使える機能は セキュリティだけじゃない
iPhoneか、Androidかが問題ではない 最適なモバイル管理製品を選ぶための5カ条
企業にとって、適切な機能を備えたエンタープライズモビリティ管理(EMM)製品の選定は、導入の成功を左右する重要な課題だ。製品選定の際、企業が押さえておくべき5項目を紹介する。
業務にモバイルデバイスを活用し、安全に運用するために、EMMは全ての組織が導入すべきソフトウェアではあるが、その機能や使い方は、製品によって全て異なる。
社用デバイスか従業員の私用デバイスかを問わず、モバイルがほとんどあらゆる組織に普及する現在、エンタープライズモビリティ管理(EMM)の導入は必要不可欠だ。市場には数多くの製品が流通し、各組織や企業のIT部門は、それぞれ異なるニーズや課題を抱える。各企業が自社に最適なEMM製品を見つけるために、押さえるべき重要な点は5つある。
各モバイルOS向けの作動体制を確認すべし
皆がWindows PCを標準で使っていた昔と違い、あらゆるモバイルデバイスに同じOSやアーキテクチャが備わっているわけではない。Appleの「iOS」やGoogleの「Android」搭載端末の業務利用が増える状況で、企業はこれらのOSの安全性を可能な限り同じ条件設定で確保する必要がある。
数多くのバージョンが存在するAndroidとiOSは全くの別物だが、ほとんどのEMMツールは、両OSを効率的に管理できる機能を持っている。とはいえ、製品選定の際、企業は「異なるOSに同じ条件設定が可能かどうか」「組織の戦略的セキュリティ目標を達成できるかどうか」などについて、注意深く確認する必要がある。
セルフサービス型登録機能の有無を確認すべし
モバイルデバイスのモデルが頻繁に更新される今日、業務用モバイルデバイスの平均耐用年数は、12カ月から18カ月だという。企業のIT部門にとって、ユーザー業務に大きな負担をかけずに低コストでデバイスを変更できることが重要だ。
最適な方法は、ユーザーが使用デバイスを変更した際、自動的にEMMサービスに登録できるセルフサービス機能を導入することだ。この方法で、企業のモバイル活用コストを低く抑えることができる。こうした機能を使えない場合、管理対象のデバイス数が増加するほど、IT部門の人的負担が著しく増大する。
多くのEMM製品がセルフサービス型の登録機能を持っているが、製品によって、機能には差異がある。
シングルサインオン機能を詳しくチェックすべし
平均的なモバイルデバイスのユーザーは、5~7個の業務用アプリケーションにアクセスする必要があり、その数は年々増え続けている。企業のIT部門は、従業員からのパスワード紛失やログイン認証に関する問い合わせが今後増えると予期しておこう。
シングルサインオン(SSO)技術を利用すると、ユーザーが記憶しなければならないパスワードの数を飛躍的に減らすことはもちろん、上述のような問い合わせを減らすこともできる。SSOにより、企業は複数のアプリケーションに同一のアクセスポリシーを適用することができる。
EMMツールの多くはSSO機能を備えているが、全ての業務用アプリケーションがSSO機能を効果的に活用できているわけではない。
業務アプリ向けセキュリティ機能を確認すべし
EMM導入を検討する組織にとって最大の関心は、情報を安全に保護し、企業データ消失につながるリスクを排除することだ。多種多様なデバイス向けのセキュリティ機能が混在する状況で、包括的な対策を講じることは、増々困難になっている。
この問題に対する解決策の1つは、Webブラウザや電子メールなどのアプリケーション向けに、完全に保護されたワークスペースを作ることだ。BlackBerryやCitrix Systems、VMwareを含む多くのEMMベンダーが同様の機能を提供している。その多くは、業務用アプリやユーザーの個人情報を暗号化して保護するボールト(vault)機能をデバイス上にインストールし、全ての業務用アプリケーションをボールト内で実行することで、データ漏えいを防止する仕組みだ。データセキュリティの技術は、各デバイスの機能に左右されることも多い。だが、デバイス自体に安全なワークスペースをインストールすることも可能なのだ。
投資した分の機能を最大限に活用すべし
EMM導入の際、多くの企業や組織が、“必要以上の投資”を行っている。例えば、さまざまな機能を備えたパッケージ型ソフトウェアライセンスを各ユーザー用に購入した上で、実際には資産管理とデバイスワイプ(デバイスを紛失した際の遠隔データ消去)などの基本的な機能しか使わないケースがそれにあたる。では、企業や組織は、むしろ無料ないし無料に近い価格で入手できる単純なモバイルデバイス管理(MDM)に移行すべきだろうか。
答えは、多くの場合「ノー」だ。EMMの基本的な機能のみを利用している大半の組織は、情報漏えいを含むセキュリティリスクから、従業員のデバイスを完全には保護できていない。適切なポリシーの適用、ジオフェンス(注)、モバイルアプリケーション管理などは全て、モバイルデバイスとデバイス内の情報を完全に保護するための不可欠な要素なのだ。
※注:モバイルデバイスの位置情報を利用した、仮想的な地理境界線(フェンス)。アプリケーションを連動させ、特定の地点で特定の人物との情報共有や自動的な情報通知などが可能になる。
モバイルデバイスを成功裏に導入し、安全に保護する過程には、数え切れないほどの注意点や留意点、はっきりさせておくべき指針が存在する。EMMサービスの導入を進める企業には、ここまで取り上げた5つのポイントを押さえた意思決定が必要だ。検討するEMMの機能を入念に評価してこそ、モバイルデバイスを業務に導入した組織は、効率的な管理体制を手に入れることができる。
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