Microsoftの2018年を占う【後編】
Windows Serverの新GUI追加から量子コンピューティングまで、最新技術トレンドを探る
Microsoftのテクノロジーは多くの領域にわたる。後編は、クラウドやコンテナに関心の高いユーザーに向けた情報をお届けする。
前編「『Office 2019』の試したくなる新機能 2018年後半登場の新バージョンは期待できる?」ではビジネス向け製品の計画について述べた。後編は、クラウドやコンテナに関心の高いユーザーに向けた情報をお届けする。
DevOps向けWindows Serverをリリース
Windows Serverのリリース間隔が長過ぎるというユーザーもいれば、アップグレードプロセスが短過ぎるというユーザーもいる。
そこでWindows Server 2016では、2年に1回だったこれまでの「Long-Term Servicing Channel(LTSC)」より短い新しいリリース間隔を加えた。
2017年6月に発表した「Semi-Annual Channel」リリースプログラムでは、半年に1回、春と秋に新機能を追加する。主なターゲットはDevOpsを導入し、先進的なアプリケーションや最新のテクノロジーを求めている企業だ。
Semi-Annual Channelリリースでは、18カ月間のメインストリームサポートが付き、サポート期間中は新バージョンへのビジネスアップグレードを受けることができる。クラウドで短い開発サイクルを実現し、迅速に新機能を入手したい企業に適している。このチャネルで提供する最初の製品「Windows Server 2016バージョン1709」は、コンテナイメージとしてリファクタリングした「Nano Server」や、「Hyper-V」で分離したLinuxコンテナのサポートを提供する。
2年に1回のLTSCリリースでは、それまでのSemi-Annual Channelリリースの機能を1つの新製品にパッケージ化して提供する。LTSCの次期バージョンは2019年か2020年になる。
GUIのWindows Server管理コンソール
「PowerShell」は管理タスクの効率を高める強力なスクリプティング言語だが、使いこなすにはハードルが高いと感じる管理者もいる。PowerShellで自動化しなければならないほど大規模なサーバではない場合もある。Microsoftが2017年9月に発表した「Project Honolulu」は、そうしたユーザーにも使いやすいGUI(グラフィカルユーザーインタフェース)を提供するWindows Server管理コンソールだ。
Project Honoluluは無料で提供され、ブラウザベースのシンプルなGUIでオンプレミスとクラウドの複数のサーバをリモート管理できる。新しい「Server Manager」「Failover Cluster Manager」「Hyper-Converged Cluster Manager」を備えており、サーバの設定やトラブルシューティングのために幾つものツールを切り替える必要がない。
Project Honoluluは「Windows Server 2012」以降を対象とする。Project Honoluluをゲートウェイサーバで実行するように設定することで、「Linux」や「Android」上のブラウザからWindows Serverシステムを管理できる。
クラウドの機能をオンプレミスで利用する「Azure Stack」
Microsoftは2017年9月に開催した年次カンファレンス「Ignite 2017」で、Azure Stackがついに利用可能になったと発表したが、今すぐ使えるわけではないようだ。
Azure StackのOEMハードウェアベンダーによれば、Microsoftはまだコードを手直ししており、ベンダーはAzure Stackデプロイ対応のテストと動作確認が必要だという。そのため、企業が自社データセンターにAzure Stackをインストールできるのはさらに1~3カ月先になりそうだ。
Azure Stackの販売は、OEMパートナーのAvanade、Cisco Systems、Dell EMC、Hewlett Packard Enterprise、Huawei、Lenovoが開始する。導入を検討している企業はそろそろコストを確認しておこう。
Azure Stackの料金モデルには「ベース仮想マシン」「Windows Server仮想マシン」「Blob」「テーブルとキューのストレージ」「App Service」がある。また、既存のライセンスを使用することで料金を相殺できる。
結実へ向かうMicrosoftの量子コンピューティング研究
Microsoftの量子コンピューティング研究が計画通りに進めば、競合他社を一気に引き離す可能性が見えてくる。
量子コンピュータが実現すれば、従来なら何年もかかるような複雑な問題を数時間で解決することが可能になる。Microsoftは量子コンピュータでアルゴリズムを実行するための新しいプログラミング言語を開発中だ。この言語は同社の開発環境「Microsoft Visual Studio」に組み込まれる。
また、Microsoftは量子シミュレーターの提供も計画しており、ローカルで実行するものとAzure上で実行するものの2種類を用意する。Microsoftが商用量子コンピュータを販売するのか、Azureから提供するのかはまだ不明だ。いずれにせよ、Microsoftの量子コンピューティング研究が実を結べば、複雑な問題を素早く解決できる日は近くなる。
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