleが狙う“逆転のシナリオ”
-
4
ChatGPTは“検索しまくり”でGeminiは“淡泊”? データが明かすAIの裏側
-
5
損保ジャパンはなぜ「COBOL」を捨てなかったのか? 脱メインフレームの真相
-
6
情シスの約8割が転職や退職を意識 調査で分かった“辞めたくなる最大の理由”
-
7
「結局使わなくなる」Microsoft 365 Copilotを半年で定着 キリンの3施策
-
8
「Wi-Fi 7」経由でWindowsが乗っ取られる? 最高権限奪取の恐怖
-
9
「中堅・中小企業のネットワーク・セキュリティ運用実態」に関するアンケート
-
10
情報漏えいはなぜ繰り返されるのか 今すぐ見直すべき「境界」
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
2
家庭用Wi-Fiルーターの業務利用は危険? 避けるべき理由と具体的な対策
-
3
Microsoft 365を安全に運用 うっかりミスやサイバー攻撃に備えるデータ保護術
-
4
財務部門がAIを最大限に活用する方法 無駄のない戦略的リーダーシップへの道
-
5
LLMが兵器化? 元FBI高官が鳴らす警鐘とセキュリティツール統合のポイント
-
6
「オンプレミス回帰」せざるを得ない“合理的な理由”
-
7
なぜRPA導入は頓挫する? シナリオ作成の壁を乗り越える解決策とは
-
8
生成AIを開発に導入しても効果が見えない? 実証実験で分かった成果と課題
-
9
経産省DX指針から読み解く、受発注業務デジタル化ロードマップ
-
10
HDDを使わない「SSDオンリー」が無謀なのはなぜ?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー