時には短期間のコンサルタントも必要
ユニファイドコミュニケーション導入で直面する6つのトラブルと解決策
ユニファイドコミュニケーション(UC)システムのトラブルシューティングをするために、よく発生する問題と解決法を記載したリストを紹介しよう。
優れたユニファイドコミュニケーション(UC)システム導入の成否は、細部まで正確に導入を実施できるかどうかにかかっている。導入を成功させるための、6つのヒントを紹介しよう。
ヒント1:組織の業務との一致
UCシステムの機能は、組織の業務と一致している必要がある。頻繁に発生する作業は、使いやすい機能で対処すべきだ。音声会議やビデオ会議などのコラボレーション機能を統合すれば、両方の会議で単一のUI(ユーザーインタフェース)が使えるようになる。組織内の部門によっては、チャットルームにおいて文書保管や一定期間のチャット履歴を表示させる機能が必要になる場合がある。ユーザーが最小限の労力で参加できる音声およびビデオシステムの統合が、いかにうまく実現できているかを調査するといい。
ヒント2:ダイヤルプランの統合
ダイヤルプランは、組織内での従業員の異動や、それに伴う電話の移動、追加、変更を容易にサポートできる必要がある。内線電話、外線電話、携帯電話への通話といった要素がダイヤルプランを複雑にする。適切に計画し導入したダイヤルプランならば、スムーズな運用が可能となり、変更が必要な場合も、スタッフの作業時間を短縮する。
ヒント3:E911トラッキング
ツールを利用して、E911(注1)データベースの詳細を容易に追跡するように設定するとよい。有線通話があった場所の位置情報を特定するのは比較的簡単だが、必要なデータを記録するための初期投資が必要だ。ファーストレスポンダー(911コールに応答して駆け付ける緊急対応者。警察、消防、救急など)となる組織は可能な限り詳細なデータを好む。かつては住所と番地だけで問題なかったが、今では事務所の名称と階数という情報まで提供することが望まれている。
※注1 緊急通報の位置通知システム。携帯電話から緊急電話の911(日本では「110」「119」に相当)へ電話をかけると同時に、通話者の位置を特定する技術。
さらにE911トラッキングを複雑にしているのが、モバイルデバイスとクライアントソフトをサポートする無線通信と、仮想プライベートネットワーク接続の頻繁な使用だ。E911データベース管理ツールがこれらの種類の接続に対応しているか確認する。必要に応じたきめ細かさでネットワークの網羅性を実現するためには、高密度Wi-Fi環境の導入が求められる場合もある。
ヒント4:UCシステムを理解する
UCシステムの一部に問題がある場合は、問題を効率的に特定し解決するために、システムの設計、運用およびトラブルシューティングを理解する必要がある。例えば、
- どのようなテストや診断プログラムを実行する必要があるか
- そのテストや診断プログラムをどこで実行すべきか
などに即答できるのが望ましい。
通話設定の問題は、雑音が多くて会話が聞こえなかったり、相手の声が聞こえなかったりといった問題とは全く異なる。クラウドベースのUCシステムは、オンサイトシステムとは全く異なるトラブルシューティングの過程をたどる。理想としては、よく発生する問題と、実行すべき診断手順および問題の解決方法を記載したリストを準備しておくとよい。
基本的な理解は、システムが正しく機能しているときの運用の基礎となる。実際の通話を監視したり、自動通話を生成したりするアクティブ分析システムは、多くの場合、エンドユーザーが問題の発生を認識する前にいち早くトラブルを通知できる。さらにうれしいことに、これらのシステムは、UC以外のトラフィックパスを監視できる。
ヒント5:ユーザーのライセンス管理
使われていないライセンスを再割り当てすることで、コストを抑える。ライセンスを必要とする重要なエンドポイントを特定するのに役立つツールも必要となる場合があるが、それはごくまれだ。UCシステムのメンテナンスプロセスを、人事管理部門が担当する新人研修および退職手続きのプロセスに結び付け、スタッフの変更が発生したときにUCライセンスを割り当てて再利用するとよい。さらに定期的に使用状況をチェックし、一定期間使われていないエンドポイントとライセンスを特定し、重要なエンドポイントのデータベースに照らし合わせてこれらのライセンスをチェックする。遠隔地にある組織の緊急電話のライセンス解除はお勧めしない。
ヒント6:ネットワークの設計と安定性の確認
UCシステムは、通信の基盤となるネットワークインフラに依存するため、可用性の高いネットワークが必要となる。次の点を確認してほしい。
- ネットワーク設計は重要なコンポーネントとパスの冗長性を含んでいるか
- システムのフェイルオーバープロセスが設計通り機能することを検証するためにフェイルオーバーテストを実施したか
推察の通り、フェイルオーバーテストを実施するのは危険であり、念入りな計画が必要だ。しかし、小さなコンポーネントの不具合を見落とした結果、大規模なシステム障害が発生するような事態を、組織の経営陣は許容しないだろう。
安定性に関する問題の原因究明をお勧めする。大規模なレイヤー2ブリッジドメインを持つネットワークは、スパニングツリーがループすると組織のかなりの部分でUCの機能障害を引き起こす可能性がある。検証済みのネットワーク設計であれば、これらのタイプの障害を回避し、すぐに利用できる。
ネットワークは、ありふれた音声通話や双方向ビデオトラフィックの配信を促進する存在であるべきだ。大量のデータ転送がリアルタイムUCに悪影響を与えるような状態であってはならない。
UC導入と修正作業の優先順位
上述の分野での不備を特定するために、UCシステムの健全性チェックを実行する。社内に信頼できる専門チームがいれば任せよう。簡単な不備から修正し、まずは早期に結果を出しながら、より困難な項目に対処するとよい。もちろん、特定の問題が不具合を引き起こしている場合は、その問題修正により高い優先順位を付ける。場合によっては、適切な修正処置のために、短期間コンサルタントが必要となる場合もあるだろう。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
急増する「AIはこう言ってる」マン 判断を狂わせる「AI忖度」を防ぐには?
-
2
取手市がVDIと決別した理由 更改費用「4倍超」を約1.7倍に圧縮
-
3
「Excel至上主義」の終わらせ方 丸2日の手作業地獄から情シスと現場を救うには
-
4
221人調査で分かった「情シス最大のストレス」は?
-
5
「データストレージの活用方法」に関するアンケート
-
6
「AI時代の統合基盤・エンタープライズAI管理」に関するアンケート
-
7
自宅のWi-Fiが「遅い」「途切れる」本当の原因は? Dellが推奨する鉄則
-
8
本当に安いPCで十分か? “すぐ重くなる”を防ぐノートPC選びの絶対条件
-
9
100億円の「Linux更新」を回避 みずほ銀行が選んだ“おきて破り”のRHEL延命策
-
10
Claudeの不可視透かしに批判殺到 著作権消失や誤判定に潜む企業リスク
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
年収2000万「クラウドセキュリティのプロ」になれる資格とは
-
2
セキュリティソフトをすり抜ける標的型攻撃メール、不審メールの見破り方とは?
-
3
Windows Updateの通信集中で回線が逼迫、ネットワーク刷新事例に学ぶ解決策
-
4
財務を戦略的組織へ進化させるAI活用術、4つの主要な障壁と解消方法
-
5
「NAS」「SAN」「DAS」は何が違う? いまさら聞けないストレージの基礎
-
6
“あのファイル転送”で暗躍するノーウェアランサム
-
7
標的型攻撃メールを見破るには? サンプル文面を例に傾向を解説
-
8
商用利用の安全性を確保し大量のコンテンツを高速で生成する、AI活用の秘訣
-
9
マンガで解説、1日で生成AI環境を構築できるワークショップの中身とは?
-
10
Dark AIが台頭する時代の新発想、「より高度なAIで対抗する」具体的方法とは?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー