初代iPhone発売10周年記念モデル
「iPhone X」徹底レビュー、Appleが全力を尽くしたきら星のごとき新機能に冷静さを失う(3/3 ページ)
パフォーマンス
iPhone Xは、新型プロセッサ「A11 Bionic」を搭載する初のデバイスだ。このプロセッサは、人工知能を利用する機能、特にFace ID用にAppleが設計した。このプロセッサには6基のプロセッサコアを搭載している。2.39GHzで動作する2基のプロセッサコアが高いパフォーマンスを必要とするタスクを処理し、残りのコアが電力効率を重視するタスクに対処する。どのコアの組み合わせも、同時実行が可能だ。
Primate Labsの「GeekBench 4」を利用してこのプロセッサのベンチマークテストを実施したところ、ほぼ全ての主要競合製品を大きく上回った。iPhone Xと同じプロセッサを搭載するiPhone 8 Plusが少しだけ先行公開されているが、同機は画素数がiPhone Xよりも少ない。
iPhone Xは3GBのRAMを搭載する。2つのアプリケーションを並べて実行できないiOSデバイスには十分な容量だ。
これまで、同社はiPhoneに組み込むストレージ容量をケチっていたが、幸いにもついにこの点が克服された。iPhone Xでは64GBと256GBのどちらかの容量を選択できる。容量の多いストレージを選ぶと価格が1万7000円ほど高くなる。
ソフトウェア
iPhone Xには「iOS11.1」が導入されているが、これには良い点と悪い点がある。iOS11.1はAppleのモバイルOSの最新かつ最高バージョンである。だが、多くのバグを伴い、同社は深夜までその修正に追われている。
iOSデバイスを備えていると、Appleのビジネスソフトウェアスイート「iWork」(「Pages」「Sheets」「Keynote」)や「iLife」スイート(「GarageBand」「iMovie」)の全てまたは一部を無料でインストールできる。
バッテリー持続時間
Appleは、1回の充電で、インターネット利用なら最大12時間、ワイヤレス動画再生なら最大13時間、ワイヤレスオーディオ再生なら最大60時間の連続利用が可能だとしている。TechTargetでは、バックライトを50%にしてWi-Fi経由で動画を連続再生してテストしたところ、持続時間は10時間19分だった。Appleの主張通りとまではいかなかったが、見事な結果ではある。このテストと実際の使用結果から、1回の充電でiPhone Xは1日中頻繁に利用しても持続することが示された。
iPhone Xは、高速充電をサポートするiOSデバイスの1つだ。USB Type-C接続を使う高速充電では、30分間で最大50%の充電が可能だ。だが付属しているのはUSB Type-Cケーブルではなく、低速のUSB Type-Aケーブルになっている。USB Type-C端子に接続できる「USB-C - Lightningケーブル」(1メートル2800円、税別)を購入するか、USB Type-C互換の充電器やノートPCを購入するかはユーザー次第だ。
iPhone Xは、ケーブルをつながずにデバイスを充電パッドに載せて電力を供給するワイヤレス充電をサポートする。これをサポートするのもAppleにとって初である。驚くべきことに、iPhone Xはワイヤレス充電のQi規格をサポートする。ここでAppleは、自社独自の対抗規格を立案する決断は下さなかった。
だが、ワイヤレス充電器はiPhone Xに付属していない。そのため、購入するかどうかはユーザー次第だ。
結論
その名が示すように、iPhone Xは初代iPhone発売10周年記念としてリリースした。
そのためAppleは全力を尽くし、大型有機ELディスプレイ、信頼性の高い顔認証、ワイヤレス充電を組み込んだ。こうした機能が全て、標準のiPhone本体に収まっている。
明らかに、iPhone XはiPhoneシリーズを大きく変え、議論を呼んでいる。中でも注目すべきは、大きなディスプレイのスペースを確保するためにホームボタンを排したことで、ユーザーがiPhoneの新しい操作方法を学ばなければならない点だ。
当然、価格にも触れておかなければならない。64GBバージョンは11万2800円(税別)、256GBバージョンは12万9800円(税別)になっている。スマートフォンとしては高額だが、他社の主要競合製品とあまり変わらない。Samsung Electronicsの「Galaxy Note8」の価格は約12万円(注1)で、ディスプレイの大きさはiPhone Xよりもわずかに大きく6.3インチだが、ストレージ容量は同じだ。とはいえ、大きなスクリーンが欲しいiOSファンなら、iPhone 8 Plusを選んで2万3000円を節約することもできる。
※注1:auオンラインショップでの販売価格は11万8800円、ドコモオンラインショップでの販売価格は12万6360円。いずれも税込。
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