各社のコンプライアンスが検討の鍵
個人向けDropboxとどこが違う? 進化した「Dropbox Business」を徹底解説(2/2 ページ)
Dropbox Businessと他社サービスの連携
現在までに、Dropboxは、サードパーティー製品の統合サポートに大きな成功を収めてきた。Dropbox Businessは、膨大な数のアプリケーションに接続し、セキュリティなどで提携するパートナーへAPIアクセス権を付与している。
例えば、同社はID管理システムを提供するOktaと提携し、Dropbox Businessを導入した企業のサービスライフサイクル管理を合理化する。OktaのID管理システムを使用すると、管理者はADで管理しているグループ単位で、エンドユーザーの情報をDropboxにプッシュして同期することが可能だ。
ADやクラウドベースのディレクトリ/ID管理サービス「Azure Active Directory(Azure AD)」に加え、オフィススイートの「Office 365」との連携をより深めた点も、Dropbox Businessの機能拡大に貢献した。エンドユーザーは、使用するデバイスの種類にかかわらず、Officeドキュメントにアクセスし、編集や共有、共同作業が可能になった。「Dropboxバッジ」という機能を使用すれば、共同作業者は誰が同じファイルで作業をしているのかを確認し、最新バージョンのドキュメントを読み出して作業することができる。
Dropbox Businessは、VMwareのEMM製品「VMware AirWatch」とも密接に連携する。組織は、Dropbox BusinessをAirWatchの暗号化、アプリケーショントンネリング、データ損失防止(DLP)といった統合セキュリティ機能と組み合わせて使用できる。同製品は、Symantecのクラウドセキュリティサービスとも連携する。
Dropbox Business導入のメリットとデメリットとは
調査会社Gartnerが2017年に発表した業界予測「Magic Quadrant for Content Collaboration Platforms」は、Dropboxをファイル共有サービス業界のリーダーの1つに位置付けている。Dropbox Businessは、米国やヨーロッパ、アジアなどに展開し、エンドユーザーが地球上のどこにいても同じレベルで使えるパフォーマンスと信頼性を維持している。
Dropbox Businessを使う最大のメリットは、さまざまな言語や技術をサポートする豊富なAPIを使って、企業が幅広いアプリケーションやサービスへの拡張利用をカスタムできる点である。
もちろん、Dropbox Businessが完璧なサービスというわけではない。一部のエンドユーザーは、技術サポートが遅い点やビルトイン編集機能が欠けている点などに不満を持っている。こうした点に関しては、ドキュメント共同編集ツール「Dropbox Paper」が機能の不足部分を補っている状況だ。
Dropbox Businessのより大きな問題は、完全なクラウドサービスの形式を採り、オンプレミスやハイブリッドクラウド向けの実装ができない点である。ユーザー企業は、機密性の高い情報や個人情報の保護対策に関しても、提供元のDropboxを完全に信頼せざるを得ない。「どのように暗号化鍵を格納するのか」「どこにデータとメタデータを格納するのか」といった点や、インフラストラクチャに関する側面に関わるセキュリティモデルに関しては、ユーザー企業側のコントロールが効かない。
Dropbox Business導入を検討する企業は、自社が拠点を置く地域特有のコンプライアンス要件にかなうかどうかを確認しながら、セキュリティリスクを見積もる必要がある。Dropboxは、全てのメタデータを米国のデータセンターで保存する。地域によっては、こうした仕組みが合わない可能性もある。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
取手市がVDIと決別した理由 更改費用「4倍超」を約1.7倍に圧縮
-
2
「Excel至上主義」の終わらせ方 丸2日の手作業地獄から情シスと現場を救うには
-
3
221人調査で分かった「情シス最大のストレス」は?
-
4
AIで人を減らした企業がもう心変わり 「AIブーメラン現象」の実態
-
5
急増する「AIはこう言ってる」マン 判断を狂わせる「AI忖度」を防ぐには?
-
6
「Microsoft 365のセキュリティ運用」に関するアンケート
-
7
10年かけてBIを再構築したアマノの一手 「権限がない」「予算がない」でもDXは動かせる
-
8
LLMの「過学習」、正しく説明している文章はどれ?
-
9
「データストレージの活用方法」に関するアンケート
-
10
「業務改善とツール活用」に関するアンケート
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
年収2000万「クラウドセキュリティのプロ」になれる資格とは
-
2
セキュリティソフトをすり抜ける標的型攻撃メール、不審メールの見破り方とは?
-
3
Windows Updateの通信集中で回線が逼迫、ネットワーク刷新事例に学ぶ解決策
-
4
財務を戦略的組織へ進化させるAI活用術、4つの主要な障壁と解消方法
-
5
「NAS」「SAN」「DAS」は何が違う? いまさら聞けないストレージの基礎
-
6
“あのファイル転送”で暗躍するノーウェアランサム
-
7
標的型攻撃メールを見破るには? サンプル文面を例に傾向を解説
-
8
商用利用の安全性を確保し大量のコンテンツを高速で生成する、AI活用の秘訣
-
9
マンガで解説、1日で生成AI環境を構築できるワークショップの中身とは?
-
10
Dark AIが台頭する時代の新発想、「より高度なAIで対抗する」具体的方法とは?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー