初代iPhone発売10周年記念モデル
「iPhone X」徹底レビュー、Appleが全力を尽くしたきら星のごとき新機能に冷静さを失う(1/3 ページ)
10周年を記念するAppleの「iPhone X」には、多くの特徴がある。大画面、ホームボタンの廃止、顔認証「Face ID」、ワイヤレス充電など、きら星のごとき新機能を備えた本機を徹底レビューする。
10周年を記念するAppleの「iPhone X」には多くの新機能が加わった。だが、何といっても一番はiPhone Plusの大きな画面を標準iPhoneの小さなボディーに収めたことだろう。そのためには、ホームボタンを廃止し、価格を10万円台に上げるなど、物議を醸す変更を幾つか加えなければならなかった。ただ、iPhone Xにはワイヤレス充電など、他にも新たな機能が幾つかある。
本稿では、iPhone Xを徹底的にテストし、新しい機能を全て明らかにする。
併せて読みたいお薦め記事
「iPhone X」「iOS 11」について詳しく
「Face ID」についてもっと詳しく
構造とデザイン
Appleの最新スマートフォンiPhone Xを巡る多くの報道の中で見落とされているのは、大きな画面を小さな筐体に収めるという、同デバイスの基本的な目標である。iPhone XのディスプレイはAppleの「iPhone 8 Plus」とほぼ同じ大きさだが、本体の体積はiPhone 8 Plusの94.2立方センチに対し、77立方センチしかない。ただし、68.8立方センチの「iPhone 8」よりはやや大きい。
重さも同様で、iPhone 8 Plusが202グラム、iPhone Xが174グラム、iPhone 8が148グラムだ。
「iPhone 7 Plus」以前のモデルを使ったことがあれば、ボディーが大幅に小さくなり、やや軽くなったことが分かる。iPhone Xは、ケースに入れた状態でもズボンのポケットにすっぽりと収まる。
iPhone Xも縁や角が丸みを帯びていて、画面を消してしまえば、見た目は他のiPhoneと変わらない。カラーはシルバーとスペースグレイの2色がある。iPhone Xは持ちやすく、Plusシリーズに比べて薄くなっている。Appleは、ワイヤレス充電を可能にするために、背面をガラス素材に戻している。その結果、デバイスが滑りやすくなるという副作用を生みだしている。
もちろん構造品質は素晴らしく、TechTargetがテストしたデバイスは力を加えても、たわんだり曲がったりすることは全くなかった。
iPhone Xは、防塵(じん)と防水の標準IP67をクリアしている。これは、「粉じんが内部に侵入しない」ことと「一定の水圧(1メートル)で一定時間(30分間)水中につかっても品質に影響しない」ことを示す。ただし、防水の最高標準ではないので、iPhone Xをわざと水に浸してはいけない。だが、水回りのアクシデントに耐える可能性は高い。
ディスプレイ
スクリーンの対角線を測ると、iPhone 8 Plusが5.5インチ、iPhone 8が4.7インチ、iPhone Xが5.8インチだ。だが、これはスクリーンの大きさを判断する最適な方法ではない。iPhone Xのアスペクト比は2.2:1と珍しい比率で、非常に縦長でスリムになっている。一方、iPhone 8 Plusのアスペクト比16:9と横幅が広めだ。そのため、iPhone XとiPhone 8 Plusのディスプレイ面積は約82.5平方センチとほぼ同じになる。
iPhone XはiOSスマートフォンの中で最高の解像度を誇る。画素数は2436×1125ピクセル、画像密度は458ppiだ。これは、iPhone 8 Plusの401ppiを上回る。
iPhone XはOLED(有機EL)ディスプレイを採用する初のiOSデバイスだ。だが、有機ELを採用する初のスマートフォンではない。Samsung Electronicsは何年も前からこのディスプレイを採用している。有機ELがハイエンドデバイスに採用される理由はひと目で分かる。このディスプレイは非常に美しい。コントラストの比率が100万:1になっているため、色合いが極めて鮮やかで、黒い部分は漆黒で、白い部分は紙のように見える。
ディスプレイは、屋外でも使えるほど十分に明るい。TechTargetのテストでは、日陰だけでなく直射日光の下でも問題なく使えるiPhoneであることが分かった。
だが、有機ELパネルはコストも高いが、さらに大きなデメリットがある。それはスクリーンの焼きつきの恐れだ。この現象はすぐに起きるわけではない。だが、特に明るさを最大に設定した状態で、必要以上に同じ要素をディスプレイに表示し続けるのを避けるようにとAppleは示唆している。その要素が消えずに恒久的に残ってしまう恐れがあるためだ。
ディスプレイはiPhone X表面のほぼ全面を占める。そのため、ホームボタンのスペースがなくなった。ホームボタンは、以前のiOSデバイスには不可欠の指紋スキャナーの役割を兼ねていた。代わりに、Appleは顔認証システムを採用した。「Face ID」については後述するが、顔認証システムのハードウェアがスクリーン上部のスペースを占有し、悪評高い「ノッチ」(切り欠き、くぼみ)を生み出していることに触れておく。
ほとんどの場合、このノッチが気になることはない。だが、状況によっては、以前画面上部に常時表示されていた多くのステータスインジケーター用のスペースが不十分になるため、気になる。「インターネット共有」の使用中は、アイコンのスペースがない。そのため、時計が青くなった理由を覚えておくのはユーザーの役割になる。Bluetoothインジケーターやバッテリー残量を表示するスペースもない。ほとんどのインジケーターは、「コントロールセンター」に移り、ひと目で確認することはできなくなった。
「3D Touch」など変わらない機能もある。これは助かる。ホームボタンがなくなったため、ディスプレイのタッチ操作がさらに重要になるからだ。
大型の美しい有機ELディスプレイがiPhone Xの売りになっている。たが、問題がないわけではない。毎日数時間もGPSアプリの実行を続けるなら、スクリーンの焼きつきを心配したほうが良い。Appleは、Face IDスキャナーの下からスクリーンを始めるほうが賢明だったのではないだろうか。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
「Excel至上主義」の終わらせ方 丸2日の手作業地獄から情シスと現場を救うには
-
2
急増する「AIはこう言ってる」マン 判断を狂わせる「AI忖度」を防ぐには?
-
3
取手市がVDIと決別した理由 更改費用「4倍超」を約1.7倍に圧縮
-
4
221人調査で分かった「情シス最大のストレス」は?
-
5
「データストレージの活用方法」に関するアンケート
-
6
「AI時代の統合基盤・エンタープライズAI管理」に関するアンケート
-
7
自宅のWi-Fiが「遅い」「途切れる」本当の原因は? Dellが推奨する鉄則
-
8
100億円の「Linux更新」を回避 みずほ銀行が選んだ“おきて破り”のRHEL延命策
-
9
本当に安いPCで十分か? “すぐ重くなる”を防ぐノートPC選びの絶対条件
-
10
Claudeの不可視透かしに批判殺到 著作権消失や誤判定に潜む企業リスク
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
年収2000万「クラウドセキュリティのプロ」になれる資格とは
-
2
セキュリティソフトをすり抜ける標的型攻撃メール、不審メールの見破り方とは?
-
3
Windows Updateの通信集中で回線が逼迫、ネットワーク刷新事例に学ぶ解決策
-
4
財務を戦略的組織へ進化させるAI活用術、4つの主要な障壁と解消方法
-
5
「NAS」「SAN」「DAS」は何が違う? いまさら聞けないストレージの基礎
-
6
“あのファイル転送”で暗躍するノーウェアランサム
-
7
標的型攻撃メールを見破るには? サンプル文面を例に傾向を解説
-
8
商用利用の安全性を確保し大量のコンテンツを高速で生成する、AI活用の秘訣
-
9
マンガで解説、1日で生成AI環境を構築できるワークショップの中身とは?
-
10
Dark AIが台頭する時代の新発想、「より高度なAIで対抗する」具体的方法とは?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー