機能だけでなく、外部委託なども考慮に入れよう
人材管理(HCM)システム主要6製品を比較 自社に合うオプション機能は?(2/4 ページ)
SAP SuccessFactors
「SAP SuccessFactors」は企業向けの包括的HCMスイート(製品群)だ。HRのコア機能と給与のソフトウェアが含まれる。他にも採用、導入研修(on-boarding)、業績、目標の管理や、後継者育成を計画するHCMソフトウェアも用意されている。さらに、学習ツール、要員分析と要員計画ツール、コラボレーションツールなどの従業員エンゲージメント向上を目的としたソフトウェアも備える。
企業規模にかかわらずSuccessFactorsは広く採用されている。グローバル展開をする企業向けに、89カ国にローカライズされているのが特徴だ。地域の法律や規制が変更された場合もSAPによって適宜更新されるため安心だ。
HRのコア機能ソフトウェアとしては「SAP SuccessFactors Employee Central」が組み込まれており、全てのHR関連プロセスをコントロール可能だ。具体的には組織管理、時間管理、グローバルな福利厚生などだ。41種類の異なる給与処理と会計システムを扱える報酬システムも用意する。
従業員エンゲージメントソフトウェアには、トレーニングと学習のモジュールや「SAP Jam Collaboration」がある。後者は顧客、パートナー、従業員を重要な情報と関連付けができる。要員計画と要員分析を行うソフトウェアも備えているため、企業の要員目標の達成状況を人事部やビジネス部門のマネジャーが評価できる。
SuccessFactorsは、ビジネスニーズに応じて顧客が細かくモジュールを選択できるため、必ずしもスイート全体を購入する必要はない。
SAPは、四半期ごとに新しいリリースを提供してSuccessFactorsを更新している。最近の更新には以下が含まれる。
- AppleのiOS用SuccessFactorsモバイルアプリの設計が見直され、モバイルアクセス機能を拡張した
- サポート対象国に欧州とアフリカの10カ国を加えた
- 専門家による健康アドバイス、専門家の指導やベストプラクティスなど、従業員の健康状態に関するリソースを強化した
- 事前構成済みのHRプロセス、ポジション管理、総合要員管理、勤怠管理を統合し、ローカライズした
- 継続的な業績管理の一環として、時間と場所を問わないフィードバックを可能にした
- 学習目標とさらなる専門能力の開発をユーザーが設定できる学習ソフトウェアを実装
SAPによると、今後の更新ではセキュリティやガバナンスに関する手法と規制、HRのコア機能と人材管理のローカライズが中心になるという。
SuccessFactorsはクラウドベースのSaaS(Software as a Service)だ。ただし、SAPはオンプレミス型ERPのHCMシステムも用意している。SuccessFactorsは「Internet Explorer」「Microsoft Edge」「Mozilla Firefox」「Safari」「Google Chrome」ブラウザをサポートする。
「SAP Enterprise Support」はSuccessFactorsの直販顧客であれば誰でも利用できる。複数のチャネルとリソースが用意されている。SAPでは従業員のエンゲージメントに興味がある顧客を優先し、SAP製品の問い合わせ先にアクセスできるようにしている。
SAPには、600社を超える専門サービスコンサルタントから構成される世界規模のネットワークがある。SAPの広範なサービス編成では、変更の管理、ビジネストランスフォーメーション(ビジネス変革)サービス、幹部向けの助言、採用サービスなどが提供される。顧客の足りない部分を補うサービスというわけだ。
SAPでは、SuccessFactorsの新規顧客を支援し「SAP SuccessFactors Community」を通じてトレーニングとサポートを提供する。SAP SuccessFactors Communityでは、ユーザーがアイデアや情報を交換できる。専門家によるサービスと拡張トレーニングは1回の利用ごとに課金される。
SAPは、SuccessFactorsの年次ユーザーカンファレンス「SuccessConnect」も主催している。
同社はSuccessFactorsの具体的な価格を社外に公開しておらず、SuccessFactorsの価格はユーザー数を基準にし、代表的なライセンス期間が3~5年間であることしか公表していない。なお、無料試用版はない。
Ultimate Software UltiPro
Ultimate Softwareの「UltiPro」はグローバル企業を対象にしたHRサービスだ。UltiProには、給与処理と福利厚生に対応するHRのコア機能ソフトウェアが含まれる。また、採用、オンボーディング、要員管理、業績、報酬、後継者計画などを含むHCMソフトウェアもある。さらに、学習、従業員調査、感情分析に対応するエンゲージメントソフトウェアも用意されている。ビジネスインテリジェント(BI)のレポートは全ソフトウェアで利用できる。
Ultimate Softwareではリリーススケジュールを決めてUltiProを更新しているわけではない。クラウドを通じて継続的な更新をする。2017年には550回を超える更新が実施された。これらの更新には、Ultimate SoftwareのAI基盤「Xander」や「UltiPro Connect」が含まれる。同社によると、UltiPro ConnectはUltiProへの統合を簡略化と標準化をするように設計されたハブ(中継機)だという。
Ultimate Softwareは、要員管理、福利厚生、人材獲得、従業員に対する洞察、UltiProモバイルアプリ用の機能が今後の更新対象だとしている。
UltiProは、世界各国で働く100人以上の従業員を擁し、米国またはカナダに拠点を置く企業に最適だ。UltiProでは13カ国以上の言語をサポートし、グローバルな給与処理ベンダーと連携できる。また、35カ国を超えるコンプライアンス基準に対応できる。UltiProは、小売り、外食、スポーツ、医療、製造、非営利などさまざまな業界の企業で採用されている。
UltiProはSaaS型のサービスだ。全てのWebブラウザで動作し、AndroidとiOSのモバイル環境でも利用できる。
Ultimate SoftwareはUltiProを定額で提供する。これには初期トレーニング費用が含まれる。同社はオンライン、対面式、オンデマンドでのトレーニングも提供する。また、教育用ライブラリとオンラインユーザーコミュニティーも備えている。これらのリソースは追加コストなしで利用できる。
顧客は、Ultimate Softwareの専門家と連携することもできる。それにより、給与処理、福利厚生、コンプライアンス、戦略的コンサルティングについて、顧客に合わせて調整されたサービスを受けられる。この戦略的コンサルティングはHCMプロセスの最適化、変更管理、従業員エンゲージメントに対応する。また、Ultimate Softwareの「Connections」ユーザーカンファレンスは毎年春米国ラスベガスで開催されている。
Ultimate SoftwareはUltiProの無料試用版は提供していない。ただし、隔週でライブデモを提供している。購入を検討する顧客は、Ultimate SoftwareのWebサイトから製品ツアーに参加可能だ。もっとよく知りたい場合は詳細デモのスケジュールを設定できる。
Ultimate SoftwareはUltiProの価格を社外には公表していない。従業員ごとに1カ月当たりの価格を設定しているとだけ述べている。
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