「Current Branch」「LTSB」など旧モデルとの違いは
Windows 10の新更新モデル「Semi-Annual Channel」「LTSC」、旧モデルとの違いは?(1/2 ページ)
Windows 10の更新プロセス「Windows as a Service」の更新モデル名称が変わった。以前との比較を交えて、新たな更新モデルの特徴を解説する。
ウィリアム・シェークスピアの不朽の名作『ロミオとジュリエット』には、ジュリエットが嘆く有名なせりふがある。「名前って何? バラをたとえ別の言葉で呼んだとしても、やはり甘い香りがするでしょう」。互いの家族が敵対しているから、世間は自分とロミオの結婚を許さない。もしロミオが違う名前だったら、自分たちは一緒になれるのに――。ジュリエットの言葉にはそんな意味がある。
Microsoftは、Windowsの更新プロセス「Windows as a Service」(WaaS)で利用していた更新モデルの名称を「Branch」(ブランチ)から「Channel」(チャネル)へと変更した。Windows 10の管理者はジュリエットのように「名前を変えたところで、何かが変わるのだろうか。更新の仕組みはこれまでと同じように機能するのだろうか」と感じているだろう。
Windows 10の投入に伴ってMicrosoftは、更新プロセス全体をWaaSと呼ぶことに決め、以前のように数年ごとに新しいOSをリリースするのではなく、既存OSを継続的に更新することにした。
更新モデルは当初「Windows Insider Program」「Current Branch」「Current Branch for Business」「Long Term Servicing Branch」(LTSB)の4モデルで構成されていた。Microsoftは2017年7月にこれを変更し、Windows Insider Programと「Semi-Annual Channel」「Long-Term Servicing Channel」(LTSC)の3モデルに再編した。
Windows 10の各更新モデルについて、以前との違いを含めて解説する。更新プロセスの管理に役立つ主なツールも紹介する。
併せて読みたいお薦め記事
「Windows 10」についてもっと詳しく
- 「Windows 10」の18大基礎知識 IT担当者なら知らないと今後生き抜けない?
- Windows 10ユーザーなら笑えない5つの「困った」、解決策は?
- Windows 10の“激推し”セキュリティ基準とは? Microsoft無料ツール活用法
Windows 10“だけ”で使える「Office 2019」
機能更新プログラムか品質更新プログラムか
更新モデルの詳細に踏み込む前に「機能更新プログラム」と「品質更新プログラム」の違いを認識しておくことが大切だ。
機能更新プログラムは年に2回、おおよそ3月と9月にリリースされ、Windows 10に新機能を追加する。
品質更新プログラムは毎月1回のリリースで不具合や脆弱(ぜいじゃく)性を修正して、セキュリティを強化する。こちらは累積的な更新となり、各品質更新プログラムは、前回の品質更新プログラムを基盤とする。IT部門がある品質更新プログラムを適用すると、それまでに配信された品質更新プログラムを全て適用することになる。Microsoftは各機能更新プログラム向けに、18カ月にわたって品質更新プログラムを配信する。
Windows 10の更新モデル
IT部門はWindows 10の更新モデルを選択して、各デバイスへの更新プログラムの適用ペースを調整できる。
Windows Insider Program
Windows Insider Programに参加すると、開発中の最新更新プログラムを利用できる。自らのシステムで更新プログラムをテストして、うまく動作するかどうかを確認可能だ。Windows Insider Programの参加者が問題を発見した場合、Microsoftに連絡を取れば対処してもらえる。Microsoftは、Windows Insider Programの参加者から寄せられたフィードバックに基づき、更新プログラムを開発する。
Semi-Annual Channel
Semi-Annual Channelは2つのサブセクションで構成される。1つ目のサブセクションは「Semi-Annual Channel(Targeted)」という。以前の更新モデルの中では、リリース直後から更新プログラムを配信するCurrent Branchに最も近い。IT部門は組織内の最新デバイスで、更新プログラムをテストする必要がある。もしそこで正常に動作しなければ、それより古いデバイスでも問題が生じる可能性が高い。更新プログラムの適用がうまくいったら、IT部門は第2のサブセクションの「Semi-Annual Channel」へ移行して、組織全体に更新プログラムを配信することになる。こちらは以前の更新モデルではCurrent Branch for Businessに相当する。
LTSC
LTSCは例えばATM(現金自動預け払い機)のように、システム停止やセキュリティ問題の発生が許されない専用デバイスのためにある。機能更新プログラムはブロックするが、品質更新プログラムは適用する。
「Windows 10 Enterprise LTSB」を搭載しているデバイスが、LTSCの適用対象となる。LTSCでは、更新プログラムを約3年ごとに配信する。LTSCでは、5年のメインストリームサポート(標準サポート)と、5年の延長サポートの間、Microsoftが更新プログラムを継続して提供する。IT部門の準備が整った時点で、稼働中のOSを直接更新する「インプレースアップグレード」の方法で、更新プログラムを導入できる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[株式会社kickflow] 2社の事例に学ぶワークフロー改革:属人化解消や年数万件の申請書類削減のコツ -
製品資料
[NTTPCコミュニケーションズ株式会社] 「回線速度不足」だけが原因ではない? Web会議の遅延を解決する方法とは -
製品資料
[東京エレクトロン デバイス株式会社] 工場の可用性向上に重要な「7つの領域」と対策 OTセキュリティ強化の基礎知識 -
製品資料
[リコージャパン株式会社] 問い合わせ対応で本来の業務が進まない、総務や情シスの負担をどう減らす? -
製品資料
[リコージャパン株式会社] 自社データから高精度な回答を生成、簡単に生成AIチャットボットを構築する方法
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
ITエンジニア1265人調査 生成AIを使い込むほど「人の確認」が重い理由
-
2
全社標準Copilotに絶望? MS Copilotで問い合わせ6割減できた企業は何が違った
-
3
Microsoft製品でここまで自動化できる 情シスがやめられる手作業10選
-
4
脱VMwareの前提が崩れる BroadcomのVDDK公開停止で確認すべき点
-
5
「Copilot」はなぜ放置される? “議事録要約止まり”を脱する処方箋
-
6
「Microsoft一択」で本当にいいのか 知らぬ間にライセンス費用が膨らむ真相
-
7
IT予算が10%増えたら何に使う? 著名企業のCIOが明かす「最優先の投資先」
-
8
AI活用か新たな脅威か OpenAI自律エージェントがRubyGemsを急襲
-
9
音声もFAXもメールで確認――ユニファイドメッセージの業務効果
-
10
機械学習について、正しく説明している文章はどれ?
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
JR西日本ITソリューションズが「監視業務の属人化」を解消した方法とは?
-
2
生成AIで文書活用を進めるには? 効率化と安全性をどう両立する
-
3
インシデント対応工数を約3割削減、東京ガスの事例に学ぶ監視体制刷新のコツ
-
4
Windows PCとMacの選択制で生産性向上 LINEヤフーが実践する運用管理方法とは
-
5
少額減価償却資産が40万円未満へ拡大、令和8年度税制改正で押さえるべき変更点
-
6
「Google Workspace」活用事例34選、先進の生成AIによる組織変革の全貌
-
7
国税庁の次世代基幹システム「KSK2」稼働開始に向けて、対応すべき変更点とは?
-
8
「オンプレミス回帰」せざるを得ない“合理的な理由”
-
9
Linuxのスキルを証明する“激推し”の認定資格はこれだ
-
10
AI時代に成功するための「ナレッジマネジメント」ベストプラクティス
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー