初代iPhone発売10周年記念モデル
「iPhone X」徹底レビュー、Appleが全力を尽くしたきら星のごとき新機能に冷静さを失う(2/3 ページ)
Face ID
指紋認証システム「Touch ID」から顔認証システムFace IDへの移行は物議を醸した。その理由のほとんどが、その機能の信頼性の低さに対する懸念だろう。TechTargetでFace IDをテストしてみたが、そうした懸念は無用だった。同システムは、少なくともTouch IDと同程度の信頼性はある。恐らく安全性はもっと高いかもしれない。
1週間Face IDを頻繁にテストし、何百回も認証に成功した。デバイスが即座に顔を認識できなかったのは2回だけだった。眼鏡や帽子を身に着けなくても、髪形を変えても問題は起きなかった。暗さも問題にはならない。顔認証に失敗した2回のケースはどちらもデバイスの再起動で問題が解決した。
顔認証システムは、スカーフで口を覆うなど、衣類で顔の特徴を隠すと機能しない。もっと重要なのは、顔が横向きだとFace IDが全く機能しないことだ。いずれAppleがこの制限事項を解決することを期待する。デバイスが自動的にロックを解除しない場合、常に選択肢となるのはパスコードの入力になる。
特徴が似ている家族の顔でFace IDを欺こうとしたが、失敗に終わった。両親や兄弟が、誤認証されるほどには似ていなかったようだ。セキュリティを懸念するユーザーは、自身がカメラを見ない限りFace ID によってiPhoneが解除されないことに満足するだろう。Appleが言うように、目を閉じていたり、視線をそらしたりするとデバイスのロックは解除されない。
ボタン
大抵のレビューでは、ボタンについてあまり詳しく取り上げていない。だが、ホームボタンがなくなったことで、iPhone Xの操作方法は大きく変わる。学ぶことがたくさんあるのは明らかで、多くの新しい操作に慣れるまでには時間がかかるだろう。
本稿では、新しい操作方法の全てを逐一取り上げることはしないが、ホームボタンの全機能が別の操作に置き換わることで、側面にある3つのボタンの組み合わせと、画面ジェスチャを数多く覚えなければならないのは確かだ。
右側面のボタンは電源専用ではなくなっている。ボタンを押す長さや他のボタンとの組み合わせによって複数の機能に変わる。
以前のホームボタンに代わる新しい画面ジェスチャは複雑ではない。だが、慣れるには時間がかかる。数年前にHewlett-Packard(HP)の「Palm Pre」を利用したことがあれば覚えやすいかもしれない。iOSアプリケーションの切り替えや閉じる方法が、Palmの「webOS」での操作方法と非常に似たものになっているためだ。
端子とスピーカー
全てのiOSデバイスと同様、「Lightning」コネクタがiPhone Xの唯一の端子になる。Lightningコネクタは充電に使用されるが、さまざまなアクセサリーの接続にも利用できる。AppleのHDMIアダプターやSanDiskの「サンディスクiXPANDフラッシュドライブ」をiPhone Xに接続してみたが、特に問題はなかった。
AppleによるBluetoothオーディオアクセサリー推進の一環として、iPhone Xにはヘッドセットジャックは装備されていない。同デバイスには、Lightningコネクタに接続する基本的なイヤフォンと、同コネクタに標準ヘッドフォンを接続できるアダプターが付属している。
メモリーカードのスロットもない。Appleがメモリーカードスロットのサポートを拒み続けて10年になる。幸い、サードパーティーのデバイスメーカーがこのサポートに手を挙げた。LeefのmicroSDリーダー「Leef iAccess」をテストしたところ、問題なく動作した。
iPhone Xの「内蔵ステレオスピーカー」は以前のモデルと変わらない。そのため、Appleは公式仕様ページでも同スピーカーには触れていない。2つのスピーカーは、デバイス底面のLightningコネクタの両側に配置されている。スピーカーの音量はアラームを聞く場合などには十分だが、音楽を聴く場合はヘッドフォンや外付けスピーカーが欲しくなるだろう。
カメラ
Appleは、事実上iPhone 7 Plusに搭載されていたのと同じデュアル12MPカメラとLEDフラッシュをiPhone X(およびiPhone 8 Plus)でも採用している。これにより、最大10倍のデジタルズームと最大2倍の光学ズームが可能になる。最新機種には、背面カメラの両方に光学式手振れ補正機能が追加された。
デュアルカメラの注目点は、被写体にピントを合わせ、背景をぼかしたボケ写真を撮影する機能だ。Appleが「ポートレートモード」と紛らわしい名前を付けたこの機能をiPhone Xで機能強化している。新しい「ポートレートライティング」機能では、輪郭強調照明やステージ照明といった照明エフェクトシミュレーションで映像を撮影できる。このエフェクトは撮影後の写真に適用することも可能だ。
まだβ版のポートレートライティング機能を使って、試しに飼い犬を撮影してみた。
iPhone X限定の便利な点は、Face IDで使用するTrueDepthシステムのおかげで正面カメラ(「TrueDepthカメラ」)でもボケ写真やポートレートモードの写真を撮影できることだ。TrueDepthカメラは700万画素なので、撮影した写真はよりシャープな仕上がりになる。過去最高の自撮り写真を撮影できるだろう。
TrueDepthカメラの一風変わった機能が「アニ文字」だ。アニ文字とは、ユーザーの表情をまねるアニメーション文字を指す。10秒間のアニ文字を録画でき、テキストメッセージとして送信できる。短い動画として保存し、メールにコピーすることもできる。アニ文字はくだらなくて無意味な機能だと言いたいところだが、友人や家族に50個も送ったので、この主張は筋が通らない。
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